2023年9月23日(土)14:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 沖澤 のどか(第14代・常任指揮者)/ 管弦楽 : 京都市交響楽団
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指揮 : 沖澤 のどか(第14代・常任指揮者)/ 管弦楽 : 京都市交響楽団
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● ベートーヴェン : 交響曲第4番 変ロ長調 作品60
この交響曲は、京響の名曲ライブシリーズのCDに、広上淳一さん指揮の第533回定期(2010年3月)の演奏が収録されています。そのため、けっこう耳に馴染んだ印象がありますが、私にとって、演奏会で聴くのは、これが初めての経験になりました。これで、ベートーヴェンが遺した9つの交響曲のうち、京響の演奏で未聴なのは、第1番だけとなりました。
プレトークでの沖澤さんの言によると、第1楽章の序奏部分がもつ神秘的な雰囲気が、後半プログラムの「コスミック・トリロジー」を誘(いざな)うのに相応しいものとして選曲されたとのことでした。プログラム全体にも、ストーリー性というか、統一感を持たせる配慮を感じさせるお話でした。
全体の印象としては、溌剌とした躍動感、推進力のある演奏で、従来からある「偶数番号」の交響曲のイメージ-穏やかで、優しい-を払拭するようなものでした。CDのカップリングでは、「第8番」との組み合わせが多いような気がしますが、そのリズム感やアクセントなどには、「第2番」の延長線上にあるというよりは、むしろ「第7番」の萌芽を予感させるものでした。
● コネソン : 管弦楽のための「コスミック・トリロジー」(日本初演)
先述のプレトークによると、沖澤さんがいつか、オーケストラのしかるべきポジションを得たときには是非採り上げてみたい(客演指揮では、どこも採り上げてくれそうにない作品だそう…)と、長年温めてこられたのが本作品。ということで、今回の京響定期が「日本初演」という光栄に浴することになりました。
当然ながら、私も初めて聴くわけで、いくぶん緊張しながら、展開される壮大な音楽世界に身をゆだねることに。神話的なロマンのベールに包まれた、前時代のホルストの作品とは異質な(かと言って、決して無機的ではない)宇宙観に圧倒されてしまいました。自分の言葉で現在の心境を綴るには、言葉の方が追い付いてこないというのが正直なところです。
それにしても、常任指揮者就任後、わずか2回目の演奏会で、こういうプログラムを組んでみせる沖澤さん。指揮者として、オーケストラ・トレーナーとしてのご自分の力量に、余程の自信がないとできない「芸当」だと言えるでしょう。また、京響の演奏能力に対しても、確固たる信頼関係がないと、とてものこと出来る代物でもありません。演奏会ウケのする、言わば無難な(?)名曲ではなく、敢えて「日本初演」の現代曲で勝負してみせた、沖澤さんの並々ならぬ意欲と度胸の良さに、まずは敬意を表したいと思います。京響も、新たに迎えた常任指揮者の熱意と要求に、見事な演奏力で応えてくれました。
この交響曲は、京響の名曲ライブシリーズのCDに、広上淳一さん指揮の第533回定期(2010年3月)の演奏が収録されています。そのため、けっこう耳に馴染んだ印象がありますが、私にとって、演奏会で聴くのは、これが初めての経験になりました。これで、ベートーヴェンが遺した9つの交響曲のうち、京響の演奏で未聴なのは、第1番だけとなりました。
プレトークでの沖澤さんの言によると、第1楽章の序奏部分がもつ神秘的な雰囲気が、後半プログラムの「コスミック・トリロジー」を誘(いざな)うのに相応しいものとして選曲されたとのことでした。プログラム全体にも、ストーリー性というか、統一感を持たせる配慮を感じさせるお話でした。
全体の印象としては、溌剌とした躍動感、推進力のある演奏で、従来からある「偶数番号」の交響曲のイメージ-穏やかで、優しい-を払拭するようなものでした。CDのカップリングでは、「第8番」との組み合わせが多いような気がしますが、そのリズム感やアクセントなどには、「第2番」の延長線上にあるというよりは、むしろ「第7番」の萌芽を予感させるものでした。
● コネソン : 管弦楽のための「コスミック・トリロジー」(日本初演)
先述のプレトークによると、沖澤さんがいつか、オーケストラのしかるべきポジションを得たときには是非採り上げてみたい(客演指揮では、どこも採り上げてくれそうにない作品だそう…)と、長年温めてこられたのが本作品。ということで、今回の京響定期が「日本初演」という光栄に浴することになりました。
当然ながら、私も初めて聴くわけで、いくぶん緊張しながら、展開される壮大な音楽世界に身をゆだねることに。神話的なロマンのベールに包まれた、前時代のホルストの作品とは異質な(かと言って、決して無機的ではない)宇宙観に圧倒されてしまいました。自分の言葉で現在の心境を綴るには、言葉の方が追い付いてこないというのが正直なところです。
それにしても、常任指揮者就任後、わずか2回目の演奏会で、こういうプログラムを組んでみせる沖澤さん。指揮者として、オーケストラ・トレーナーとしてのご自分の力量に、余程の自信がないとできない「芸当」だと言えるでしょう。また、京響の演奏能力に対しても、確固たる信頼関係がないと、とてものこと出来る代物でもありません。演奏会ウケのする、言わば無難な(?)名曲ではなく、敢えて「日本初演」の現代曲で勝負してみせた、沖澤さんの並々ならぬ意欲と度胸の良さに、まずは敬意を表したいと思います。京響も、新たに迎えた常任指揮者の熱意と要求に、見事な演奏力で応えてくれました。