まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市名誉親善大使 第1号

2009-04-29 18:24:34 | kyoto

名誉親善大使は、海外で京都の魅力を発信してもらうため、京都市が新たに委嘱したものです。
その第1号の方々は、京都とパリの姉妹都市50周年にちなんで選出されました。

選ばれた3人の中には、私の大好きなクレモンティーヌさんがいらっしゃいました。
彼女は京都の伝統文化のファンだそうで、昨夏には市役所を表敬訪問されたとのこと。

大好きなアーティストが、わが街の「名誉親善大使」だなんて、本当にうれしいことです。
任期は4年間。 そのうち、「KYOTO」というタイトルの新譜が出るかもしれませんよ?!

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角田光代 「森に眠る魚」を読んで

2009-04-19 11:15:40 | kakuta

この作品は、幼い女児が母親の「ママ友」に殺害された事件がモチーフになっています。
この先入主に捉われてしまうと、「誰が犯人なの?」の読書になりかねないので、ご用心を!

               *  *  *  *  *

■ 東京都心の文教地区に住む、ほぼ同じ年頃の子どもを持つ主婦5人が主人公です。
  友だち関係が出来上がっていく前半部分は、自分のことのようにうれしくなります。

■ それでも、生まれ育った環境が違うし、家庭間の経済状況・社会的地位にも違いがある…
  誰々ちゃんママという「名札」をはずしても、お互いの友情は成り立つものなのでしょうか?

■ 彼女たちは急速に親密度を深め、本音を打ち明けるまでの間柄に発展していきます。 
  しかし、小学校受験を意識し始める頃から、だんだん「雲行き」がおかしくなってきます。

■ ちょっとした言動の行き違いが、やがては修復しがたい亀裂(憎悪)へと発展していく…
  猜疑心・嫉妬心・依存心・自己嫌悪・被害妄想。 なんて厄介な人の心の動き。

■ 自分のことも冷静に見つめられ、相手の立場も思いやれる「いい人」ばかりだったのに、
  どうして、こんなふうになってしまったの? 愛しくて、切なくて、胸が痛みます。

               *  *  *  *  *

○ ラスト近く、女性たちは個々の「名前」から、「彼女」という総称でまとめられます。
  ここでも、「この彼女は誰なのか?」ということに、とらわれない方が賢明だと思います。

○ 角田さんは、どうして個々の女性たちを、「彼女」という呼び方に変えたのでしょうか?
  「名前」を失ってしまった「彼女」たち。 「自分」を見失ってしまった「彼女」たち。

○ 深い霧のたち込める森の中をさまよう「彼女」たち。 それは、「私」たちのよう?
  そして、「彼女」たちが迷いこんでしまった「森」の中で、殺人が起こってしまうのです。

○ それでも、最終章は、少し気持ちが安らぐような気配を漂わせ、小説の幕を閉じます。
  自分なりの方法で「森」の出口を探しだそうする母親たちに、どうか幸あれ!と祈る思い。

               *  *  *  *  *

作品の素材となった「育児」という言葉は、「子(児)どもを育てる」と書きますが、
同時に、「母」としての自分を育て、成長させていくことなんだなぁと感じました。

Sakana_2

コメント (3)
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京都市交響楽団 大阪特別公演

2009-04-15 13:43:05 | kyokyo

指揮:広上 淳一 / ピアノ:山下 洋輔 / 管弦楽:京都市交響楽団
2009年4月12日(日) ザ・シンフォニーホール

             *  *  *  *  *

■ オープニングは、 ビゼーの「カルメン」組曲第1番。 華やかな幕開けです。
  いいコンサートになりそう!という、わくわくした予感たっぷりの演奏でした。

■ オーケストラの配置の変更があって、ステージの中央にピアノが置かれました。
  山下洋輔さんをソロに迎えた、ガーシュインのラプソディー・イン・ブルー。

■ 山下さんの圧倒的なエネルギーが爆発するカデンツァ。 まるで音の洪水のよう!
  ドラムのようにドンドン踏みつけるペダル。 肘打ちもバシバシ決まってました。

■ 指揮者の広上淳一さんも、ジャズが大変お好きな方のようです。
  応える京響の演奏も、とてもスイングしていました。 うーん、ジャズですねぇ。

             *  *  *  *  *

□ ラストのステージは、チャイコフスキー最後の交響曲、第6番「悲愴」。
  これまで何度なく聴いてきた曲ですが、涙があふれてきたのは、これが初めて!

□ 圧巻は第三楽章。 オーケストラのフル強奏、凄まじいばかりの推進力!
  思わず知らず、フィナーレの拍手が巻き起こるくらいの大熱演でした。

□ 広上さんも、まさに「跳んだり跳ねたり」の躍動感たっぷりの指揮ぶりでした。
  才能あふれる情熱的なマエストロに率いられた京響。 本当に楽しみです。

             *  *  *  *  *

アンコール前の挨拶で、広上淳一さんが語っておられたように、
大阪の聴衆の方々も、これを機会にぜひぜひ京響を聴きにいらして下さいませ!

Kso

コメント (6)
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