2014年4月13日(日)14:00 開演 @京都コンサートホール
指揮 : ダグラス・ボストック / 出演 : 大阪市音楽団 & 京都市交響楽団
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● ホルスト(伊藤康英編) : 吹奏楽のための組曲第1番 変ホ長調
大阪市音楽団の中に、京響メンバーの方が加わっての合同演奏。 組み合わせが興味深い。
元々はミリタリー・バンドのために作曲されたとか、舞台中央寄りにコンパクトな配置です。
さすがにプロの演奏家同士が集まると、にわか仕立てとは思えないような緊密なサウンド。
最後は「軍楽隊」用らしく、兵士たちの士気を鼓舞するような颯爽としたマーチでしめくくる。
● スパーク : イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
題名はブルース・リーの「ドラゴン」ではなく、ウェールズの紋章「レッド・ドラゴン」のこと。
香港発のカンフー映画のテーマ音楽をイメージしていると、とんだ肩透かしを喰らいます。
楽器の編成はさらに厚みを増しますが、アンサンブルの精度は些かの揺るぎもありません。
かなり高度なテクニックを要求される楽曲の様ですが、大いに盛り上がってのエンディング。
● グレインジャー : リンカンシャーの花束
ストーリー性を感じさせる「標題」が付けられた、6つの小品から構成される「組曲」です。
その標題をつなぎ合わせると、「アドベンチャー・ロマン」風の娯楽作品のようなストーリー。
イギリス民謡から収録されたメロディーはどれも親しみやすく、初めてでも十分楽しめます。
ジャズのビッグバンドとはまた違った、「吹奏楽」の魅力を堪能させてくれるようなステージ。
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● ハチャトゥリアン : バレエ組曲「ガイーヌ」から
弦楽器のパートが普段とは違って、第1・第2ヴァイオリンが左右に別れ、向き合う配置です。
指揮者のボストックさんの指示だと思いますが、演奏上、どういう効果があるのでしょうか?
演奏の始まる前、ボストックさんの流暢な日本語で、演奏の順番を変更する旨のアナウンス。
プログラムの記載では、いきなり「剣の舞」から始まるへヴィーなメニューになっていました。
コミカルで愛らしい「ばらの少女たちの踊り」。 しみじみとした「子守歌」の悲しく美しい調べ。
強烈なリズムが支配するものの、端正なスタイルは崩さないボストックさんの「剣の舞」です。
● レスピーギ : 交響詩「ローマの松」
「ローマ三部作」といえば、広上淳一さん指揮の「ローマの祭り」が印象に残っています。
今回のボストックさん指揮の「ローマの松」も、それに優るとも劣らない充実した演奏でした。
前半のステージでは脇役に徹していた、京響管楽器奏者の力量が遺憾なく発揮されます。
そして、京響の正規メンバーに加えたいくらい美しい、ナイチンゲール(夜鶯)の鳴き声。
しかし、この曲の白眉は、何と言っても、古代ローマ軍の行進を描いた「アッピア街道の松」。
P席後方に配置された「バンダ」もまじえて、圧倒的な迫力と感動に包まれる凱旋の行進曲。