まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 第628回定期演奏会

2018-10-15 01:26:40 | kyokyo
2018年10月12日(金)19:00 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : ヨエル・レヴィ / 独奏 : ヴィヴィアン・ハーグナー(ヴァイオリン)/ 管弦楽 : 京都市交響楽団

            *  *  *  *  *

● モーツァルト : 交響曲第32番ト長調 K. 318
楽曲の名称には「交響曲」と付けられていますが、演奏時間はおよそ8分余で、各楽章は切れ目なく演奏されます。
どちらかと言えば、歌劇のような舞台作品のための「序曲」に近いイメージで、オープニング曲には相応しい感じ。

予習のために聴いていたのが「古楽器」系の音楽家によるもの。 快速調で尚かつアクセントの強い革新的な演奏。
そのせいもあって、レヴィさんの指揮する演奏は優しく上品な響き。 モーツァルト演奏の王道は、こうあるべし!

● ブラームス : ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品. 77
個人的にも大好きな曲の一つで、京響が演奏会で採り上げる度に聴いてきました。 ということで、これが4回目。
全体的なバランス、見通しの良さ、洗練された情趣という点で、今までの中ではベストの演奏として挙げたいもの。

ヴィヴィアン・ハーグナーさん、聴衆を心地よい緊張感(威圧的ではない)で包み込む、「聴かせる」演奏を披露。
音量・美音が前面に出るタイプというより、旋律の歌わせ方、歌心に持ち味のあるヴァイオリニストのような印象。

とりわけ、第2楽章の後半部、オーボエとヴァイオリンが呼応するところは、上質な会話を聴くような素晴らしさ。
もちろん、京響首席奏者の高山郁子さんのオーボエは、いつもながら美しい音色。 主役と堂々と渡り合う名脇役。

● バルトーク : 管弦楽のための協奏曲
この曲は、2012年3月の京響第555回定期、広上淳一さんの指揮で聴いています。 早いもので、もう6年。
京響が飛躍的な進化を遂げる過程の時期でもあり、勢いとエネルギーのあふれる演奏が強く印象に残っています。

オケを手中に収めた常任指揮者ならではの愛情と、各パート(奏者)の能力と音楽性を意識した上での音楽作り。
それに比べると、今回のレヴィさん指揮の演奏は、6年という歳月の積み重ねによる円熟味と安定感が漂うもの。

初の客演指揮。限られた練習時間の中で、このレベルにまで仕上げられたレヴィさんの、確かなトレーナー的手腕。
韓国KBS交響楽団を率いるレヴィさん。 情熱的で個性の強い韓国のオケなら、どんな演奏になったのだろうか?




コメント
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