2010年10月30日(土) @ 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
山下 洋輔(ピアノ)/ セシル・マクビー(ベース)/ フェローン・アクラフ(ドラムス)
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■ オープニングのナンバーはレコーディングはされたものの、まだ名前のない曲だとか?
「フリー・ジャズはどうかなぁー?」といった感じのご年配の方々は、聴いてビックリ!
■ 続いてのナンバーは、ご自宅の三匹の猫さんから着想を得たという「トリプルキャッツ」。
組んず解(ほぐ)れつ、気ままに戯れる猫さんたちのイメージが浮かんでくるような曲。
■ 三曲目は、「オリジナルはユダヤ・メロディーかも?」と思わせる「エレジー」という曲。
タイトルが示すとおり、ユーモラスな中にも、どことなく哀感が漂うナンバーです。
■ 前半のステージをしめくくるのは「スパイダー」。 「猫」の次は「クモ」の登場です。
三人の指づかい(スティックさばき)を見ていると、もぞもぞとうごめいているようです。
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■ 後半の開始は、ワルツ・タイムの愛らしい「フライト・フォー・ツゥー」という曲。
二人(恋人?)の希望と不安が交錯するような、新たな旅立ちをイメージするかのよう。
■ 続いては、スリリングなスピード感たっぷりの「チェイス」というナンバー。
さながら、アクション映画の行き詰まる「追跡」シーンを彷彿とさせるような緊迫感です。
■ 三曲目は、「メモリー・イズ・ファニー・シング」。 ミディアム・スローなバラード。
プログラムのこの辺りに、歌心たっぷりのバラードを配する演出も、なかなか憎いところ。
■ エンディングは、この曲で終ることが多いのだそうです。 「クルディッシュ・ダンス」。
直訳すると、「クルド人の踊り」。 エネルギッシュな祭りの饗宴がもたらす陶酔感。
■ アンコール曲は、ミュージカル・ナンバーの「マイ・フェイバリット・シングス」。
コルトレーンのトレード・マークのようなこの曲を、山下さん流に見事に一刀両断!
※ 演奏曲目と順序は、若干違っているかもしれませんが…。
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山下洋輔さんのジャズは、聴き慣れるまでは、すごい緊張感を強いるパワーを持っています。
それがある一線を超えると、うっとりしてしまうような心地よさに変わるところが不思議です。