まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 第587回定期演奏会

2015-02-24 11:23:22 | kyokyo
2015年2月22日(日)14:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : オッコ・カム / 独奏 : ナレ・アルガマニヤン(ピアノ) / 京都市交響楽団

            *  *  *  *  *

● シベリウス : 交響幻想曲「ポヒョラの娘」 作品.49
ポヒョラという北の国に、空にかかった虹に腰掛け、キラキラ光る布を織る乙女がいるという。
フィンランドの民族的叙事詩「カレワラ」に採録、集成されている物語が題材になっています。

ハープが奏でる糸を紡ぐ様子、弦楽器が刻むリズムは、雪原の中を進む橇(そり)のイメージ。
標題に「交響幻想曲」とあるように、いろいろな情景を想像して聴いてみるのも面白いと思います。

京響金管アンサンブルの力強く、バランスのよい響き。 クールな北欧サウンドを見事に現出。
失意の中、消え入るように終わる弦楽の調べも、心地よい緊張感が保たれたまま静寂の世界へ。

● グリーグ : ピアノ協奏曲イ短調 作品.16
まるで伝説の中の美しいヒロインのように、ナレ・アルガマニアンさんの登場。 神々しいオーラ。
力強さというよりも、静謐な美しさをたたえた弱音部の演奏が印象的。 アンコールの2曲もお見事。

プロフィールには、「独特のストーリー構築、解釈は貴重かつユニーク」というような紹介文。
メロディーの歌わせ方やテンポの動かし方も柔軟で、彼女の情感が十分伝わってくるものでした。

指揮者のオッコ・カムさん。 豊かな森と湖に囲まれて暮らす、純朴なおじさんといった風貌。
とはいえ、この曲の持つドラマ性をダイナミックにまとめ上げた手腕は、流石のひと言でした。

● ニールセン : 交響曲第4番「不滅」 作品.29
標題の「不滅」は、原語(デンマーク語)では「滅ぼし難きもの。消し難きもの」という意味。
その「正体」はいったい何なのか? 凄まじいばかりの音楽のパワーは、十分感じ取れましたが…。

家のCDで聴いているとしたら、たぶん、途中で投げ出してしまっただろう、そんな難解な曲。
なんとか、集中力と緊張感を持続させつつ、最後まで聴き切ったという充足感に満たされました。

第2楽章(?)で聴かせる木管首席奏者によるメロディのリレー。 いつもながら極上の美しさ。
二組のティンパニーが呼応・連打し合うクライマックスは、まさに圧巻の大迫力でせまってきます。

コメント
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