2011年11月26日(土)2:00PM 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 三ツ橋 敬子 / 独奏 : 加藤 文枝(チェロ) / 管弦楽 : 京都市交響楽団
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● ドヴォルザーク : チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
指揮者・独奏者共、女性という組み合わせで聴くのは、今日が初めて! とても楽しみです。
加藤文枝さん、鮮やかなピンク色のドレスで登場。 清楚で可憐な印象を受けるお嬢さん。
そんな彼女が、チェロ協奏曲における傑作中の傑作と言われる曲に、どう挑んでいくのか?
巨大な風車に敢然と立ち向かっていくドン・キホーテのイメージに、ちょっと重ねてみます。
民族色の強い、大地に根ざしたような逞しさという点では、やや物足りなさも感じますが、
素直な音色で、叙情豊かに歌うチェロ。 ドヴォルザークならずとも、望郷の想いが募ります。
三ツ橋敬子さんは、小柄な身体をフルに使った、きびきびとした躍動感のある指揮ぶり。
チェロと呼応するように、管楽器のパートを伸びやかに歌わせる表現が印象に残りました。
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● シベリウス : 交響曲第2番 ニ長調 作品43
この曲を聴くと、一昨年の京都市交響楽団大阪特別公演での熱狂的な興奮が甦ってきます。
三ツ橋敬子さんの指揮が、あの時の広上淳一さんに何処まで迫れるか、注目のステージ。
独奏者と同じく、指揮者が男性であるのか、女性であるのかは、大した問題ではありません。
才能豊かな音楽家の手にかかると、紛れもないシベリウスの世界が目の前に開けてきます。
この曲でも、体格的なハンデを微塵も感じさせない、スケールの大きな指揮ぶりが光ります。
終楽章で高らかに歌い上げる「愛国賛歌」は、圧倒的な感動を伴って会場を包み込みました。
強靭で張りのある金管楽器と、華麗で色彩豊かな木管楽器、正確で切れ味鋭い打楽器。
そして、ここ最近の弦楽アンサンブルの充実ぶりが、何より頼もしく思います。 大満足です。