1988年 アメリカ。 監督: クリント・イーストウッド
出演: フォレスト・ウィテカー(バード) / ダイアン・ヴェノーラ(夫人・チャン)
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■ タイトルの「バード」は、天才アルト・プレーヤーのチャーリー・パーカーの愛称。
ジャズの大ファンでも知られる、クリント・イーストウッドが監督した伝記映画です。
■ 酒・ドラッグ・女など、天才ゆえの破滅型人生をおくった典型的なミュージシャンですが、
彼にまつわる「伝説的」なエピソードの数々が、巧みに演出され、織り込まれています。
■ 最近見た映画の中で、アメリカ人観光客の役を演じていた、ある黒人俳優さん。
どことなく親しみを感じていたのですが、それが、主演のフォレスト・ウィテカーさん。
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■ 見どころ満載の作品なので、このシーンとピックアップするのが難しいくらいですが、
愛娘の訃報を聞き、妻のチャン宛てに何度も何度も電報を打つシーンは、最も感動的です。
■ ディジー・ガレスピーとバードが、夜の浜辺で語り合うシーンも印象に残ります。
ガレスピーの「俺は改革者、お前は殉教者だ」というセリフが、とても象徴的に響きます。
■ イーストウッドのこだわりは、なんと、バードの死の直前をも忠実に再現してみせます。
バードが息絶える瞬間、彼が見ていたTV番組の画面が、私たちの目の前に流れてきます。
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本編が終っても、演奏された曲のクレジットが流れるラストは、お見逃しのないように!
パーカーのソロ・パートだけを取り出して、バックは80年代のジャズメンが固めています。