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まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

野村克也さん 「私の教え子 ベストナイン」を読んで

2013-10-01 10:21:13 | book

南海‐ヤクルト‐阪神‐楽天。 監督生活通算24年の名将、ノムさん選出のベストナイン。
投手は先発とリリーフ、センターが2人。 「再生工場」から投手と打者を一人ずつ計13人。

ノムさんのこの新刊が発売されたのは、東北楽天イーグルスのパ・リーグ制覇の決まる直前。
今年の大活躍を考えれば、ベストナインの先発には田中将大投手が選ばれていたかも!?

Nomu_2


● 打線(打順)を組んでみました!

ノミネートされた候補者50人の中から「ベストナイン」を選ぶだけでも、実は大変な作業。
さすがに本書では打線までは組んでありませんでしたので、僭越ながら私が組んでみました。

センターは広瀬叔功選手と飯田哲也選手を選出。 よって、AとBの2プランがあります。
私の売りは、左の長距離砲の稲葉篤紀選手を「斬り込み隊長」役に起用しているところ。

Nine

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綾辻行人さん 「Another エピソードS」を読んで

2013-09-05 21:37:33 | book

累計65万部のベストセラー、学園ホラーの傑作、「Another」の続編が待望の登場です。
孤高の異能少女・見崎鳴(めい)と、消えた自分の死体を探す「幽霊」との数奇な冒険を描く。

            *  *  *  *  *

「見えるの? きみには、僕が」。「見える……けど」。 - 三崎鳴と「幽霊」との出会い。
「夏合宿」の直前、彼女が夜見山を離れた「空白」の1週間。 もう1人の「サカキ」との再会?

            *  *  *  *  *

実は、幽霊・賢木晃也も夜見北中の3年3組で、例の「災厄」現象を体験した卒業生だった。
前作とリンクする「仕掛け」がファンには嬉しいところ。 よって、前作は事前に読んでおくべし!

            *  *  *  *  *

標題の「S」はいろいろな解釈も可能ですが、やっぱり、「Summer」の「S」が似合うようです。
「ホラー」作品とは言いながらも、ある意味、「ラブ・ストーリー」の切なさが漂うラストも秀逸。

Episodo_s

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マイ本棚 ベスト5 in 2012

2012-12-25 18:33:40 | book

私が今年読んだ本(旧刊も含む)の中から、お気に入りの「ベスト5」を選んでみました。
今年のマイブームは、何と言っても綾辻行人さんの「館シリーズ」。 見事にハマリました。

            *  *  *  *  *

● 第1位 : 綾辻行人 「暗黒館の殺人」(講談社文庫)
ヒマラヤのように個性的な峰々を連ねる「館」シリーズ。 その盟主の如き威容を誇る作品。
複雑・精緻に組立てられた重層的な構造。 読み直すごとに生まれる新たな発見と味わい。

● 第2位 : 村上春樹 「小澤征爾さんと音楽について話をする」(新潮社)
著者の「できるだけ正直な素人の聞き手であろう」いう態度が、珠玉の対話集を生みました。
クラシック・ファンの方は、「ああ、こういう話が聞きたかった」と思われることでしょう。

● 第3位 : 原田マハ 「楽園のカンヴァス」(新潮社)
アンリ・ルソーの代表作「夢」。 その真贋を巡る「絵画鑑定ミステリー」といった趣向。
対決する若き鑑定人と共に、「作中作」の物語を読んでいくという「仕掛け」が楽しい。

            *  *  *  *  *

● 第4位 : 角田光代 「かなたの子」(文藝春秋)
あの「遠野物語」と相通じる土俗的、因習的な雰囲気。 怖くて、妖しげで、哀しい短編集。
新たなジャンルへと、果敢なチャレンジを試みた角田光代さんの意欲、健闘ぶりが光る一年。

● 第5位 : 髙樹のぶ子 「マルセル」(毎日新聞社)
1968年、京都国立近代美術館で起こったロートレックの名画「マルセル」の盗難事件。
当時、担当記者だった亡き父の取材ノートを手掛かりに、未解決事件の謎、闇に迫っていく。


Hondana_2

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原田マハ 「楽園のカンヴァス」を読んで

2012-07-07 15:10:18 | book

巨大な植物で満たされた原色のジャングルに、裸婦が長椅子に横たわっている大胆な構図。
アンリー・ルソーの代表作「夢」と酷似した幻の作品の真贋を巡る、絵画鑑定ミステリー。

            *  *  *  *  *

伝説的なコレクターからの依頼を受け、この魅惑的な難問に挑んでいく二人の若き研究者。
一冊の古書に書かれた「物語」を読み解いて判断するという、極めてユニークな鑑定方法。

読者は、彼ら二人と同様、この作中作の「物語」を読み進めて行くという「仕掛け」が秀逸。
自らが鑑定人に選ばれた気分にさせられ、思わず知らず、読書の世界へと誘われます。

ストーリーの展開や登場人物の設定には、少々難癖を付けたい気もないではありませんが、
それらを軽く封じ込めてしまうくらいの興奮度・サスペンス性を、この作品は持っています。

何よりも、著者の美術に対する深い愛情や敬意が、作中人物の思いに投影されています。
ミステリーとしての面白さもさることながら、そういう「情熱」が読み手の感動を誘うようです。

            *  *  *  *  *

高樹のぶ子さんの「マルセル」を読んだ後で、この作品に出会えたことも幸せなことでした。
そして、先日発表された「直木賞」の候補作にも! 17日の審査発表が待ち遠しく思います。

Rakuen

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高樹のぶ子 「マルセル」を読んで

2012-06-05 17:49:58 | book

1968年の暮れ、京都国立近代美術館で発生したロートレック作の「マルセル」盗難事件。
時効成立後、「マルセル」は発見されたものの、今なお犯人は見つかっていない未解決事件。

ベテランの純文学作家、恋愛小説家として定評の高い著者が、初めて挑んだミステリー小説。
話題性と共に、小説の主な舞台が地元の京都という親近感とリアリティーにも惹かれます。

            *  *  *  *  *

図らずも父と同じ新聞記者の道を選んだ千晶。 父の遺品の中に当時の取材ノートを発見。
生前の父との間に生じた微妙な距離感を埋めるように、事件の核心に迫ろうとする千晶。

物語は千晶の出生の秘密、若くして亡くなったとされている母親の存在とも絡み合って…。
運命的、必然的な糸に手繰り寄せられるように、千晶の周りに出現するいわく有り気な人々。

            *  *  *  *  *

利害・思惑が複雑に錯綜する人間関係、飛び交う投機的なマネー、嫉みや妬みの世界。
画壇のダーティーな部分を垣間見せつつ、物語の終盤は芸術の都「パリ」が舞台となります。

絵画の世界における、オリジナルとコピー(偽物)の問題を提起し、迫真のクライマックスへ。
国際的犯罪組織の存在を浮き彫りにしながら、「マルセル」盗難事件の謎が解き明されます。

            *  *  *  *  *

実在の絵画盗難事件をベースにした「謎解き」に、この作品の魅力が集約されていますが、
千晶による親探しの過程を一緒になって歩んでいくのも、貴重な「読書体験」となります。

帯には「恋愛小説の名手が贈る芳醇な絵画ミステリ!」と、魅惑的な言葉が書かれています。
さすがに「名手」と謳われる著者だけあって、千晶の恋の行方もドキドキ感たっぷりです。

Maruseru

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