東京のはずれであるまほろ駅前にある多田便利件という便利屋の話だ。これは、そのそっけないタイトルそのままの映画だ。冴えない男たちの退屈な日常をただ淡々と描く。しょぼくれた映画である。そこがこの映画の狙いであり、そういう意味では見事狙い通りの映画に仕上がっている。でも、その分、なんだか物足りない気もする。
それにしても、どうしてこんなにも弾まないのだろうか。原作小説(三浦しをん)を読んだときの楽しさがまるで感じられない。ストーリーは細部まで同じで、どのエピソードもはずしてない気がする。(数年前に読んだので、細かいことは忘れているけど)主人公二人(瑛太と松田龍平)のキャラクターも、周囲に人たちも全く原作通りだ。そして彼らは実にいい雰囲気を醸し出している。なにに、テンションはどんどん下がっていく。
これは大森立嗣監督の力量のなさ、ではない。先にも書いたが、これは彼の狙いなのである。わざとこういう風に作ってある。敢えてお話の面白さを殺ぐ作り方をするのだ。普通なら面白おかしく綴るべきところを、反対にわざと起伏を落として、フラットな感じで、メリハリのないドラマにする。原作は三浦しをんなので、こういう話をハートフルのお話として見せる。だが、大森監督はそうはしない。同じ話なのに、まるでアプローチが違う。
つまらない毎日の繰り返し、退屈な日常。便利屋なんてやっているけど、まるで、生き生き生きていない。儲かりもしないし、ただ、なんとなく仕事だからしているだけ。誰に頼まれたのでもないけど。事件なんかないし、大したこともない日々が過ぎていく。そんな彼らをただそのまま見せる。感情移入もなく。
映画は、小説と違いお話としてこの作品を形作ってはいない。この映画は、この東京のかたすみの、目立たない地味な町で、ひっそりと身を潜めるようにして生きている彼ら二人のつまらない日常の時間を、淡々としたタッチで見せていくことだけに終始する。そこから、人が生きていくことの重さがさらりと伝わる。そういう意味ではこの映画はちゃんと狙い通りの映画になっている。それだけに文句を言う筋合いではないのだが、でも、このうら寂しさは、胸にしみる。なんだか、わびしい。
それにしても、どうしてこんなにも弾まないのだろうか。原作小説(三浦しをん)を読んだときの楽しさがまるで感じられない。ストーリーは細部まで同じで、どのエピソードもはずしてない気がする。(数年前に読んだので、細かいことは忘れているけど)主人公二人(瑛太と松田龍平)のキャラクターも、周囲に人たちも全く原作通りだ。そして彼らは実にいい雰囲気を醸し出している。なにに、テンションはどんどん下がっていく。
これは大森立嗣監督の力量のなさ、ではない。先にも書いたが、これは彼の狙いなのである。わざとこういう風に作ってある。敢えてお話の面白さを殺ぐ作り方をするのだ。普通なら面白おかしく綴るべきところを、反対にわざと起伏を落として、フラットな感じで、メリハリのないドラマにする。原作は三浦しをんなので、こういう話をハートフルのお話として見せる。だが、大森監督はそうはしない。同じ話なのに、まるでアプローチが違う。
つまらない毎日の繰り返し、退屈な日常。便利屋なんてやっているけど、まるで、生き生き生きていない。儲かりもしないし、ただ、なんとなく仕事だからしているだけ。誰に頼まれたのでもないけど。事件なんかないし、大したこともない日々が過ぎていく。そんな彼らをただそのまま見せる。感情移入もなく。
映画は、小説と違いお話としてこの作品を形作ってはいない。この映画は、この東京のかたすみの、目立たない地味な町で、ひっそりと身を潜めるようにして生きている彼ら二人のつまらない日常の時間を、淡々としたタッチで見せていくことだけに終始する。そこから、人が生きていくことの重さがさらりと伝わる。そういう意味ではこの映画はちゃんと狙い通りの映画になっている。それだけに文句を言う筋合いではないのだが、でも、このうら寂しさは、胸にしみる。なんだか、わびしい。