4話からなる短編集。いずれもプラネタリウムが出てくる。最初の2つがとてもいい。こういう日常の機微を描かせたら梨屋アリエはとても上手い。中学生くらいの子供たちのなんでもない日常描写の中から彼らの心の揺れ動きが繊細なタッチで綴られていく。ほんのちょっとした心の震えが、彼(または彼女)の琴線をとらえる。ただそれだけで、すべてがダメになったり、夢のような出来事が起こったりする。2人の女の子の友情、ひとりの男の子を巡る2人の想い。近すぎることはないが、遠くもなく、でも、ちょっとしたきっかけですっと離れていく。『笑う石姫』の主人公である少女の気持ちが、手にとるようにわかる。
次の『地球少女』になると、少し距離を感じた。こっちは男の子の側から描かれる。家で母親に暴力を振るう中学生の少年。うっ屈した感情をもてあましている。彼がプラネタリウムで年上の(高校生)不思議少女と出会う。2人のふれあいを描く。ここまでがぎりぎりセーフ。
後半の2話はちょっとファンタジーになり過ぎていて、つまらない。なんだか匙加減は微妙で、そこを誤るとせっかくの作品が不発になる。リアルの地平から1歩踏み出してしまうと、途端につまらなくなるから難しい。
次の『地球少女』になると、少し距離を感じた。こっちは男の子の側から描かれる。家で母親に暴力を振るう中学生の少年。うっ屈した感情をもてあましている。彼がプラネタリウムで年上の(高校生)不思議少女と出会う。2人のふれあいを描く。ここまでがぎりぎりセーフ。
後半の2話はちょっとファンタジーになり過ぎていて、つまらない。なんだか匙加減は微妙で、そこを誤るとせっかくの作品が不発になる。リアルの地平から1歩踏み出してしまうと、途端につまらなくなるから難しい。