2023年3月19日(日)14:00 開演 @滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
指揮 : 沼尻 竜典(びわ湖ホール芸術監督)/ 管弦楽 : 京都市交響楽団
* * * * *
● マーラー : 交響曲第6番 イ短調「悲劇的」
このコンビによるマーラー・シリーズは、今回が3回目とのこと。交響曲第4番(2020年8月)、交響曲第10番&第1番「巨人」(2021年9月)では、両者の揺るぎのない信頼関係を感じさせる、優れた演奏が披露されました。そして今回は、16年もの長きにわたって務めてこられた、びわ湖ホールにおける現ポストを退任される沼尻さんのラスト・コンサートになります。
この曲は、2016年3月の京響第599回定期で、高関健さんの指揮で聴いています。ただし、その時の中間楽章の演奏は、今回とは逆の「アンダンテ→スケルツォ」という順番。京響との結び付きも強い、お二人の間でも見解が分かれるところなど、なかなか結論を出しにくい難しい問題であるようです。
また、楽団員さんの配置でも、ホームの京都コンサートホールでは、弦楽器奏者の列には「ひな壇」を設けて段差をつくる、いわゆる「すり鉢」状の構造がほぼ定着していますが、びわ湖ホールでは、フラットな平面上に弦楽器奏者を配列するというオーソドックスなスタイル。ホールの(響きの)特性に応じて、工夫を凝らされている点も興味深いところです。
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この交響曲に付けられた「悲劇的」という標題については、いろいろなエピソードが残されており、さまざまな解釈がなされていますが、学究的な考察はさておいて(知らんがな…)、私には、その長さが余りにも「悲劇的」。とてものこと集中力が保てません。周りの皆さんは、ちゃんと聴いておられるのだろうか?
今回も案の定、第2楽章「スケルツォ」の途中あたりで睡魔に襲われ、それ以降ははっきりした記憶が残っていません。しかし、ここで仮眠(?)がとれたおかげで、寝覚めた後の第3楽章「アンダンテ」の安息感に満ちた優しさが身に染むようで、牧歌的な「カウベル」の響きも、何とも心地のよいものに感じました。
そして何より、古典的な交響曲なら優に1曲分はあろうかという、最終楽章の濃密で充実した響きを十分に堪能できたこと。ステージと舞台裏を忙しく往復する打楽器奏者さんの様子や、あの「ハンマー」が打ち下ろされる衝撃的(悲劇的?)な瞬間など、視覚的な演奏効果もバッチリ。沼尻さんの在任16年をしめくくるのに相応しい、圧倒的な熱演と言えるものでした。
* * * * *
なお、このマーラー・シリーズの第4弾も、この沼尻=京響コンビで継続されることが決まっており、今年8月に交響曲第7番「夜の歌」を演奏することが、プログラムで告知されていました。また、京都コンサートホールと京響による企画ものとして、同年11月には「ニーベルングの指環」よりと題された演奏会が、沼尻さんを指揮者に迎えて開催されることも発表されています。こちらも、今から楽しみ!
指揮 : 沼尻 竜典(びわ湖ホール芸術監督)/ 管弦楽 : 京都市交響楽団
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● マーラー : 交響曲第6番 イ短調「悲劇的」
このコンビによるマーラー・シリーズは、今回が3回目とのこと。交響曲第4番(2020年8月)、交響曲第10番&第1番「巨人」(2021年9月)では、両者の揺るぎのない信頼関係を感じさせる、優れた演奏が披露されました。そして今回は、16年もの長きにわたって務めてこられた、びわ湖ホールにおける現ポストを退任される沼尻さんのラスト・コンサートになります。
この曲は、2016年3月の京響第599回定期で、高関健さんの指揮で聴いています。ただし、その時の中間楽章の演奏は、今回とは逆の「アンダンテ→スケルツォ」という順番。京響との結び付きも強い、お二人の間でも見解が分かれるところなど、なかなか結論を出しにくい難しい問題であるようです。
また、楽団員さんの配置でも、ホームの京都コンサートホールでは、弦楽器奏者の列には「ひな壇」を設けて段差をつくる、いわゆる「すり鉢」状の構造がほぼ定着していますが、びわ湖ホールでは、フラットな平面上に弦楽器奏者を配列するというオーソドックスなスタイル。ホールの(響きの)特性に応じて、工夫を凝らされている点も興味深いところです。
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この交響曲に付けられた「悲劇的」という標題については、いろいろなエピソードが残されており、さまざまな解釈がなされていますが、学究的な考察はさておいて(知らんがな…)、私には、その長さが余りにも「悲劇的」。とてものこと集中力が保てません。周りの皆さんは、ちゃんと聴いておられるのだろうか?
今回も案の定、第2楽章「スケルツォ」の途中あたりで睡魔に襲われ、それ以降ははっきりした記憶が残っていません。しかし、ここで仮眠(?)がとれたおかげで、寝覚めた後の第3楽章「アンダンテ」の安息感に満ちた優しさが身に染むようで、牧歌的な「カウベル」の響きも、何とも心地のよいものに感じました。
そして何より、古典的な交響曲なら優に1曲分はあろうかという、最終楽章の濃密で充実した響きを十分に堪能できたこと。ステージと舞台裏を忙しく往復する打楽器奏者さんの様子や、あの「ハンマー」が打ち下ろされる衝撃的(悲劇的?)な瞬間など、視覚的な演奏効果もバッチリ。沼尻さんの在任16年をしめくくるのに相応しい、圧倒的な熱演と言えるものでした。
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なお、このマーラー・シリーズの第4弾も、この沼尻=京響コンビで継続されることが決まっており、今年8月に交響曲第7番「夜の歌」を演奏することが、プログラムで告知されていました。また、京都コンサートホールと京響による企画ものとして、同年11月には「ニーベルングの指環」よりと題された演奏会が、沼尻さんを指揮者に迎えて開催されることも発表されています。こちらも、今から楽しみ!