涙の中高年

2001年12月09日 | 会社・仕事関係

先週は予想していたように最低だった。
いつも私が仕事をする
第2工場で生産するものの出荷数が少なく、
第1工場で仕事をした。
4月からしてきた第2工場の製造の仕方、成形機のことは、
覚えが悪いわりにある程度分かってきた。
しかし、第1工場のことは何も知らない。
それに働いている者のことも知らない。

前工程をやらされた。
樹脂をガラスに接着するプライマーという接着剤を
ロボットがガラスに塗布する。
そのロボットのところまでガラスを運ぶ搬入機に
ガラスをセットして、スイッチを押すという仕事だ。
単純な労働だが、なかなか難しい。
ガラスをセットしてスイッチを押しても搬入機が動かない。
もうそうとうガタのきている機械なのです。
全体を引っぱってスイッチを押すと動く。
それでも動かない場合がある。
エアーの吸着が悪いときで、
ガラスを上から押すといい。
そんなことして搬入機がロボットのところに行くが、
最初にセットした状態からずれることがある。
そうすると、プライマーが正しい位置に塗布されない。
ガラスを送る時間も気を使う。
等間隔に成形機の前に届かなくてはならない。
これらを、ロボットでは塗れない場所に
治具を使って私が3ヶ所にプライマーを塗りながらやる。
3日ほどは、かってが分からず苦労した。
成形をしている20代の奴に、
「なにやってんだよ。プライマーがずれてるよ」
「ちゃんと送ってよ。ぜんぜんガラスがこねぇよ」
その他、いろいろ怒られた。

もう、私の自尊心はズタズタだった。
なんでこんなことしなきゃならないのかな。
そればっかり考えてた。
前の会社が傾いたからだ。
いや、バブルがはじけたからだ。
ディスクワークしかしてこなかったおれには、
製造は合わない。
いや、誰だって、初めての仕事のときはそうだろう。
パソコン使う仕事、人間相手の交渉ごとなら自信がある。

11月に入社した39歳の人がいる。
やっぱり別な成形機の前工程をやっている。
昼休みにちょっと話した。
「どうして前の会社辞めたんですか?」
「会社が山形に移転したんです」
「そうですか、私も3年前
 会社が山梨に移転したのでここに来たんです」
その人は、静かなまともな人で、
うちの会社にはなじまないだろうな、と思った。

土曜日の午後、先週「九想話」に書いた派遣社員の人が、
「がんばりましょうよ。
 しょうがないですよ。こんな世の中ですから。
 みんな我慢して働いてますよ」
と笑顔でいう。
「そうだね。耐えるしかないね」
そう私はガラスをセットしながら応えた。

現在、多くの人がリストラで職を失っている。
10月の完全失業率は、5.4%になった。
就業者数は、前年同月より103万人少ない、
6,405万人と新聞に書いてあった。
凄い勢いで失業者が増えている。
私のようにそぐわない職場でも、
仕事があるほうがましか、と思う。
また明日から、がんばろう。

コメント
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