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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

「NDAA 国防権限法」・・・暴動に備えるアメリカ?

2011-12-22 09:14:00 | 時事/金融危機
 



■ 寒さと共に収束したウォール街デモ ■

デモはアメリカの文化です。
手に手にプラカードを持ち、
様々な趣向を凝らして練り歩く様は、
一種のお祭り気分に包まれています。

一か月程前までは、
ウォール街を多くの群衆が占拠していましたが、
NY市がデモを排除してから、
急激にウォール街デモは勢いを失いました。

NYの冬は寒い。

公園に寝泊まりしていたデモ参加者も、
寒さが本格化する前に事態が収束して、
内心ほっとした事でしょう。

ところで最近、アメリカの国内治安を維持する法律が
大きく変化している事をご存じでしょうか。

■ 911と「愛国法」 ■

911のテロ以降、ブッシュ政権はテロ対策の為
「米国愛国者法」を制定しました。

1)米国内外のテロリズムと戦うことを目的として
  政府当局に対して権限を大幅に拡大させた法律である。

2)この法律において電話やEメール、医療情報、金融情報や他の記録について
  当局に対し調査する権限を拡大し、アメリカ合衆国国内において外国人に対する
  情報収集の制限に対する権限を緩和する。

3) 財務省に対し金融資産の移転、とりわけ外国人や外国法人について規制する
   権限を強化する。

4) テロに関係する行為をとったと疑われるものに対し司法当局や入国管理局に対
   し入国者を留置・追放する権限を高めることを規定している。

5) 「テロリズム」の定義を拡大し「国内テロ」をも含め、その結果本法は司法当局
   の拡大された権限を行使する場面が飛躍的に拡大している。

■ 「NDAA 国防権限法」の成立がアメリカ人にもたらすもの ■

今回「NDAA 国防権限法」という法案が
アメリカ議会を通過しました。

「国防権限法」は「米国愛国者法」を拡大した様な法案です。

1) 米当局が、テロに荷担していると疑われる人々を、
   裁判所の逮捕令状なしに逮捕し、裁判や弁護士接見を認めることなく、
   必要がなくなるまで無期限に勾留できる。

2) 対象からは、米国民と米国に合法的に在住する外国人が除外されている。

3) 国防長官が議会に事情を説明すれば、
   米国民や米国在住者も逮捕・無期限勾留できる。


アメリカ国民の一部が警戒しているのは最後の条項です。

1) 国防省が米国内のテロ対策の主導権を握る
2) FBIとCIAの権限が縮小されている
3) 国防長官が「説明」すれば、米国民も逮捕、無期限拘留できる

■ アメリカ軍の歴史的変換点 ■

アメリカは2007年にアメリカ軍の運用に関して、
歴史的変換を行っています。
その為の法律が「国防権限法」です。


連邦政府の権力から国民を守る」事を目的とする合衆国憲法の精神に則って
従来、米軍は米国内で作戦行動を取る事が禁じられていまいた。


<引用開始>

米国においては、「Posse Comitatus Act:PCA」( 以下「ポシ・コミテイタス法」) によって、法執行に軍を使用することが禁止されている。これは、伝統的に確立された軍事部門と文民部門の分離原則を具体化したもので、このポシ・コミテイタス法によって軍は制限を受けており、その規定は次のとおりである。

18 USC 1385 陸軍及び空軍のposse comitatus としての使用
posse comitatus その他の方法で、法を執行するために、陸軍又は空軍を故意に使用する者は、憲法又は連邦議会法が明文で規定し、かつ、その状況下にある場合を除いて、本節の下で罰金若しくは2年以下の拘禁又はその両者に処せられるものとする。
 この規定は、陸軍及び空軍をposse comitatus として使用することを禁止するものであるが、1986年の国防省通達と海軍長官訓令により、海軍(Navy) 及び海兵隊(Marine Corps) にも適用されることとされ、その意味では、米国の連邦軍のうち、USCGを除く4軍の陸軍、空軍、海軍及び海兵隊に適用される。また、この規定は、直接的には軍をposse comitatus として使用した者を処罰する規定であり、処罰法としての体裁をとっているが、その成立経緯から見ても、より重要な国家方針を示した規定と解釈されている。それは、軍事部門と文民部門(非軍事部門) を分離するというマグナカルタ以来のアングロ・アメリカンの伝統的原理を具体化したもので、軍と法執行とを分離し、軍を通常法の執行(civil law enforcement) に使用してはならないという法原則を宣言した米国の統治形式の基本方針といわれる。

<引用終わり>


■ 強化された「国防権限法」 ■

「国防権限法」はアメリカに次の様な変化をもたらします。

1) 4軍を米国内で運用可能とする
2) テロ対策の権限をFBIやCIAから国防省に移行する
3) 国防大臣が議会に説明すれば米国国民であっても、
   逮捕、無期限の拘留が出来る


表向きはテロ対策を口実にした「国防権限法」ですが、
リーマンショックによる経済危機が制御不能に陥った場合予想される
国内の暴動の鎮圧に、軍を運用出来る様にしたとも勘ぐる事が出来ます。

現在アメリカは中東やアフリカから手を引き、
環太平洋国家群のリーダーに変わろうとしています。

今後予想される世界経済の崩壊は、
世界の姿を変換する、起爆剤の役割を担うはずです。

一方、実態経済が疲弊し、多くの失業者を抱えるアメリカで、
経済危機が深刻化すれば、必ず暴動が発生します。

その暴動は知識層中心の平和的デモでは無く、
貧困層を中心に、暴徒化した国民による暴動です。

アメリカ人は、その危険性を肌を持って実感しており、
クリスマス商戦では、銃が最も売上を伸ばした商品でした。


アメリカの支配者達は、アメリカにおける暴動は不可避だと考えています。
いえ、寧ろ、この暴動を「負の清算」の理由にするでしょう。
一方で「新しいアメリカ」の建設の為に
暴動鎮圧に軍が投入され、国民の主権は大きく制限されるでしょう。


2011年も残すところ後10日です。
夏以降、崩壊の兆項は、隠せないものとなっています。

「イルミナティーの陰謀」などという枕詞を付けずとも、
2012年が世界の大きな変革の年になったと、
後の歴史が語り継ぐかも知れません。



崩壊に向かう世界・・・バーセル基準の採用で崩壊する米金融界

2011-12-20 11:37:00 | 時事/金融危機
 

■ FRBはどうやらバーセルの自己資本比率の新基準を受け入れるらしい ■

日本中北朝鮮に釘付けになっている間に、
アメリカでは、大変な決断が下されようとしています。

FRBはバーセルの自己資本比率の新基準(バーセルⅢ)を受け入れる様です。

<引用>

バーゼル3は、国際的に業務を展開している銀行の自己資本の質と量の見直しが柱で、普通株と内部留保などからなる「中核的自己資本(Tier1)」を、投資や融資などの損失を被る恐れがある「リスク資産」に対して、一定割合以上持つように義務づけるものである。具体的には、業績悪化時に配当を機動的に減らせる普通株と、過去の利益の蓄積である内部留保が主体の「中核的自己資本(Tier1)」の比率を実質7.0%以上とすることが求められる(普通株等のTier1の最低所要水準を2.0%から4.5%に引き上げられ、銀行は将来のストレス期に耐え得るように、2.5%の資本保全バッファーを保有することが求められるため、合わせて普通株等のTier1の所要水準は7.0%となる)。

<引用終わり>

バーサル3を義務付けられて銀行は、
自己資本比率を引き上げる必要性に迫られます。

■ 日本のバブル崩壊後の不景気を決定付けたバーセルの規制 ■

バブル崩壊後の日本で、景気回復の足を引っ張ったのもバーセルの基準です。
当時のバーセルⅠでは、国際取引出来る銀行の自己資本比率を8%としました。
バブル崩壊で自己資本が大きく縮小した日本の銀行は、
増資を行うと同時に、「貸しはがし」によって自己資本の充実を図ります。
結果として、日本の銀行の株主の外資比率が高まり、
「貸しはがし」によって中小企業の経営環境が大きく悪化します。

その後、バーセルⅡと強化された後、
バーセルⅢでは、自己資本の質を問う形で、規制が強化されています。

■ 粉飾決済を続けられるか? ■

現在アメリカの金融の株価は低迷しています。
この上さらなる増資で株を増発すれば、
逆に金融株の価格下落に拍車が掛ります。
既に、この事を見越して、バンカメ株は5ドルを割り込んでいます。

株の発行による増資が難しい状況で、
自己資本比率を高める方法は「貸しはがし」しかありません。

アメリカの実態経済は、崩壊寸前まで冷え込んでいますが、
さらに「貸しはがし」が発生すれば、その影響は図り知れません。

現在、アメリカの各銀行は保有資産を甘く査定したり
損失を飛ばしたりして(オリンパスと一緒ですね)
自己資本を高めに偽っています。

バーセルⅢの導入によって、自己資本の質が問われれば、
これらの粉飾が見逃されるにかどうかも多いに興味ある所です。

■ 年末にかけて株価は一段と下落する? ■

今回のFRBの発表で銀行株を中心に株価はさらに下落しそうです。
日経平均も8500円を割り込んだままです。

リスクを回避した資金は何処で向かうでしょうか・・・
米国債が最有力です。

バーセルⅢの導入は、短期的には米国債需要を生み出しますが、
中期的には、アメリカの金融機関の体力を奪い、
実態経済を真綿で絞め殺す様な結果を生みます。

■ 世界経済を救いたいのか、崩壊させたいのか分からない ■

ユーロを廻るドタバタにしても、
今回のFRBのバーセルⅢ導入にしても、
経済の体力が衰えている時に逆効果をもたらします。



1) 金融危機が発生
2) BISが金融機関の安定性向上の為バーセルの基準を強化
3) 「貸しはがし」が発生

・・・・来るべき市場の崩壊に備えて、
資本の引き上げの口実を作っているだけに見えるのは私だけでしょうか・・。

朝鮮半島と日本・・・「王道の狗」

2011-12-20 04:17:00 | マンガ
 




■ 金正日 死去 ■

今年は「人騒がせな指導者」が大勢政権の座を奪われたり、
亡くなったりしました。

ビン・ラディン氏
カダフィー大佐
アサド大統領(息子)もそろそろ・・・

そして年末になって金正日氏が亡くなりました。

これが偶然であるのか、
歴史の転換点としての必然であるのかは、
あと何年か、或いは何十年か経てば分かるのでしょう。

金正日氏の死去は、新しいアジアの枠組みの
一つのエポックとして後世では語られるのかも知れません。

色々な記事やブログで金正日氏への評価や、
今後の北朝鮮国内の体制変化などが論じられています。
金正恩氏への3代世襲が行われるのか、
それとも、共同指導体制から、金王朝とは別の道を歩むのか
世間の目はしばらく北朝鮮に釘づけです。

■ アメリカの傀儡国家・北朝鮮 ■

陰謀論的には、北朝鮮の核武装を許したのはアメリカです。
表面上はIAEAの核査察など、北朝鮮の核武装を防ぐ振りをして、
米朝二国間協議によって国際的枠組みを無効化させながら
北朝鮮を核兵器開発に押しやる行動をアメリカは取り続けています。

北朝鮮が「お騒がせ国家」である事が、
東アジアでのアメリカの利権を生み出すからです。

日韓は、北朝鮮が「核武装」をした事により、
アメリカへの軍事的依存度を大きく増し、
さらにはミサイル防衛構想など、実際には役に立たない兵器に
巨額な出費をしてきました。

言うなれば、北朝鮮と金正日は、アメリカの傀儡国家として
アジア地域で緊張を煽る役割を担っているのです。
これは、リビアやシリアが与えられた役割に似ています。

■ 北朝鮮のニュースが年末のTVを占領する裏では・・・ ■

日本人は北朝鮮のニュースが好きです。
派手なパフォーマンスをする金正日氏は
日本のメディアやワイドショーに、
様々なネタを提供してきました。

本来は「何故北朝鮮が必要」なのかを論ずべきメディアは、
その責任を一切放棄して、金正日氏のパフォーマンスを追い続けました。

今回の金正日氏の死去で、
日本のTVはしばらく「北朝鮮一色」となるでしょう。

しかし、日本と世界の本当に危機は「金融危機」です。
元々、メディアは「金融危機」の実態を国民に目から隠して来ました。
しかし、ユーロ危機の高まりと共に、
金融危機はメディアとしても無視出来ない状況になっています。
これを報じなければ、メディアは無責任とそしりを受けるでしょう。

世界にとって今最も恐れているのは、
日本人が「金融危機」の実態に気づいて、
世界中から投資資金が引き上げられる事です。
要は、日本の老人達が、投資信託を解約したり
預金を引き出して、タンス預金にする事を恐れているのです。

世界にリアルマネーを供給していた日本の資金が逆転すれば、
世界恐慌の引き金を引く事になるます。

金融市場が崩壊寸前でバランスしている現在、
世界はその状況から日本人の目を逸らさせたいはずです。

金正日の死去は偶然かも知れませんが、
日本のメディアが「北朝鮮一色」になる事は、
金融資本家達にとっては、願ったりかなったりの状況です。

■ 「王道の狗」を読んでクールダウン ■

メディアは北朝鮮の新体制の事で持ち切りなので、
私は違った視点から、朝鮮半島と日本の関係を探ってみたいと思います。

今回用いるテキストは、安彦良和氏の「王道の狗」です。
又、漫画です。又、康彦良和です。

漫画はエンタテーメントで史実ではありません。
先日、「虹色のトロッキー」を取り上げた時もご指摘頂いております。
しかし、司馬遼太郎の「坂の上の雲」にした所で、史実ではありません。

私が漫画を取り上げるのは、
漫画が歴史小説よりも読みやすいからです。
そして安彦良和の一連の作品は、
日本の歴史に、全く別の側面から
光を当てる事に成功しているからです。

「王道の狗」は明治初頭、北海道で強制労働させられる
二人の政治犯の逃亡から、その幕を開けます。

加納周助と風間一太郎は鎖でつながれながらも脱走します。
加納は政治犯として逃亡中に人を殺しています。
風間は「新潟天誅党」の活動を罪に問われて囚われの身です。

度胸が据わった加納と、小心者の風間は、
アイヌに助けられ、「クワン」と「キムイ」というアイヌとして
土地の有力者の家に住み込む事になります。

加納こと「クワン」はとあるきっかけで
合気道の始祖、武田惣角の弟子になります。
武道大会で優勝した加納は、
朝鮮半島の革命家、金玉均のボディーガードとなります。

金は近代化を阻み、清の傀儡となっている李王朝に反旗を翻し、
日本に匿われている身の上でした。
金は加納に「貫真人(つらぬき・まひと)」という名を与えます。

一方、風間は、金鉱を探すヤマシの「財部数馬(たからべ・かずま)」を殺害し
彼の名を語って、北海道を離れます。
野心家の風間は、古川財閥の創始者に取り入り
陸奥宗光の秘書として、悪事を担います。

■ 明治初期の朝鮮半島と日本 ■

明治初期の朝鮮半島情勢は、複雑です。
中国の清王朝の傀儡である李王朝は、
朝鮮半島に近代化に無関心です。

日本は世界情勢に目覚め、朝鮮半島の軍事的重要性を自覚していました。
当時、ロシアは不凍港を求めて南下政策を取っていました。

ロシアが朝鮮半島を抑える事は、
日本にとっては脅威でした。
そこで日本では朝鮮半島を植民地化して、
ロシアに備えよという気運が高まっています。

一方、清国は朝鮮半島は清国の支配下だと考えていました。
そこで、朝鮮半島で日本と清国の利害対立が深まります。

李王朝に中でも清国と通じる者と、
日本に通じる者が対立します。
加納がボディーガードを務める事になった
金玉均は日本の後ろ盾で李王朝転覆を企てたとされています。

一方、この時期、日本は着実に経済面で朝鮮半島に進出します。
経済発展に伴うインフレは農民の生活を苦しめ
農民達が全国で蜂起する「東学党の乱」が発生します。
これは「甲午農民戦争」に発展し、
李王朝は日清両国に出兵を依頼し、
伊藤博文内閣は朝鮮に出兵を決意します。
朝鮮半島で日本軍と清軍が対峙する事態となります。

李王朝は農民の反乱が収まったのを機に
日清両国に撤兵を要求しますが、
両国とも対峙したまま撤兵を拒み、
1894年(明治27年)7月23日、
漢城に駐留する清軍を日本軍が急襲します。
ここに日清戦争の火ぶたが切られ、
この戦争に勝利した日本が、朝鮮半島を植民地支配します。

(日清戦争の経緯はこんなに単純ではありません。
 Wikispedeiaの「日清戦争」は必読です)

この様な形で独立を奪われた朝鮮半島では反日感情も強く
ハルビンで朝鮮独立運動家の安重根によって
伊藤博文が暗殺されます。
1909年10月の事です。

■ 日本国内から見た「日清戦争」を描く安彦良和 ■

安彦良和はこの時代の朝鮮と大陸の状況を、
加納と風間という、この時代を生きた
二人の青年の目を通して描いてゆきます。

二人が参加した当時の自由民権運動は過激化しており、
その活動は現代のテロリストと大差ありあません。
活動資金を得るのに強盗を働き、
民衆を扇動しては武力蜂起させ、
秩父事件など多くの犠牲を生み出しました。

現代でこそ「日本の民主化運動」として祭り上げられていますが、
暴力に訴えて社会を変革させようとする姿勢は、
幕末の脱藩浪士達や、赤軍派の姿と重なるものがあります。

自由民権運動は平和な運動と勘違いされていますが、
朝鮮を軍事支配して日本の国力増強を図るべしと
強く主張していたのは、やはり彼らだったのです。

板垣退助の「自由党」はこの様な過激分子だったのですが、
戦争に向かう世相に後押しされて、やがて英雄視されてゆきます。

漫画はエンタテーメントですから、
史実とは全く異なるのでしょうが、
教科書では、「帝国主義支配」の一環として描かれる
日本の朝鮮半島出兵が、
国民にどの様に支持され、
内閣が国民の圧力に屈して行く様が良く描かれています。

■ 北朝鮮を一方的に非難する前に学ぶべき事 ■

私達は学校で近代史を全くと言っていいほど学びません。

一方、韓国や北朝鮮、中国の人々は、
屈辱の歴史としてアジアの近代史を学びます。

歴史を知らない私達と、
歴史を熟知(多少歪んでいますが)する彼らの間に
共通の認識は存在しません。

ですから、日本人にとって北朝鮮は「迷惑な隣人」なのです。
しかし、明治の日本人は、きっと現在よりも国際的感覚を持っていました。

ロシアにどう対抗するかという長期的ビジョンで
アジア戦略を練っていました。

たとえそれが現在の悲劇の源だとしても、
当時の東アジア情勢の当然の帰結が
日清戦争であり、日露戦争でした

そしてその延長線上に、日中戦争や太平洋戦争が存在します。
全て当時の国民が望んだ戦争であり、
朝日新聞を初め、多くのメディアが戦争を煽ったのです。

私達は、軍部の独走が戦争を招き、
私達自身も戦争の犠牲者の様に教わって来ました。
しかし、それこそが歴史の捏造であり、
「国民が望んだ戦争」とい認識無しに、
「従軍慰安婦問題」も「北朝鮮問題」も語るばきでは無いのです。

確かに「事実と異なる事件を捏造」する事は許されません。
しかし、ネットに蔓延する、「ネトウヨ」的な感情は、
無知を自慢しているようで、恥ずかしくもあります。

TVでの「北朝鮮報道」を見るよりも、
近代アジア史の入り口として、漫画を読んでみるのも
有意義かもしれません。


・・・って、単に私がガンダム世代だから
安彦良和が大好きというだけの話しでした。

アメリカ復活の切り札・・・世界最大の油田

2011-12-19 04:58:00 | 時事/金融危機
 


■ アラスカに眠る世界最大の油田 ■
http://www.asyura2.com/11/hasan74/msg/465.html

どうも最近、アメリカは未だ採掘されていな
巨大油田が存在するという噂が絶えません。

武田先生も同じ様な発言をされています。

この油田に規模はサウジアラビアを凌ぐと言われています。

■ 新しい世界のトリガーとなる中東戦争 ■

1) 中東有事による原油価格が1バレル200ドル以上になる
2) 原油の高騰は物価インフレに直結する
3) インフレ抑制の為、金利が高まる
4) 各国の金融機関が保有する国債で、大きな逆ザヤが発生する
5) 大量の国債が売りに出され、国債市場が一気に暴落する
6) 各国の財政が破綻する
7) ユーロ、ドル、円、いずれも信用を失う

ここまでに、世界恐慌の第一幕でしょう

8)  各国は地域単位で統合を進め、スケールによる信用を創造する
9)  EUとアフリカ、米日とアジアなどの先進国と後進国のペアーが出来上がる
10) ブロック内で通貨が統合される
11) 中東とアフリカの石油は、ヨーロッパと中国、ロシア、インドの取り分に
12) アメリカのアラスカ油田やインドネシアの油田は環太平洋地域の取り分に
13) べネゼエラの石油は、南米諸国の取り分に

この様に世界は、需要と供給のバランスが取れた、
幾つかのブロックに分かれていきのでは無いでしょうか?
その過程において、通貨統合から政治統合が進み、
近代国家の枠組みと主権が、徐々に解体されて行くのでしょう。

■ 「均衡」が導入される ■

新しい世界では、グローバリゼーションの反省も取り入れられるでしょう。

急激なグローバリゼーションがもたらしたものは格差の拡大と、
軽々と国境を越境する貪欲な資本による不安定の増大でした。

新しい世界の枠組みでは、トービン税の様な形で、
金融の動きに規制を掛け、
地域毎に、ある程度計画的で安定した成長が模索されるでしょう。

各ブロックの間には、見せかけの軍事的緊張が形成され、
それが、資本のダイナミックな動きを制約する事で、
「緊張の上の安定」が形成されるのではないかと思われます。

これはロスチャイルドが好む戦略で、
「東西冷戦」構造の時代に世界は戻るのかも知れません。

■ 石油によって復活するアメリカ ■

アラスカに本当に巨大油田があるならば、
アメリカの発行する、
あるいはTPP域内で発行されるかも知れない「基軸通貨」は、
アラスカの石油によって、その価値を裏打ちされる事になります。

世界通貨危機によって、金は一時重視されますが、
新しい通貨が形成される過程で、
金は次第に価値を下げて行くでしょう。

■ いずれにしても、着火点は中東 ■

いずれにしても、これだけ大掛かりな仕掛けを発動するには、
やはり中東有事は不可欠です。

制御不能な戦乱によって、世界経済が崩壊したならば、
誰も責任を問われないからです。

既に中東有事を阻止する勢力、
リビアやシリアやエジプトはその力を失っています。

イランとイスラエル、あるいはパレスチナとイスラエルの間で
戦端が開かれれば、中東各国は無秩序に戦乱の中に陥って行きます。

周囲は皆敵、裏で通じあっていたアメリカの傀儡政権も存在しない状況で、
イスラエルが最終的にどんな判断を下すのか?

アメリカの策謀で、もしイスラエルの核ミサイルが使用されれば・・・
これ以上は恐ろしくて考えたくありません・・・。

月曜日から、イヤな妄想が膨らんでしまいました。
今週も一週間頑張って、平和なクリスマスを迎えましょう!!

最低の金属・GOLR・・・ピーター・ブレグヴァドの世界

2011-12-17 17:49:00 | 音楽
  


■ 金が暴落しているが・・・ ■

金がNYで1600ドルを割り込んで暴落しています。

金は不思議な金属です。

柔らかくで、武器には使えず、
錆びないので、永遠に輝きを失わない。

そんな金を、"The lowest metal"と歌う歌手が居ます。

今回の金の下落で大損をこいたジョン・ポールソン氏は、
今夜はこの曲をBGMに、しみじみと苦い酒をあおっている事でしょう。




■ 「現代の吟遊詩人」 ピーター・ブレグヴァド ■

私は死んだ時に、棺にCDを一枚入れてもらえるならば、
先に紹介した「GOLD]を収録した、
ピーター・ブレグヴァド(Peter Blegvad)の「 KING STRUT 」を選びます。

え、誰、この人と思う方が殆どでしょう。
「大阪の女」さんくらいが、ふふふ・・・と言ったとか、言わないとか・・・。

ピーター・ブレイグヴァドは「現代の吟遊詩人」と呼ばれています。
その歌詞は、柔らかで、陰影に富み、ユーモアに溢れ、時にシニカルで、そして優しい。

■ ヴァージンンレコードの目指したもの ■

NY生まれの彼は、ドイツに住んでいる時
アンソニー・ムーアとダグマー・クラウゼと3人で
バンドを組みます。

これが「スラップ・ハッピー」です。
(菊池成吼のスパンク・ハッピーと間違えないでね)



ピター・ブレイグヴァドの不思議な歌詞と、
複雑なメロディーと雑多な音楽性、
そして、ダグマー・クラウゼの個性的歌声が魅力のこのバンドは、
伝説的なジャーマンバンド、ファウストをバックに迎え、
「アクナルバサック・ヌーム」を発表します。1974年の事です。

このアルバムに注目したのが、
当時、駆け出しのレーベル、「ヴァージン」を主宰する
リチャード・ブランソンでした。

彼はもう少しポップなアレンジで「アクナルバサック・ヌーム」を
再録音させヴァージンレコードから発売します。
これが「カサブランカ・ムーン」です。



「カサブランカ・ムーン」と、そのアナグラム(綴を入れ替えた言葉遊び)の
「アクナルバサック・ヌーム」は、まさに双子のアルバムです。
それぞれが、とても魅力的ですが、私は硬質なドイツ版が好きです。

■ 「真のプログレ」、カンタベリー・ロック ■

イギリスに渡った「スラップハッピー」は、
カンタベリ・ロックの前衛グループである
「ヘンリー・カウ」と行動を共にし、
バンドもいつしかヘンリーカウに吸収されてしまいます。

「カンタベリー・ミュージック」とは日本では聞きなじみの無い名称ですが、
ロンドンの少し南にある、学生の街の「カンタベリー」で花開いた
前衛ロック運動の総称です。

「ソフトマシーン」「ヘンリーカウ」「ゴング」などのバンドを中心に、
政治運動と前衛ロックが一体化した、ムーヴメントでした。

その中でも「ヘンリーカウ」は「ロック」「フリージャズ」「現代音楽」
を融合した、最硬派バンドとして、歴史にその名を刻んでいます。

「カンタベリー・ミュージック」をして
「真のプログレッシブ(前衛)ロック」とする意見に私は賛同します。
「YES」や「ピンクフロイド」も高い音楽性を持ったバンドで、
登場した当時は、十分に「前衛的」でしたが、
いつしか「表のプログレッシブロック」は商業主義に溺れた
ロックの一ジャンルに墜落し、かつての実験精神を失ってゆきます。

一方、「カンタベリー・ミュージック」の音楽家の一人、デビットアレンは
NYに渡り「NYゴング」を結成します。
そのメンバーの一人がビル・ラズウェルでした。
異論はあるかとは思いますが、
ラズウェルが「ゴング」の精神を継承して
始めたプロジェクト、「マテリアル」が存在しなければ、
現在の音楽シーンは別の姿をしていたかも知れません。
「マテリアル」の「ONE DOWN」によって
初めてヒップホップが白人音楽と融合し、
ラズェルはハービー・ハンコックの「ロック・イット」バンドで、
ヒップホップを世界に知らしめました。

一方他のカンタベリーの音楽家達の多くもNYに渡ります。

「ヘンリー・カウ」のリーダーのフレッド・フリスは
その実験的ギタープレーでNYアンダーグランドシーンの重鎮となって行きます。
現代ジャスシーン、いや20世紀を代表する音楽家、
鬼才ジョン・ゾーンが結成した「ネイキッド・シティー」では、
高速圧縮グランジ・ジャズ・ロックを、グイグイ引っ張るベースプレーも聞かせています。

さて、ヘンリーカウの曲を紹介しておきます。
ダグマー・クラウゼの変幻自在のボーカルが光ます。
こんな映像が見れるのだから、youtubeは素晴らしい!!

[[youtube:Vfpq11-sRVQ]]

おっと、皆さん、「こんなのロックじゃない!!」と怒ってらっしゃいますね。
これが、ヨーロッパの懐の深さです。
ヘンリー・カウの一連の「靴下」をジャケットにあしらったアルバムは
ロックの歴史的には、名盤の誉れも高い、名盤中の名盤です。
でも分かり難い・・・だって「本当の前衛」ですから。



先日、家内の兄とその友人二人のロック狂いと連れだって
クラプトンのコンサートに行った帰り
(今回のクラプトンは良かった、ドラムスが何とスティーブ・ガット)
4人で居酒屋で飲んだ時、その内の一人が、
「とうとう、ヘンリー・カウを売っちゃった」っていってました。
私が「それは無いだろう・・・勿体ない」と言うと、
「とりあえず名盤だから持ってたけろ、だって、全然分からないから聞かないし・・」
確かに、普通のロックファンは、フリージャズと現代音楽が混じった
ヘンリー・カウは、どう解釈したらいいか難しいバンドです。

■ ダグマー・クラウゼを盗られたピーター・ブレグヴァド ■

ヘンリー・カウはフレッド・フリスの俺様バンドだったので、
メンバーの意見も色々と食い違いました。
フリスはバンドの左翼政治色を強め、
ダグマー・クラウゼの声を、アジテーションの道具としました。

結局ピーター・ブレグヴァドはヘンリーカウを脱退します。
歌姫、ダグマー・クラウゼをヘンリー・カウに盗られた形となりました。

失意のピーターはNYタイムスにイラストを載せるなどして生活します。
彼のアルバムジャケットのイラストは彼の描いたもので、
どれも不思議な毒のある世界を作り出していて、彼に歌に通じるものがあります。

ヘンリー・カウからは、ベーシストのジョン・グリーヴスも脱退してきます。
ピーターとジョンは馬が合いました。
彼らは、NYでジャズ界の女帝カーラブレイと一緒に
「キューローン」という前衛アルバムを録音します。
これも、その筋からは「名盤」と言われるアルバムです。

■ 古巣のバージンに戻り、XTCのアンディー・パトリッジがプロデュース ■

その後、古巣のバージンにも戻ったブレグヴァドは、
XTCのアンディー・パトリッジのプロデュースで、
「The Naked Shake-speare」を発表します。
暗く湿ったポップの迷宮の様なアルバムは、
とても素晴らしい出来栄えでしたが、ヒットする事はありませんでした。



次にバージンから発表されたのは、「KNIGHTS LIKE THIS」。
こちらはニューウェーブ色を強めたアルバムです。



この2枚とも私的には名盤ですが、
ちょとイギリス的な暗さというか、重苦しさを感じるアルバムでもあります。

■ 「裏ゴールデンパロミノス」 THE LOGDE ■

そうそう、この時期ブレグヴァドは、
元フィーリーズのドラマー、アントンフィアーのロックプロジェクト
「ゴールデン・パロミノス」に参加しています。
同時期のメンバーはREMのマイケル・スタイプが居ます。

「ゴールデン・パロミノス」の2枚目と3枚目でブレイグヴァドは
素晴らしい曲を提供しています。

そして「ゴールデン・パロミノス」の裏バンドが「THE LODGE」です。
「ゴールデン・パロミノス」がセッションバンドで纏まりを欠くのに対し、
「THE LODGE]は、しっかりとしたカラーを持ったバンドです。
ブレイグヴァドの陰りを帯びたメロディーと、
アントン・フィアーの切れのあるドラミングが強いコントラストを放つアルバムです。



中にはこんな曲もあって、この曲は盟友、ジョン・グリーヴスだったような・・・。

実は私がピーター・ブレグヴァドやアントン・フィアを知ったのは、
六本木のWAVEでジャケ買いした、このCDからでした。

アンダーグランドのロックはルー・リード程度しか聞いていなかった私は、
初め、この暗くて、訳のわからないCDをどう評価して良いか
全く分かりませんでした。

ところが、聞けば聞くほど、不思議とツボに嵌ります。
後は、奈落に落ちるが如く、
ゴールデン・パロミノスから、マテリアルへ、
そしてピータ・ブレグヴァドからカンタベリーへと嵌って行きました。

元々、NYのアンダーグランドのジャズからロックに回帰した、
ひねくれたロックファンだったので、
健康な汗が飛び散る様なロックは苦手でした。
だから、ビートルズがフォースのダークサイドに落ちた様な、
彼らの音楽に、引かれたのかも知れません。

■ 「歌」に回帰するブレグヴァド ■

ヴァージンとの契約が切れたブレグヴァドは、
インディーレーベルから、何枚かのアルバムをリリースします。

その何れも、最小のユニットでシンプルなロックに回帰しています。
元々、ビートルズがヒーローだったというブレイグヴァドは、
シンプルだけども、ちょっと風変わりなメロディーに、
磨き抜かれた歌詞を載せて行きます。
歌詞はどれもシンプルですが、奥深く、
世の中の奥底を覗く様なスリルに溢れています。

冒頭の「GOLD」はこの時期の曲です。

この時期の、私の一番好きな歌、「DOUGHTER」です。
浜辺で遊ぶ娘をスナップしたようなシンプルな曲です。

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■ 「スラップハッピー」の復活とリチャード・ブランソン ■

10年ほど前、ヴァージン・レコードを売却して、
航空会社の社長に収まっていたリチャード・ブランソンが、
V2レーベルというレコード会社を立ち上げました。

その最初のリリースが再結成された「スラップハッピー」でした。
来日も果たしたので、吉祥寺のライブハウスに跳んで行きました。
3人とも、落ち着いた歳の取り方で、
新曲を披露しましたが、残念ながら当時の曲にあった様な
マジックには出会えませんでした。

しかし、「表のプログレッシブロック」が化石と化した今現在も、
カンタベリーの音楽家達は、時にシンプルな歌に回帰し、
時に、過激にフリーミュージックの火花を散らしながら、
現在もなお、前衛で在り続けているのです。

「真のプログレはどっちだ!?」なんて論争もありましたが、
21世紀に入って、その結論は出たのではないでしょうか。


本日は、独り言の様に、好きなミュージシャンについて書いてみました。