万城目さん、2年ぶり待望の新刊は、なんと「国語辞典」ばりの分厚さを誇る時代小説長編。
伊賀柘植の落ちこぼれ忍者、現在はニート生活を送っている風太郎(ぷうたろう)が主人公。
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● ひょうたんから…
冗談のような意外なものが飛び出した時に使うことわざですが、出てきたのは「駒」ならぬ
もはやレジェンドとなった幻術師「果心居士」の片割れと称する「因心居士」。 何の因果か?
● ひさご様
物語半ばから登場する「謎」の人物。 高台院ねね様との関係から容易に特定できますが…。
従来のイメージよりは、大らかでユーモラス。 「さよか」(左様か)という口癖も大坂風だ。
● 著者、新境地!
戦場における殺戮、とりわけ、まだ年端もいかぬ若者たちが無残に命を落としていくシーン。
文章から滲み出る悲惨さ、無情さ、無意味さ。 これまでの作品には感じられなかった情感。
● 滅びの美学
燃え盛る大坂城とともに滅びゆく豊臣家。 凄惨を極める大坂夏の陣。 渦中の風太郎たち。
臨場感あふれる迫力満点の描写の中に、万城目さんの「大坂愛」「豊臣愛」「美学」を見る。
● 信頼と友情、覚悟
栄達とか利害関係を度外視して、己を信じてくれた人への信頼と友情に応えたいという思い。
そして、自己犠牲も厭わない覚悟が死の恐怖を超える! 彼らが命を賭けて守ったものとは。
● プリンセス・トヨトミ
さすがに、当代きっての「幻術師」、万城目学! 壮大な「仕掛け」が用意されていました。
なんと、風太郎決死の「脱出劇」は、「プリンセス・トヨトミ」のプロローグだったのです。
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