まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 第569回 定期演奏会

2013-06-17 18:45:54 | kyokyo

2013年6月16日(日) 14:30 開演 @京都コンサートホール
指揮 : ユージン・ツィガーン / 管弦楽 : 京都市交響楽団

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● メンデルスゾーン : 序曲「美しいメルジーネの物語」 作品.32
滅多に演奏されることがない、珍しいメンデルスゾーンの序曲が、今回のオープニング曲。
確かに、ちょっと捉えどころがないという意味で、「難しい」選曲であるかもしれません。

メルジーネとの交際には、「私の姿を土曜日には見ないでっ!」という妙な条件が付きます。
「もしや、他に男でも…?」と、疑念を抱いた恋人が目撃した、メルジーネの土曜日の秘密!

この作曲家らしい、明朗で快活なメロディーライン。 指揮者・オケとも順調な滑り出しです。
海のさざ波を模したという「シュワシュワ」感が印象に残りますが、それ以上はどうも…?

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● ベートーヴェン : 交響曲第8番 ヘ長調 作品.93
曲の冒頭部分を軽く口ずさみながらの楽曲紹介。 それがちゃんと「音楽」になっている!
巧みな日本語でのトークにも驚きましたが、この「鼻唄」の歌いまわしが素晴らしかった。

オーケストラに「こう演奏して欲しい」と、言葉だけでなく自らが「歌って」聞かせられる。
指揮者にとって、必要不可欠な資質(能力)のひとつなんだろうと、改めて実感した次第。

ベートーヴェンが好んだとされる、「びっくり箱」風な仕掛けを楽しもうとするような演出。
ツィガーンさんの人懐っこく、茶目っ気のあるお人柄が反映した、機知に富んだ楽しい演奏。

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● チャイコフスキー : 交響曲第6番 変ロ短調 「悲愴」 作品.74
この曲は、2009年の京響・大阪特別演奏会、常任・広上淳一さんの指揮で聴いています。
ライバルひしめく大阪の地に乗り込んで行っての、気合十分の演奏はまさに圧倒的でした。

で、ツィガーンさん。 気鋭の青年指揮者らしく、けれん味のない真摯な指揮ぶりが好印象。
歌わせるところはたっぷりと、かと言って感情に溺れることなく、整然としたコントロール。

フル・オーケストラの強奏でも混濁することのない響き。 クリアできびきびとした運動性。
この4年間での京響の演奏水準の向上と、頼もしいばかりの安定感。 満ち足りたステージ!

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