まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 第610回定期演奏会

2017-03-29 05:21:01 | kyokyo
2017年3月26日(日)15:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 広上 淳一(常任指揮者兼ミュージックアドバイザー) / 管弦楽:京都市交響楽団

独唱 : 高橋 絵理(ソプラノⅠ) / 田崎 尚美(ソプラノⅡ) / 石橋 栄美(ソプラノⅢ)
     清水 華澄(アルトⅠ) / 富岡明子(アルトⅡ)/ 福井 敬(テノール) / 小森 輝彦(バリトン)
     ジョン・ハオ(バス)

合唱 : 京響コーラス・京都市少年合唱団 ほか

            *  *  *  *  *

● マーラー : 交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」
第1部 : イヌムス(賛歌) 来たれ、創造主たる精霊よ
第2部 : 「ファウスト」最終場

別称の「千人の交響曲」というのは初演に際しての宣伝文句だったそうですが、実際にも千人以上が動員されたとか。
そして、今回の公演では、京響が客演奏者を含めて約120人の大編成。 合唱団を合わせると、総勢411名が舞台に!

独唱者の方も8人。 当初出演を予定された方が体調不良で、なんと3人の方が代役。 ソプラノのお二人とテノール。
急遽の出演にもかかわらず、それぞれが堂々した立派な歌唱ぶり。 テノールの福井敬さんは、さすがの存在感でした。

「第1部」は、オルガンの荘厳な和音が鳴り響き、合唱が歌い出す。 冒頭から、いきなりマーラーの世界へ誘い込まれます。
キリストの昇天後、使徒たちの上に精霊が降臨したという賛歌。 大いなる高揚感を伴いつつ、一気に頂点へと登りつめます。

単独でも1時間にも及ぶ「第2部」は、独唱者の各々に「配役」が割り当てられていて、オペラ風な面白さも楽しめます。
楽譜に記されている「栄光の母(聖母)が漂いつつ登場」の演出も、ドラマチックで象徴的。 まさに「天上」からの声でした。

独唱者、合唱団など声楽陣こそが「主役」といえる交響曲でしたが、京響の実力の程は十分に示した演奏内容でした。
大編成にもかかわらず、きびきびとした機能性と明瞭な音色。 凄まじいばかりのクライマックスは圧倒的な迫力がありました。

            *  *  *  *  *

プレトークの中で、京響創立の大英断を下された当時の高山義三・京都市長の業績にも触れて下さった広上淳一さん。
60周年というメモリアルなシーズンを、京響コーラス・京都市少年合唱団と共に「オール京都」で締めくくれたことは感慨深い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする