まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 第639回定期演奏会

2019-10-12 21:04:45 | kyokyo
2019年10月11日(金)19:00 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : ラルフ・ワイケルト / 管弦楽 : 京都市交響楽団


            *  *  *  *  *

● モーツァルト : 交響曲第35番ニ長調「ハフナー」 K. 385
演奏時間は20分。 ブルックナーの交響曲のわずか1楽章分。 が、その中には溢れんばかりの音楽のエッセンス。
改訂を繰り返したブルックナーと、かたや、自筆譜には殆んど手直しの跡が見られないモーツァルト。対照の妙。

ワイケルトさんは66年に、オーストリア文化省から優れたモーツァルト解釈に対する特別賞を授けられています。
今から50年近く前の受賞歴なので懸念もありましたが、旋律の歌わせ方や表情の付け方がとてもチャーミング。

普段、家で聴いているCDの、バーンスタインやアーノンクールの指揮とは、またひと味違った発見がありました。
古典的な名曲において、指揮者による解釈や個性の違いがはっきり感じられるのは、クラシックを聴く喜びの一つ。

● ブルックナー : 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」 WAB 104(ノヴァーク版第2稿)
プレトークが始まる開演30分前の段階では客席もまばらで、やっぱり、ブルックナーでは入らないのかな?とも。
それでも、後半券の方も割りといらっしゃったようで、8割方は埋まった感じ。 月1回の定期では満席にしたい。

当初、ブルックナーということで身構えていましたが、金管の「咆哮」というよりは、まろやかな響きで安心感が。
その後は、どの楽器の組み合わせで、どんな響きが待っているのだろうか!と、わくわくしながら聴き入りました。

一聴して、ブルックナーと分かる独特の響き。 「私、案外、ブルックナー好きなのかも」という結論に達した次第。
集中力が途切れることなく、聴き通せた充実感。 ひとえに、ワイケルト=京響の卓越した音楽性と演奏力の賜物。

            *  *  *  *  *

10月定期のワイケルトさんに続いて、11月定期はカンブルランさん、12月の第9はスダーンさんの客演指揮。
世界の主要オーケストラで活躍されてきた名匠、巨匠と呼ばれる指揮者の登場。 京響のさらなる飛躍を期待したい。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする