苦役列車

2011年06月24日 | 健康・病気

第144回芥川賞受賞作「苦役列車」(西村賢太著)を読んだ。
正直なところこれが芥川賞か、という気持ちです。
まず、主人公北町貫多に魅力がない。
父親が性犯罪を犯し、地元に住めなくなり離婚した母親と姉と引っ越す。
中学を出て、母親から十万円の現金を強奪するようにしてむしり取り、
鶯谷の三畳のアパートを借り仕事を探す暮らしを始める。
中卒ではまともな仕事にも就けず、昭和島の羽田沖に面した冷蔵の物流倉庫で日雇いの労働を始める。
そこで一日働いて、五千五百円もらう。

> ともかくあすこに行って数時間、牛馬のようにこき使われれば、夜には日当を得て、
> その中から千円だけ安ソープランドにゆく為の積み立て貯金にとっておく他は、
> 残りの金でまともな飯を腹一杯に食べて取りあえず酒も飲める。

貫多の生きる姿勢はこんなもんです。
向学心もデカイ男になろうという志もない。

貫多には友だちもいない。
唯一、同じ職場で働く専門学校の学生の日下部という友だちが出来る。
しかし、結局日下部をひがんで彼に捨てられ一人になってしまう。
こんな志の低い主人公の生き方についていくことに疲れてしまった。
性の扱いかたも低級な感じだ。はっきりいって下品です。
なんか〝汚い〟という印象を受けた。

私は二十歳の頃、山谷の職業紹介所に行き日雇いの労働をやった経験があります。
南千住駅で降り6時半までにそこに行き、シャッターがゆっくり開くときに、
身体を低くして30センチほど開いたシャッターから身体を滑り込ませる。
そして、窓口の上にぶら下がった仕事の条件を書いたものを見て、仕事を探した。
職業紹介所のまわりには、手配師がいた。
公的な職業紹介所の仕事にあぶれた者たちは、条件は悪くなるが手配師に頼るしかない。
何回か私も手配師の仕事に行ったことがある。

私は、この作者の小説の書き方が嫌いです。
でも、そんなことをいってもこの人は芥川賞をとってしまった。
ワタシよりエライ人です。
でも、私はこの人の作品を認めない。


昨夜、この九想話を途中まで書いたが寝てしまいました。
1日遅れでUPします。


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