まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

第19回 京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート

2015-09-14 19:26:50 | kyokyo
2015年9月13日(日)14:00 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 高関 健 / ヴァイオリン : 山根 一仁 / 管弦楽:京都市交響楽団


            *  *  *  *  *

● ショスタコーヴィチ : ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品.77
この作品は、ソ連(当時)を代表するヴァイオリニスト、オイストラフのために書かれたもの。
スターリンによる文化芸術の抑圧により、初演されるまで7年間もの歳月を要することになる。

冒頭「夜想曲」の静寂・神秘的な響きの根底には、悲しみ、痛み、怒りが横たわっているよう。
第2楽章ではユダヤの民族音楽の影響も感じとれるが、当時の社会環境とは無縁ではないはず。

第3楽章の最後には「4分近くに及ぶカデンツァ」。 山根一仁さんの圧巻のパフォーマンス!
そして、独奏ヴァイオリンとオーケストラが渾然一体となり、熱狂のクライマックスを迎える。

● ブラームス : 交響曲第1番 イ短調 作品.68
京響で聴くのは、2012年6月の第558回の定期(指揮:アンドリス・ポーガ)以来です。
ステージ向かって左に、コントラバス・チェロ。 右にティンパニーという思い切った配置です。

精緻で、洞察力のある譜読みで定評のある高関さん。 こだわりの部分を聴き逃さないように!
全体的には、過度に重々しく粘ることなく、きびきびとしたテンポで推進力のある演奏でした。

終楽章の主題などは、もう少しゆったり目のテンポで、たっぷりと歌わせて欲しかったですが。
むしろ、そういう劇的な演出効果はできるだけ抑えて、楽譜に忠実な演奏を目指されたのかも?

            *  *  *  *  *

京響は、オーケストラとしての音の密度が増したよう。 管楽器のソロ部分は、本当に美しい。
ヴァイオリン独奏の山根一仁さんは、弱冠二十歳。 国際的にも、将来を嘱望される逸材である。


コメント
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