2016年9月18日(日)14:00 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 下野 竜也(常任客演) / ヴァイオリン : 三浦 文彰 / 管弦楽 : 京都市交響楽団
* * * * *
● すぎやまこういち : 序奏MIYAKO(委嘱作品・世界初演)
すぎやまさんと言えば、ここ数年来の「ドラクエ」コンサートの開催や指揮が、話題になっています。
それでも、元々は敏腕の音楽プロデューサー。 経歴を拝見すると、なんと東京大学のご出身でした。
第20回を数える「京都の秋 音楽祭」の委嘱作品であり、京響創立60周年のお祝いを兼ねたもの。
勇壮なファンファーレと「越天楽」のモチーフからの展開。 作曲者としての高い能力がうかがい知れます。
委嘱作品で世界初演となれば、ご本人の登場も!と期待しましたが、さすがにそれは高望みというもの。
京響で言えば、12月には「くるり」の岸田繁さん作曲の交響曲初演も控え、新たな試みが続きます。
● シューマン : ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
シューマンの4つの交響曲やピアノ協奏曲は演奏会でもよく採り上げられますが、この曲は希少作品。
1853年の作品ですが、初演と出版は没後の1937年になってからの実現。 いわくつきの作品です。
エンタメ性あふれる「超絶技巧」で魅せる三浦文彰さんですが、今日は落ち着いた雰囲気が漂う独奏。
第2楽章で奏される深沈として慈愛に満ちた独奏は、しみじみと心に染み入るような美しさを持っています。
聴きようによっては、凡庸で冗長な印象を与えかねない第3楽章の対処にも、下野さんのセンスの良さが。
愛らしくチャーミングで、喜びが湧き上がってくるようです。 オーケストラのコントロールも、実にお見事。
● マーラー : 交響曲第1番 ニ長調 「巨人」
この曲は、2014年3月の定期で広上さんの指揮で聴いています。 NHK・Eテレでも全国放送されました。
その後のサントリー賞の受賞や欧州公演の成功を経て、さらにスケール、パワーがアップした感の京響。
下野さんのきびきびとした躍動感のある指揮。 それに、すかさず反応する京響の高い機能性と演奏能力。
指揮者とオーケストラが一体となる「美しい」瞬間が何度も何度も訪れる、極めて完成度の高いものでした。
実演とCDの違いこそあれ、海外の著名な指揮者やオーケストラの演奏と比べても、遜色のないものでした。
広上さん、高関さん、そして、下野さんという指揮者3人体制の豪華さと贅沢さを、あらためて感じました。
* * * * *
演奏会の終了後、ホールの外は、まるで最終楽章のフィナーレを思わせるような凄まじいゲリラ豪雨。
この日の演奏のことを忘れないで、ずっと記憶にとどめておくには十分過ぎるくらい強烈なインパクト。
指揮 : 下野 竜也(常任客演) / ヴァイオリン : 三浦 文彰 / 管弦楽 : 京都市交響楽団
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● すぎやまこういち : 序奏MIYAKO(委嘱作品・世界初演)
すぎやまさんと言えば、ここ数年来の「ドラクエ」コンサートの開催や指揮が、話題になっています。
それでも、元々は敏腕の音楽プロデューサー。 経歴を拝見すると、なんと東京大学のご出身でした。
第20回を数える「京都の秋 音楽祭」の委嘱作品であり、京響創立60周年のお祝いを兼ねたもの。
勇壮なファンファーレと「越天楽」のモチーフからの展開。 作曲者としての高い能力がうかがい知れます。
委嘱作品で世界初演となれば、ご本人の登場も!と期待しましたが、さすがにそれは高望みというもの。
京響で言えば、12月には「くるり」の岸田繁さん作曲の交響曲初演も控え、新たな試みが続きます。
● シューマン : ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
シューマンの4つの交響曲やピアノ協奏曲は演奏会でもよく採り上げられますが、この曲は希少作品。
1853年の作品ですが、初演と出版は没後の1937年になってからの実現。 いわくつきの作品です。
エンタメ性あふれる「超絶技巧」で魅せる三浦文彰さんですが、今日は落ち着いた雰囲気が漂う独奏。
第2楽章で奏される深沈として慈愛に満ちた独奏は、しみじみと心に染み入るような美しさを持っています。
聴きようによっては、凡庸で冗長な印象を与えかねない第3楽章の対処にも、下野さんのセンスの良さが。
愛らしくチャーミングで、喜びが湧き上がってくるようです。 オーケストラのコントロールも、実にお見事。
● マーラー : 交響曲第1番 ニ長調 「巨人」
この曲は、2014年3月の定期で広上さんの指揮で聴いています。 NHK・Eテレでも全国放送されました。
その後のサントリー賞の受賞や欧州公演の成功を経て、さらにスケール、パワーがアップした感の京響。
下野さんのきびきびとした躍動感のある指揮。 それに、すかさず反応する京響の高い機能性と演奏能力。
指揮者とオーケストラが一体となる「美しい」瞬間が何度も何度も訪れる、極めて完成度の高いものでした。
実演とCDの違いこそあれ、海外の著名な指揮者やオーケストラの演奏と比べても、遜色のないものでした。
広上さん、高関さん、そして、下野さんという指揮者3人体制の豪華さと贅沢さを、あらためて感じました。
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演奏会の終了後、ホールの外は、まるで最終楽章のフィナーレを思わせるような凄まじいゲリラ豪雨。
この日の演奏のことを忘れないで、ずっと記憶にとどめておくには十分過ぎるくらい強烈なインパクト。