2013年12月28日(土)14:30 開演 @京都コンサートホール
指揮: モーシェ・アツモン / 管弦楽: 京都市交響楽団 / 合唱: 京響コーラス
独唱: 半田 美和子(S) 富岡 明子(Ms) 吉田 浩之(T) キュウ・ウォン・ハン(B)
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● ベートーヴェン : 歌劇「フィデリオ」序曲 作品. 72
標題の「フィデリオ」とは、夫を刑務所から救出するために男装した妻、レオノーレの偽名。
個人的には「レオノーレ」第3番の序曲の方が好きですが、「決定稿」はこちらの序曲だとか。
「第3番」ほどのドラマチックな演出効果はありませんが、明朗快活で躍動感あふれる序曲。
演奏後に、地下鉄の事故で間に合わなかった人への配慮で、10分間の休憩が入りました。
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● ベートーヴェン : 交響曲第9番ニ短調「合唱付」 作品. 125
過度に重々しくならず、かと言って軽薄な響きでもなく、程よいバランスがとれた第1楽章。
こういう「中庸」のところで上手く折り合いをつけるのも、ベテラン指揮者ならではの味か。
目まぐるしく曲想が変化する第2楽章。 渦巻くような「音」の中で、目が回りそうにな気分。
それでも、縦のラインがピシッとして崩れない、整然とコントロールされた演奏はお見事!
それにしても、この第3楽章の天上的な気高い美しさはどうでしょうか! 陶然とした心地。
ベートーヴェンがこの楽章でペンを置いたとしても、作品の価値を貶めることはありません。
そして、いよいよクライマックスの「歓喜の歌」へ。 特筆しておきたいのは京響コーラス。
クリアで明快な発声。 混濁のない響き。 クオリティーの高さを示した素晴らしい演奏でした。
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京響の「第九」コンサートには、今年初めて聴きに行きました。 聴きに来て本当によかった!
毎年聴き続けていると、指揮者による聴き比べやオケの音色の変化など、色々楽しめそうだ。
という評判(評価)は、まさに掛け値なしの本当の本物でした。
今となっては、8月定期の「スターバト・マーテル」を聞き逃したことが悔やまれます。
来年も、「京響コーラス」が登場する定期がありますね。 楽しみです。