まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 第596回定期演奏会

2015-11-23 18:43:11 | kyokyo
2015年11月22日(日)14:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : ウラディーミル・アシュケナージ / 管弦楽 :京都市交響楽団


            *  *  *  *  *

● ブラームス : 交響曲第2番ニ長調 作品.73
指揮者のアシュケナージさん、LP時代から名盤を残しておられるので、もっとお年寄りかと。
まず、その溌剌とした指揮ぶりに目を奪われてしまいました。 1937年お生まれの78歳。

この曲を京響定期で聴くのは、これが2回目。冒頭の数小節からデリケートな響きに驚きました。
これが、ポスターに書かれていた「アシュケナージのリリシズム」というものなのでしょうか?

オーボエのトップは高山郁子さんではなく、日高彗という男性奏者の方。 契約団員という肩書。
コバケンさんとの演奏会でも、素晴らしいフレーズを聴かせてくれたのは、たぶんこの人なのか!

● チャイコフスキー : 交響曲第5番ホ短調 作品.64
この交響曲については、何年か前のラザレフさん指揮の京響定期、圧倒的な演奏の鮮烈な記憶。
そんな免疫(?)のある私ですが、今回もそれに優るとも劣らない感動的な体験となりました。

前者の方は、これから大躍進を遂げていく京響の勢いとエネルギーを感じさせる熱演でしたが、
今回は、ある意味で、余裕のある成熟した「大人」のサウンドを聴かせてもらった気がします。

プレトークでは、最終楽章の途中で「ブラヴォー!」が飛び出してしまったエピソードの紹介。
今回、図らずも、クライマックスに入る直前の休止で拍手した人がいたのは、ちょっとご愛嬌。

            *  *  *  *  *

ブラインドテストを試したとして、「これは日本のオケだ」と言い当てる人はいるのだろうか?
何人もの方が、欧米の名の通ったオケの名を答えるのでないか!と思うほど、充実したサウンド。

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京都ライトハウス チャリティコンサート

2015-11-01 18:46:06 | kyokyo
2015年10月31日(土)14:30 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 垣内 悠希 / ヴァイオリン : 吉田 南 / 管弦楽 : 京都市交響楽団


            *  *  *  *  *

● スメタナ : 歌劇「売られた花嫁」序曲
ずいぶんと物騒なタイトルですが、ボヘミアの農村を舞台にした喜歌劇とかで、ちょっと安心。
軽妙快活な旋律が流れてきますが、何だかコマネズミが走り回るようで、忙しない感じがする。

指揮者の垣内悠希さんは、今年のニューイヤーに続いて、今シーズン2回目の京響の指揮です。
雄弁な左手の動きが印象的で、スケールの大きな、躍動感のある指揮。 定期での登場も期待大。

● シベリウス : ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品. 47
この作品は、篠崎靖男さん指揮の京響&竹澤恭子さんの独奏で、びわ湖ホールで聴いています。
シベリウス特有の思索的、内省的性格を帯びた作品でもあり、やや難解な印象が残っています。

吉田南さんは1998年のお生まれ、何とまだ17歳!? 現役女子高生ヴァイオリニストです。
そんなお若い彼女で弾きこなせるのか? 結果は、当初の不安も吹き飛ばしてしまうような熱演!

清らかで伸びやかな高音域、力強く朗々と歌い上げる中・低音域。 堂々と京響と渡り合った感。
各コンクールの世代別のカテゴリーで優勝されてきた経歴と実力。 将来を大いに期待されます。

● ドヴォルザーク : 交響曲第9番 ホ短調 「新世界より」 作品. 95
同第8番の交響曲は、京響でも広上淳一さん、川瀬賢太郎さんの指揮で聴いたことがあります。
ところが、代表作ともいえる「新世界より」は、個人的には京響で聴くのは今回が初めてです。

愛好家の中には「通俗的名曲」などと陰口をたたく人いますが、やっぱり、いいものはいい!
高いレベルで安定した京響の演奏。 新しい発見などはありませんが、オーソドックスなもの。

今回のコンサートは、視覚障害者の方のためのチャリティ。 白杖を持った方も見かけました。
目のご不自由な方にも、ドヴォルザークの描いた「音の風景」が浮かんでいることを祈ります。

            *  *  *  *  *

アンコール曲は、同じくドヴォルザークの広く親しまれている、「ユーモレスク」集の第7曲。
大いに盛り上がった気分を静めるように、愛らしく優しい調べが心に染み入るようでした。

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