まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

角田光代 「なくしたものたちの国」を読んで

2010-09-30 17:05:28 | kakuta

この本は、角田光代さんとイラストレーターの松尾たいこさんとの共著です。
お二人によるコラボは、あの「Presents」以来になるのでしょうか? 楽しみです。 

松尾たいこさんのイラストには、「美しさ」の中に潜む「哀しさ」とでも言おうか、
ある種、独特のイメージ世界が広がっています。 ちょっと不気味で怖い感じもします。

            *  *  *  *  *

第1章・第2章から、ちょっと現実離れしたようなメルヘンの世界へ読者を誘います。
小学生くらいの子どもたちにも、読み聞かせてあげたくなるようなお話が続きます。

第3章になると、なんと生体遊離現象?「生き霊」が登場するオカルト仕立てになります。
そのせいかどうか、そこで語られる超弩級の「恋愛論」には、イマイチ実感が伴いません。

第4章には、忘れ物の多いそそっかしい母親のお話。 なんと電車の中にわが子(娘)を!?
笑いながら読んでいるうちに不思議な感じになって、突然、文章の雰囲気が一変します。

最終章は不思議な静けさに包まれた世界。 安らぎに似ているけれど、もっと透き通った感じ。
その国の扉を開けた時、誰が、どんなものたちが、私を迎えてくれるのでしょうか?

            *  *  *  *  *

あとがきに書かれた松尾さんの文章を読んで、私が最初に抱いた感想に説明が付きました。
どことなく懐かしい感じがするのだけれど、何だか不気味な感じを覚える理由が…。

Nakushita_3   

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ウチの尖閣諸島!?

2010-09-28 14:17:22 | diary

この島はずうっと昔から、わが「家」固有の領土です。
当然ながら、今回の中国の横暴は断じて許すわけにはいきません。

お子様ランチに付いている「日の丸」の旗をお持ちの方、ぜひともお譲り下さいませ!
この際、岬の突端にでも掲揚して、領有権をはっきりと主張しようと思っています。

さすがに、この歳でファミレスで注文するのは、ちょっと気が引けます。
どうぞ、よろしくお願いいたします!

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第14回京都の秋音楽祭 開会記念コンサート

2010-09-13 16:46:40 | kyokyo

2010年9月12日(日)14:00開演 @ 京都コンサートホール 大ホール
指揮:広上 淳一 / ピアノ:野原 みどり / 管弦楽:京都市交響楽団

            *  *  *  *  *

● チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ長調 作品23
前半のステージは、数あるピアノ協奏曲の中でも高い人気を誇る、この曲からスタート!
冒頭の序奏によって導かれる華麗で堂々たる第1主題は、とりわけ強烈な印象を与えます。

ピアニストの野原みどりさんは、「秋の音楽祭」らしく落ち着いた色調のドレスで登場。
その豊満な胸元(胸の谷間?)に目を奪われたのは、たぶん私だけではないと思いますが…

広上さん指揮の京響は序盤こそ、アンサンブルの不揃い(のような?)が感じられました。
今日は不調なのかも? ― そういう不安も何処へやら、ドラマチックな演奏が楽しめました。

            *  *  *  *  *

● ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 作品88
この曲を聴くのは、今年のニューイヤーコンサートに引き続いて、2回目になります。
同じオーケストラでも、指揮者によってどんな違いが出てくるか、そのあたりが楽しみです。

京響の管楽・弦楽アンサンブル、そしてオーケストラとしての充実ぶりがうかがえる熱演!
特に、清水信貴さんの美しいフルートの音色は、うっとりとした気分に誘ってくれるようです。

協奏曲のステージでは、ピアノの蓋?(反響板)に隠れてよく見えなかった広上さんの指揮。
この曲では「広上劇場」を堪能。 演奏後、右肩を気にされていたようですが… 大丈夫?

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2010年 Jリーグ 第22節

2010-09-12 21:13:21 | sanga

京都サンガF.C. VS ヴィッセル神戸 @ 西京極陸上競技場
3-0のスコアで、第4節以来の勝利! 秋田監督に代って、リーグ戦の初勝利です。

            *  *  *  *  *

■ 負のスパイラルを打開するために秋田監督の打った「手」は、大胆な選手起用。
  FWにはシーズン当初はDF登録だった西野選手、GKにはリーグデビュー戦の守田選手。

■ 先制点は前半35分、左からのFKのはね返りを詰めていたドゥトラ選手が決めたもの。
  こういうチーム状態にとって、先制点は何よりの心強いアドバンテージになります。

■ この直後、弱冠二十歳、入団2年目のGK守田選手の好セービングが飛び出します。
  このプレーがDFラインのみならず、チーム全体に大きな勇気と活力を与えてくれました。

            *  *  *  *  *

■ 後半、前線で身体を張ったプレーで頑張っていた西野選手に代って、柳沢選手の投入。
  裏のスペースへ飛び出す動きが止めきれず、神戸にGKも含めて2人の退場者が出ます。

■ 通常ならこの時点で、「勝負あった」という楽勝ペースになるところですが、
  そこは久しく勝ち星から見放されたチーム、冷や冷やする場面が幾度か訪れます。

■ 後半ロスタイムの2点の追加点は、相手が「素人」のGKだけに「おまけ」みたいなもの。
  それでも、これまでの積もり積もった鬱憤を晴らすような、爽快なゴールでした。

            *  *  *  *  *

この結果、3勝5分14敗で勝ち点14となり、得失点差で湘南を抜いて最下位を脱出。
次節は19日(日)アウェーでのアルビレックス新潟戦。 もう、連勝するしかないです!

※ 下の写真(↓)は、京都新聞HPより転載いたしました。
Dutora

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堀米ゆず子 ヴァイオリン・ワークス Ⅴ

2010-09-06 17:20:23 | concert

2010年9月5日(日) @ 京都府立府民ホール「アルティ」 14時30分 開演
堀米ゆず子(ヴァイオリン) / パスカル・ドヴァイヨン(ピアノ)

            *  *  *  *  *

■ 最初のステージは、フランク、最晩年の傑作「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」。
  時に優美に、時に激しく、堀米さんの「ガァルネリ」(たぶん?)が表情豊かに歌います。

■ 堀米さんの表情・しぐさなども、まさに演奏の一部といった感じがしました。
  ピアノ伴奏を聴きながら中空を眺めやるポーズですら、バッチリ決まっていました。

            *  *  *  *  *

■ 続いて、今回の委嘱作品で細川俊夫さんによる「呪文~ヴァイオリンのための」という曲。
  もちろん、これが世界初演なので、譜面台には手書きのスコアが置かれていました。

■ この作品は仏教の声明や、日本の土俗的な歌謡が強い影響を及ぼしているとのこと。
  雅楽や声明のような響きもあり、さらに言うと、もっと原初のシャーマニズム的な風景。

            *  *  *  *  *

■ 休憩の後のステージは、フランス音楽を代表する作曲家、フォーレの作品を2曲続けて。
  恋をしている時の、さまざまな情景・感情を想起させるような雰囲気をもった曲です。

■ このあたりで、「あっ、ピアノ伴奏が付いていたなぁー」と、ふと気が付きました。
  それだけ、いい意味で目立たないというか、主役に優しく寄り添うようなピアノでした。

            *  *  *  *  *

今(その時に)、演奏している曲が私の一番好きな曲です。 - 堀米さんの印象的な言葉。
5年間のヴァイオリン・ワークスのシリーズ、本当に楽しませていただきました。

Yuzuko_2

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