まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

パウル・クレー展 おわらないアトリエ

2011-03-30 13:08:55 | art

PAUL KLEE / Art in the Making 1883-1940
2011年3月12日(土)- 5月15日(日) @ 京都国立近代美術館(岡崎公園内)

            *  *  *  *  *

今回の展覧会は、クレーが「どうやって作ったか」という制作過程に焦点を当てたものです。
制作手法に従って、会場は6つの「プロセス」に仕切られていて、ちょっと迷路のようです。

私が「面白いなぁー!」と思ったのは、「切って/分けて/貼って」という切断分離の作品群。
元はひとつの作品だったものを切断分割して、それぞれを別々の作品に仕立て上げています。

作品の裏側にも別の作品が描かれている、「おもて/うら/おもて」という両面の作品群も。
クレーの芸術家としての飽くなき探究心、試行錯誤の過程。 まさに、おわらないアトリエ!

鑑賞する者の想像力をかきたて、知的好奇心をくすぐるような、詩的な標題・副題の数々。
「えっ、どこが?」 とてものこと、凡人のイマジネーションでは考えもつきません!?

            *  *  *  *  *

「どれにしようかな?」、ずいぶん迷いながら、2枚のポストカードを選びました。
「山への衝動」1939年 / 「円の中の魚たち」1926年  という2作品のカードです。

Klee

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ポストカード

2011-03-30 13:04:50 | art

左:「山への衝動」 1939年  / 東京国立近代美術館
右:「円の中の魚たち」 1926年 / パウル・クレー・センター(スイス・ベルン)

Postcard_2 

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京都市交響楽団 第544回 定期演奏会

2011-03-27 13:29:02 | kyokyo

2011年3月26日(土)14:30開演 @ 京都コンサートホール 大ホール
指揮: 広上 淳一(常任指揮者) / 独奏: シン・ヒョンス(ヴァイオリン) / 京都市交響楽団

            *  *  *  *  *

● ショスタコーヴィチ: バレエ組曲 第1番
たぶん、今日の演奏は私にとって、「ショスタコーヴィチ初体験」の曲だと思います。
だって、いかにも旧ソ連的な名前だし、なんとなく重々しい感じがするじゃないですか?

ところが、そんな偏見を吹っ飛ばすような、愛らしく、ユーモラスで、チャーミングな曲。
この演奏を聴いて、「ショスタコーヴィチ!」と答えられる人は、相当な音楽通な方です。

どちらかというと、資本主義の国・アメリカの作曲家、アンダーソンの曲のような印象も?!
案の定、ソビエト共産党の機関紙「プラウダ」の論説で、痛烈なバッシングに曝されます。

            *  *  *  *  *

● ブルッフ: スコットランド幻想曲 作品.46
韓国・ソウル在住の女性ヴァイオリニスト、シン・ヒョンスさんを迎えてのステージです。
グリーンのドレスが白い肌に映えて、さながら韓流ドラマの女優さんのような美しい人です。

各楽章にスコットランド民謡の旋律が用いられた、郷愁を誘うヴァイオリン協奏曲です。
半島国家である朝鮮の歴史的背景、民族的な感性から、共感されるところも多いのでは…?

広上淳一さんが、「彼女には(欧米にはない)独特のモノがある」とおっしゃていましたが、
過度に情緒的に流れることなく、内にしっかりとした思いのこもった、素晴らしい演奏でした。

            *  *  *  *  *

● ヒンデミット: 交響曲「画家マティス」
この画家は一般的に有名なマティスではなく、マティアス・グリューネヴァルトを指します。
中野京子さんの「怖い絵」でも採り上げられた、あの「イーゼンハイムの祭壇画」の作者です。

この曲は、当時のナチス政権下のドイツにおいて、ヒトラーから徹底的な攻撃を受けます。
パウル・クレーに「退廃芸術家」の烙印を捺したのと共通する、独裁者の偏執性を感じます。

昨年定期の「フランチェスカ・ダ・リミニ」での、凄まじい演奏を想起させられるステージ。
広上さん指揮による、一大「宗教的スペクタクル」風の楽曲は、本当に興奮度満点です。

            *  *  *  *  *

最後は、今回の大震災で亡くなられた方々への鎮魂の思いのこもった、バッハの「アリア」。
TVで何度も見た大津波のシーンが浮かんできて、溢れる涙の止めようもありませんでした。

Kyokyo_543

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クレモンティーヌ / 続アニメンティーヌ

2011-03-13 11:39:34 | cd

クレモンティーヌと国民的アニソンとの「幸福な」コラボ。 早くもシリーズ続編の登場です。
ボーナス・トラック3曲を含む全13曲。 ツイッターからのリクエストによる選曲だとか。

            *  *  *  *  *

● 宇宙戦艦ヤマト (同名アニメ OP)
宇宙の彼方「イスカンダル」とは、本当は、「イパネマ」あたりのリゾートだったりして?
そんな原曲とのギャップ感も楽しい、ブラジリアン・テイストあふれるカヴァー曲です。

● ゲゲゲの鬼太郎 (同名アニメ OP)
TVアニメでも、「鬼太郎たち日本の妖怪 VS 西洋の妖怪たち」というのがありました。
クレモンティーヌのハスキーなヴォーカルは、魅惑的な「魔女の囁き」に聞こえなくもない。

● 銀河鉄道999 (同名アニメ OP)
英訳すると、「The Galaxy Express 999」。 はるか彼方への長い旅路への思いが募ります。
オリジナルでも、作曲者のタケカワ・ユキヒデさんは、英語の歌詞で歌われていたそうです。

● Get Wild (アニメ「シティーハンター」 ED)
本当にアニメのテーマ曲なの? クレモンティーヌのオリジナル・アルバムの中の曲みたい。
クレジットを見ると、作曲はあの「小室哲哉」さん。 都会的な洗練された雰囲気が漂います。

● お料理行進曲 (アニメ「キテレツ大百科」 OP)
小粋なタッチのシャンソン風のアレンジにうっとりしていると、いきなり聞こえてくるのが…。
なんと、「キャベツはどうした?!」のひと言。 揚げたてコロッケの付けあわせ用です。

● おしえて (アニメ「アルプスの少女ハイジ」 OP)
マイ・ベスト! クレモンティーヌの温もりのあるトーンが、とっても可愛く耳に響きます。 
もし「天才バカボン」に続いてCMに使うとしたら、サントリーさん、この曲がズバリお薦め。

● 歩いて帰ろう featuring 斉藤和義 (「ポンキッキーズ」 OP)
クレモンティーヌは、男性アーティストとのデュオでも、すごく相性がいいのです。
槙原敬之さん、ジュスカ・グランペール、そして、斉藤和義さん。 ゴキゲンなノリのよさ。

            *  *  *  *  *

日本製アニメが海外で高評価を受けているように、アニソンのクオリティーの高さも実感!
クレモンティーヌとのコラボを企画された、プロデューサー氏の慧眼に拍手、拍手です。

Zoku

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