まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

BIRD

2009-10-03 10:33:22 | cinema

1988年 アメリカ。 監督: クリント・イーストウッド
出演: フォレスト・ウィテカー(バード) / ダイアン・ヴェノーラ(夫人・チャン)

            *  *  *  *  *

■ タイトルの「バード」は、天才アルト・プレーヤーのチャーリー・パーカーの愛称。
  ジャズの大ファンでも知られる、クリント・イーストウッドが監督した伝記映画です。

■ 酒・ドラッグ・女など、天才ゆえの破滅型人生をおくった典型的なミュージシャンですが、
  彼にまつわる「伝説的」なエピソードの数々が、巧みに演出され、織り込まれています。

■ 最近見た映画の中で、アメリカ人観光客の役を演じていた、ある黒人俳優さん。
  どことなく親しみを感じていたのですが、それが、主演のフォレスト・ウィテカーさん。

            *  *  *  *  *

■ 見どころ満載の作品なので、このシーンとピックアップするのが難しいくらいですが、
  愛娘の訃報を聞き、妻のチャン宛てに何度も何度も電報を打つシーンは、最も感動的です。

■ ディジー・ガレスピーとバードが、夜の浜辺で語り合うシーンも印象に残ります。
  ガレスピーの「俺は改革者、お前は殉教者だ」というセリフが、とても象徴的に響きます。

■ イーストウッドのこだわりは、なんと、バードの死の直前をも忠実に再現してみせます。
  バードが息絶える瞬間、彼が見ていたTV番組の画面が、私たちの目の前に流れてきます。

            *  *  *  *  *

本編が終っても、演奏された曲のクレジットが流れるラストは、お見逃しのないように!
パーカーのソロ・パートだけを取り出して、バックは80年代のジャズメンが固めています。

Bird

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私は猫ストーカー

2009-09-29 13:03:02 | cinema

脚本家や俳優として活躍されている鈴木卓爾さん。 長編監督デビュー作品。
原作: 浅生ハルミン / 出演: 星野 真里・坂井 真紀・徳井 優&ねこさん20匹くらい

             *  *  *  *  *

■ 主人公のハルさんは、イラストレーター。 東京の下町のアパートで一人暮らし。
  但し、それだけでは食べていけないので、近所の古書店でアルバイトをしています。

■ 但し、このハルさん、一見すると、何処にでもいるようなふつーの女の子なのですが、
  何を隠そう、彼女は、筋金入りの「猫ストーカー」だったのです!

■ ハルさんたち、東京の下町に暮らす人々の日常が、緩やかに流れていくのですが、
  ある日突然、「大事件」が発生?! 古書店の「看板猫」が急に失踪してしまうのです。

             *  *  *  *  *

■ 作品に出演するねこさんたちは、いわば「現地調達」のエキストラさん。
  それでも、シロウトとは思えない「名演技?」で、きっちり存在感を示していました。

■ 猫の距離感って、本当に微妙なんですよねー。 こちらが近づくと逃げちゃうし…。
  作品の中で、ハルさんが、ねこさんと仲よくなれる「秘伝」を教えてくれますよ♪

■ はっきり言って、この作品、ストーリーらしいストーリーもないのですが、
  束縛しない、されない、つかず離れずといった、ゆるやかな関係が心地よいのです。

             *  *  *  *  *

近所の路地裏とかで、姿勢をかがめて、うろうろしている人を見ても、怪しまないで下さい。
彼女は、決して「不審者」ではありません。 心優しい「猫ストーカー」さんなのです。

Neko

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恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ

2009-09-12 09:46:56 | cinema

1989年 アメリカ。 監督: スティーブ・クローブス
出演: ミシェル・ファイファー / ジェフ・ブリッジス / ボー・ブリッジス

            *  *  *  *  *

■ 人気凋落傾向にある、兄弟ピアノ・デュオ、ベイカー・ボーイズ。
  そこで、起死回生の策として、スージーという女性をシンガーとして採用することに…。

■ ベイカー・ボーイズの二人を演じるのが、実際のボーとジェフのブリッジス兄弟。
  ヒロインのスージーには、ミシェル・ファイファー 。 彼女は、吹替えなしの熱演です!

■ ショー・ビジネスの世界で生き抜くため、マネージャー的役割も兼ねる、兄のフランク。
   弟のジャックは、ソロのジャズ・ピアニストとしても十分な腕前をもつ、芸術家タイプ。

■ 日頃のストレスが蓄積していき、ちょっとした言動の行き違いから決裂してしまう二人。
  この兄弟間の確執に、スージーをめぐる「恋模様」が、微妙に絡んできます。

            *  *  *  *  *

■ 全編を通じて流れるスタンダード・ナンバー。 これだけでも、ライブ感覚で楽しめます。
  ミシェル・ファイファーは、本職のジャズ・シンガーも顔負けの歌唱力です!

■ フランクの弾くピアノの上で、しなやかに姿態をくねらせて歌うシーンが有名ですが、
  クレジットが流れるラストの画面での、マイ・ファニー・バレンタインが絶品です。

■ 「おとな」の恋愛は、出会いから別れ、そして再会も、クールでカッコいいのです!
  その後の「恋のゆくえ」が気になるようなエンディングも、お洒落な感じがします。

■ というわけで、純粋に音楽を楽しんでもよし、ラブ・ストーリーにうっとりしてもよし。
  さらに、フランクとジャックの「兄弟愛」に、しみじみと感動してもよし!の作品です。

Fabulous_2

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