まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 特別演奏会「第九コンサート」

2021-12-29 20:17:36 | kyokyo
2021年12月26日(日)14:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 広上 淳一(常任指揮者兼芸術顧問) / 管弦楽 : 京都市交響楽団
独唱 : 砂川 涼子、谷口 睦美、ジョン・健・ヌッツオ、甲斐 栄次郎 / 合唱 : 京響コーラス

            *  *  *  *  *

● ベートーヴェン : 序曲「レオノーレ」第3番 作品72b
指揮者、オーケストラが一旦休止した静寂の中、ステージ裏から朗々と響きわたるトランペットのファンファーレ。
視覚的にも演奏上も劇的な効果は抜群なのですが、今回はさらなる「仕掛け」が用意されていました。 初演出!?

それは、2度目のファンファーレのとき。 ステージ正面の無人のP席から、スポットライトを浴びてナエスさん。
さながら、劇中で主人公を危機から救出するヒーローの登場のよう。 コロナ禍の演奏会ならではの、思わぬ副産物。

● ベートーヴェン : 交響曲第9番ニ短調 作品 125「合唱つき」
4人のソリストは、昨年中止になった、ベートーヴェン生誕250年の「第九」コンサートのメンバーが再集結!
精力的に演奏活動されている方々だけに、スケジュールの調整が大変だった思われますが、その想いに感謝感激!

京響コーラスはこれまで、マーラーの交響曲やレクイエムなどの合唱で、感動的な演奏を披露してくれましたが…
今回はコロナ感染防止のため、メンバー間の距離を保ち、さらにマスクを付けてという悪条件を克服しての熱唱。

最近の広上=京響の演奏は、奇を衒うことのない「王道を行く」かのようなアプローチ。 多分、そうだったはず?
というのも、第1楽章の中盤あたりから、聴いているのか聴いていないのか? 夢見心地の世界に入り込んでしまい。

演奏会で寝入ってしまえるというのは、それだけストレスのない快適な演奏だった証し。 きっと素晴らしかった!
目覚めた後の第4楽章の終結部は、おそらく「京響第九」史上に残る最も凄まじく、最も燃焼度の高いフィナーレ。


コメント
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