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「内部被曝」もそれ程怖くないかもしれない・・・差別を生み出す過剰な安全

2011-04-22 09:43:00 | 福島原発事故
 



■ DNAって何 ■

今日は高校生の生物の授業を復習します。

上のイラストはDNA(デ・オキシ・リボ核酸)の模式図です。
私達の遺伝情報は染色体を構成するDNAによって伝達する事は高校で習います。


① DNAは4種類のアミノ酸によって出来ている。
② アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類
③ DNA1個の原子数はは4200億個(4.2x10_11乗個)
④ 140億個の対になるアミノ酸が存在しする。(一分子平均15原子として)
⑤ DNAは140億個の4種類の文字でコードされている情報。

DNAはどの細胞でも共通です。頭髪の毛根細胞だろうが、心臓の筋肉細胞だろうが、DNAは共通です。

では、DNAはどの様に私達の体を作っていくのでしょうか?

■ DNAはタンパク質の設計図 ■

私達の体は、様々なタンパク質によって出来上がっています。
「骨は違う」とお思いでしょうが、コラーゲンというタンパク質が骨の下地を構成し、そこにカルシウムが集まって補強されたものが、骨です。

DNAからタンパク質を作る方法は少々複雑です。

① あるタンパク質を作れという指令が出る
② RNAポリメラーゼという酵素がDNAのある部分を転写してRNAを作る
③ リボゾーム内でRNAの情報を元にタンパク質を作る
(実際にはもう少し複雑ですが・・・)

■ タンパク質は有機ナノマシーン ■ 

 
上のイラストは血液中で酸素の運搬を担う「ヘモグロビン」の分子を模式化した図です。ヘモグロビンもタンパク質の一種です。

私は、「タンパク質は化学的に作用する」と漠然と考えていました。しかし最新の研究でタンパク質は機械的に作用する事が判明してきました。

例えば、ヘモグロビンが酸素と結合したり、放出したりするのは、ヘモグロビンの一部に凹みがあり、ここの電位の変化で機械的に酸素つ捕まえる事が分かっています。(イラストの○の範囲内)

① style="font-weight:bold">■ ほとんどがジャンク情報のDNA ■

これだけ精密なナノマシーン群を作り出すDNAは精密なデータの集合体だとお思いでしょう。

全然違います。人のDNAの97%がジャンク情報(ゴミ)です。タンパク質の合成に関与しているのは全体の3%に過ぎません。

■ 冗長性がエラーを防ぐ ■

ではこの「ゴミ」は不必要なのでしょうか?
私はこの「ゴミデータ」こそが、DNAを破壊から守っていると考えています。

① 活性酸素や放射線や化学物質がDNAの結合を切断
② 普通は正常にDNAが修復される
③ ある確率でDNAの修復に失敗
④ 修復に失敗したDNAの97%はジャンクなので、実害は発生しない
⑤ 複製されたDNAもエラーを残しながらも、正常に働く

コンピューターのデータも冗長性というエラー防止の為の無駄なデータが入っています。DNAの大量のジャンクデータを持つ事で、深刻なエラーの発生頻度を低下させているのでしょう。

■ DNAは「安全姿勢」を取っている ■



上の図は細胞の模式図です。

細胞中央の球体の部分にDNAが納められています。

① DNAは普段はコンパクトに畳まれている
② RNA転写の時に部分的に解ける
③ 細胞分裂の際に、解けて全DNAが転写される
④ 折りたたまれたDNAを染色体と呼ぶ

さて、DNAは何故畳まれたいるのでしょう。
飛行機が墜落する時、皆さんはどんな姿勢を取るでしょうか?
頭を膝の間に入れて、背を丸めた安全姿勢です。
安全姿勢は体表面積を最小にして、外部からのの攻撃を受ける確率を小さくする姿勢です。

細胞内でDNAは「安全姿勢」を取り、細胞の中心に密集する事で、外からの破壊の影響を最小に抑えています。

■ 水というバリアーと抗酸化作用 ■



放射線が細胞に打ち込まれても、DNAの回りは大量の「水」で守られています。多くの放射線がDNAに到達する前に、水の分子を放射線分解して、活性酸素を作ります。

① 水の分子が放射線分解する
② 活性酸素種が発生((O2-)、(H2O2)、(・OH))
③ 様々な抗酸化物質で活性酸素を無害化
④ 活性酸素は放射線の他、化学物質やストレス、運動によっても絶えず発生。


活性酸素は強い参加作用を持ち、DNAの水素結合を破壊します。
しかし、多くの活性酸素がDNAを破壊する前に、抗酸化作用により無害化されます。
何故なら、生物の進化の歴史は酸化(酸素)との戦いだったのです。

以前は独立した生物であったミトコンドリアを細胞内に取り込んで、酸素をエネルギー源に変えるまでは、生物は酸素を最も恐れていました。それ故に、細胞は活性酸素を除去するシステムは進化の初期に獲得しています。

「水」と「活性酸素の除去」という二重の防御機構を有する故、DNAが直接放射線に破壊される確率は低いのです。

■ DNAには自己修復機能がある ■

ところが、DNAの破壊は1細胞あたり1日最大50万回も発生します。

① 紫外線や放射線によるDNAの破壊
② 転写や複製時のエラー
③ DNAは自己修復機能を有し、これらのエラーを修復する

ところが、修復がエラーを起こす事も起きます

① 一般的には修復エラーは細胞の老化として、細胞の死に至る
② エラーの蓄積した細胞は「自殺=アポトーシス」する。

■ 「細胞の自殺=アポトーシス」が癌化を抑制 ■

「低線量の放射線でも癌が発生する」と唱える人達は、アポトーシスの影響を軽視しています。

① 内部被曝によってDNAが繰り返し損傷を受ける
② DNAのエラーが増えていく
③ ある時点で、アポトーシスが発生し、エラーの蓄積した細胞は死に至る

これが自然の成り行きです。

■ 「異常細=癌」では無い ■

多くの人が「異常細胞=癌」だと思っています。

① 癌は「異常増殖」する細胞である
② 普通の細胞は「増殖抑制因子」が働いていて、むやみに癌化しない
③ 稀に「増殖抑制因子」の働きが損なわれ、癌化する細胞がある。

■ 癌を攻撃するT細胞 ■

生体の免疫系は様々なシステムで、癌細胞を駆逐します。

① 癌細胞は通常細胞では生産しないある種の「抗原」を生産
② 原細胞障害性T細胞(CTL)は腫瘍免疫の主役を担う細胞
③ 原細胞障害性T細胞(CTL)が癌の抗原に引き付けられて癌細胞を駆逐
④ NK細胞やNKT細胞、マクロファージ、顆粒球などの自然免疫も癌の進展を抑制

■ 人体の「発ガン」抑制システム ■

どうでしょう?人間の癌駆逐システムがいかに優れたものか理解頂けましたか?

① DNAは冗長性によって耐破壊性がある
② DNAは水と抗酸化作用に守られている
③ DNAの破損と修復は極めて普通の現象
④ DNAにエラーが蓄積すると、細胞は自殺する(アポトーシス)
⑤ 異常細胞が癌細胞では無い
⑥ 異常増殖細胞(癌細胞)は、様々な免疫系によって駆逐される


これらの人間の優れた癌に対する免疫反応を「しきい値なしの直線(LNT)仮説」を支持すり人達は「無視できる」としているのです。これは暴論です。

■ 「内部被曝」と「外部被曝」は同一 ■

LNT仮設派は、低線量率放射線による顕著な発ガン率の増加が立証できないので、「内部被曝」という概念を持ち出しました。

これは、ダイオキシンの一般被曝量での発ガン性が立証できないので、「環境ホルモン」とう新しい概念を持ち出した事に酷似しています。



ところで、ミクロの目で見れば、「外部被曝」と「内部被曝」にどんな差があるでしょか?

反原発論者の間違いは、マクロの放射とミクロの放射を取り違えている点です。

反原発論者はこう主張します

① 放射線強度は距離に二乗に反比例する
② 1mと1μmでは放射線強度は1兆倍の差がある

私も最初は騙されました。光も放射線も同じ輻射ですから、距離の逆二乗則はマクロな視点では正しいと言えます。

ところが、1μmの領域はミクロの領域です。この領域では「集合としての放射線」では無く、「放射性物質の個々の放射線放出」と捕らえるべきです。

ニュートン力学が、量子力学レベルで適用されないのと同様です。

① 体から離れた位置、あるいは体表の放射線源からの放射線は「放射線束」と捕らえるべき
② 放射線強度は「放射線束/単位立体角(ステラジアン)」で定義される。
③ 被曝放射線量は「放射線強度/単位面積」で定義される。

以上はマクロな視点で見た、被曝量の計算です。

① 細胞一個一個といったミクロの視点では、放射線が当たるケースと当たらないケースがある
② 体全体では放射線が存在して人体に当たれば100%被曝する
③ ミクロの領域(細胞一個一個)では、被曝は確率的になる。

どうでしょう、内部被曝はミクロのオーダーを対象にしています。
ミクロの領域では、放射線は存在するかも知れないし、存在しないかも知れないのです。
ミクロの領域での放射線の被曝量と言った時は、存在しない確率を無視しているのです。

ミクロの領域では、内部被曝も外部被曝も作動原理は同一です。
1個の放射線(量子)が、細胞を構成する原子や分子にどう作用するかだけです。


■ 甲状腺と骨や筋肉では放射密度が異なる ■

チェルノブイリで甲状腺ガンが多発した事から、内部被曝の危険性を主張する人達もいます。

① 幼児や子供は甲状腺の働きが活発である
② 子供の甲状腺はヨウ素の代謝が活発である
③ ヨウ素131は甲状腺に蓄積する
④ ヨウ素131の半減期は8日である
⑤ ヨウ素131の1個の原子は、ベーター崩壊して1個の電子を放出すると放射性を失う
⑥ 半減期の短い原子集団は比較的多くの放射線を短時間に放出るす。
⑦ 半減期8日のヨウ素131は、比放射能が4.6*10_15乗
⑧ ヨウ素131は高い放射線を発する原子
⑨ 大量のヨウ素131が甲状腺に集まると、甲状腺は高い被曝をする

確かにヨウ素131は危険と言えます。
その結果、チェルノブイリ周辺では、子供の甲状腺ガンが多発しました。
軍は昔からこの事を知っていて、被曝の恐れのある軍事行動の前には、兵士達は安定ヨウ素剤を服用して、甲状腺にヨウ素131が蓄積する事を防いでいます。


それではヨウ素131の次に多く検出されるセシウム137はどうでしょうか?

① セシウム137は体はカリウムと区別が付かないので、筋肉や神経に分散
② セシウム137の半減期は30.2年
③ セシウム137は30.2年で半分の量が分子がベータ崩壊する
④ セシウム137の崩壊頻度はヨウ素131の1/1377である
⑤ セシウム137のヨウ素より放射線が1377分の1も少ない
⑥ セシウム137は100日程度で体外に排出される

セシウム137は体内に分散的に存在し、半減期も長いので、体外に排出されるまでに体の一部を集中的に被曝させる事はありません。
これは、天然由来のカリウム60がほぼ体に無害なのと全く同じです。

同様にカルシウムの代わりに骨に蓄積するストロチウムもカリウム60と全く同じ振る舞いなので、ほば無害です。


プルトニウムに至っては、半減期が2万年を越えていますから、少量の被曝で怖がる必要すらありません。もし、仮に被曝しても、強力なアルファー波を浴びた細胞はアポトーシスする確率の方が高いでしょう。

■ 甲状腺癌は安定ヨウ素の摂取で予防できる ■

内部被曝で注意が必要なのは、子供の甲状腺である事は明確です。

甲状線の被曝は甲状腺を安定ヨウ素で満たしておけば防げます。
ポーランドではチェルノブイリ原発事故後、全国民に安定ヨウ素剤を服用させた結果、ポーランドでは甲状腺癌の発生を押さえ込みました。

日本人は海産物や海藻類から日常的に安定ヨウ素を摂取しています。
日本人の甲状腺は、平均的な食生活をしていれば、安定ヨウ素で満たされています。

むしろヨウ素お過剰接収は、甲状腺の亢進を起こし、体に障害をおこします。
海藻類の暴食は、手足の冷えなどの症状が現れるようです。



■ 「低線量率被曝でも癌の発生率が上昇する」という統計のトリック ■

「しきい値なしの直線(LNT)仮説」を主張する人達のよりどころは、「47年間、毎年10mSV 浴び続けると1.8%、年間50mSVで8.6%がんで死亡したという追跡調査」だったりします。

年間50(mSv/年)の被曝をする人達とは誰でしょうか。
もし、これが原発作業員であったりすれば、彼らは集団として放射線以外に一般の人と異なる点は無いでしょうか?

① 原発作業員の喫煙率は一般人の平均より高い
② 原発作業員の飲酒量は一般人の平均より高い

あくまでも推測ですが、デスクワーカーより一般的な作業員の喫煙率も飲酒率も一般人より高めでしょう。

人間は実験用マウスとは異なります。
統計処理される集団に、目的因子以外の因子の影響が強く働く事を除外する事が難しいものです。

ちなみに喫煙による発ガン率は、非喫煙者の10倍。11.4%にもなります。
これは全く無視できない因子です。


私は医学的統計をあまり信用しません。
恣意的な母集団を選択すれば、統計データなど変化してしまうからです。

■ 本当に怖いのは、妊婦や将来子供を生む女児の被曝 ■

被曝の影響が最も大きいのは、細胞の分化が活発な受精直後の胚や胎児、そして受精前の卵子、精子でしょう。

細胞数が少ないのですから、被曝によりDNA異常はダイレクトに反映されます。

女の子は胎児の時に既に原始卵包が準備され、それを一生使い続けます。胎児の時や、子供の時の被曝の影響が、その子供の代に現れるかもしれません。

■ 妊娠時の免疫低下 ■

チェルノブイリでは14歳の頃に被曝した女児が成長して妊娠した時に、癌になったケースが報告されています。

新型インフルエンザの死亡率が妊婦で高かったのは、妊娠時に胎児を保護する為に免疫グロブリンが低下するからだとの報告があります。

女の子の場合は、現在の被曝が将来の健康障害につながる可能性があります。

■ 合理的判断を ■

「弱い放射線も危険」という「閾値なしの直線(LNT)仮説」を唱える人達が、いかに無理な理論を振りかざして、放射線の恐怖を煽ってきたか、お分かりいただけたでしょうか?

内部被曝とて、ヨウ素に関する限りは、ある程度コンロールでき、他の放射性元素の影響を取るに足らないのです。

20(mSv/年)という国の暫定基準は、保守的で、それゆえに7万人の人々を故郷から追いたて、さらには謂れの無い差別を生み出しています。

私も「原発はあってはならない」と考えていますが、実際にその原因を作っているのは、放射線による健康被害では無く、過剰な安全意識なのかもしれません。



・・・最後までお付き合いいただいた方、ありがとうごあざいます!!



「反原発という宗教」・・・現代の天動説

2011-04-21 04:52:00 | 福島原発事故
 



■ 現代の宗教論争 ■

ガリレオ・ガリレイは優れた洞察力と綿密な観測によって、「地動説」を唱えました。
しかし、教会は世界は神た作りしもので、世界は地球を中心に回っているという「天動説」を説いていました。
ガリレオは「反キリスト教」として宗教裁判に掛けられ、投獄されます。
刑期を終え、牢屋から出た時に彼はつぶやきます。「それでも地球は動いている・・。」

放射線の安全性を巡る論争は、まさに「宗教論争」の様相を呈しています。

決して統計的な処理が出来きる人数で人体実験をする事が出来ないので、マウスの実験から類推して「危険である」とか「安全である」とか論議しています。

それは、決して姿を見せる事の無い、「神」について論じる行為に似ています。

■ 低線量率放射線についての議論の対立は存在していた ■

黒柴氏より教えていただいたサイトは必読です。

「NRCが「しきい値なしの直線(LNT)仮説」に基づく規制を行っている理由」
http://www.transis.co.jp/infobase/base02-01.htm

<引用 開始>

微量放射線が人体に及ぼす影響(すなわち、有益なのか有害なのか)をめぐる論争は世界の保険物理学会を二分し白熱しているが、悪玉説、良玉説のベースとなっている仮説の統計学的立証が困難であることから、白黒がつくまでにはまだまだ時間がかかりそうである。

後略

<引用 終わり>

先ず、我々が認識すべきは、微量放射線が人体に有益なのか無益なのかをめぐる論争は学会を二分しているという事です。

我々の耳には普段、「放射線は危険である」という情報しか入ってきません。メディアバイアスが明らかに掛かっています。

■ 細胞の自己修復をほとんど無視した外挿法 ■

<引用 開始>

① 現行の放射線防護基準は、どれだけ微量な線量であろうとも、人の健康に有害な影響を及ぼす原因になるとの仮定に基づいている。

② 動物や細胞への放射線影響研究および広島・長崎の原爆被災者や一部の医療患者を対象とした研究結果に基づいて、放射線作業従事者や公衆が通常遭遇する低線量・線量率の放射線による健康影響を説明する線量―反応関係として「しきい値なしの直線(LNT)仮説」が採用された。

③ LNT仮説の厳格な適用が不必要に保守的な放射線防護基準(特に、認可施設の除染や廃止措置といった特定目的に対する基準において)の設定につながっているとの意見も一部にある。

④ 不必要に制限的な、あるいは過大に保守的とみなされる放射線防護基準の適用を免れるためには、その基準の根底をなしているLNT仮説を覆す必要がある。NRCが規制の対象としている比較的低い線量・線量率の放射線による健康影響には科学的不確実性がある。LNT仮説では放射線によって損傷した細胞の修復といった補償メカニズムを考慮しておらず、低線量での健康リスクを過大に見積る可能性がある。更に、放射線の影響にしきい値があることや、放射線影響にホルメシスが存在することを示す証拠もある。

⑤ しかし、そのような証拠は、疑う余地がまったくないものでなければならない。現行の放射線防護体系の根底となっているLNT仮説から別離することを検討する前に、人間においてもしきい値やホルメシス効果が存在することを実証しなければならない。

⑥ 国際放射線防護委員会(ICRP)やアメリカ放射線防護測定審議会(NCRP)等の国際委員会や国内委員会は、規制のためにLNTモデルを使用することは安全かつ安全側にたったアプローチであり、たとえ誤りがあったとしても、防護を強化していることを意味するとの共通的な考えを持っている。これら機関がこのようなコンセンサスを持っていることから、NRC、DOE及びEPAといった連邦政府機関はこのモデルに従っている。

<引用 終わり>

LTN仮設とは「広島や長崎で観察された、高線量率放射線による被曝の影響を、低線量率領域まで直線的に延長(一次関数グラフ)してくれば、どんなに低い放射線量においても何らかの発ガンリスクが存在する」という理論です。

どんなに少ないリスクでも、リスクが存在する限り、その対策は必要であり、放射線の害は確実に存在する。

放射線によるDNA破壊は科学的破壊などに比べて複雑なプロセスを有している為、自己修復される確率が低い。


はっきり言って、私は大笑いしてしまいました。
仮にも博士号を持つ頭脳の方達が、DNAの修復や、免疫反応としてのアポトーシス、あるいはT型細胞による異常細胞の排除を殆ど無視しているのです。

はっきり言って、これは学問ではありません。「現代の天動説」です。



■ 生体反応には閾値が存在する ■

自然界の現象には「閾値」(スレッショルド)が存在します。
それは、自然界が複雑系で成り立っているからです。

例えば重たい石を押してみましょう。
はじめは動きません。
しかし、力を大きくしたり、2人、3人で押すと動き始めます。
これは、石には重さに応じた摩擦力が地面との間に働いていて、それを越える力で押さなければ石は動かないのです。

物理の問題としては摩擦力をゼロにも出来ますが、自然界では石が氷の上にあっても摩擦力を受けます。

ところが、「低線量率放射線が危ない」と言っている学者達は、「摩擦力は考慮しなくても良い」と言っているに等しいのです。

生体は自然界における複雑系の最たるものです。

生体は絶えず外界からの攻撃にさらされてきました。
細胞の進化の過程では、強い放射線に曝される時期もありました。
ミトコンドリアを取り込むまでは、酸素(酸化)こそが細胞にとって一番の恐怖でした。
ウィイルスや科学部質の攻撃も受けてきまいた。

しかし生物はその都度、危機を乗り越える生体反応を発達させ、生き延びてきました。
その最たるものが、私達の免疫反応です。

① DNAが損傷したら、それを自己修復する
② 自己修復出来なかった細胞は、自殺する(アポトーシス)
③ 癌化して増殖しようとする細胞は、免疫細胞に食べられる

この様に3重のプロテクトが掛かっているから、私達は紫外線を浴びても簡単には皮膚がんにならないのです。

しかし、ある値を超えると、これらの免疫反応を超える癌細胞が発生したり、あるいは免疫細胞自体が甚大は破壊を受ける事になります。この境界のある値を「閾値」と言います。

西洋医学の薬は、大量に服用すると「毒」になります。しかし、「閾値」以内であれば薬として作用します。

ところが、「低線量率放射線は有害だ」と言う学者は、「閾値」の存在を否定します。

彼らの想定する「人体」は、無菌で光も当たらない場所でしか生きて行けません。
(紫外線と可視光の間に物理的差はありません。紫外線は青色の光よりも僅かに波長が短い光です)

■ 「天動説」がまかり通る「理由」 ■

「現代の天動説」である「放射線有害説」は、どうしてこんなにも力を持ってしまったのでしょうか?

一つには「反原子力が正義」であるという思い込みです。

① 核兵器は人類を滅亡させるかも知れない。
② 核兵器は廃絶すべきものである。
③ 核兵器が有害なのは、放射線が人体に有害だからだ。

④ 放射線が有害ならば、原子力発電も有害だ。
⑤ 核兵器や原子力発電を廃絶する為には、放射線は「超有害」である必要がある
⑥ 放射線は「超有害」でなければならない

⑦ 低レベルの放射線も「超有害」でなければ、原発建設は止められない
⑧ 低レベルの放射線も「超有害」でなければならない

⑨ 低レベルの放射線の「超有害」が立証できないのは、人体実験が出来ないからだ
⑩ 放射線は「超有害」だから人体実験をしたら癌になってしまう

⑪ 低レベルの放射線が「体に良い」という理論はクレージーだ
⑫ 低レベルの放射線が「体に良い」という学説は無視するか、徹底的に弾圧しよう

「社会主義」もかつては正義から始まり、多くのの人を不幸にしました。
「正義」とは多分に「悪」よりも人に仇なすものなのです。

■ 誰かが得をする ■

ダイオキシン騒動を覚えていらっしゃるでしょうか?
ダイオキシンも、放射線有害論と同じ経緯で「超有害」にされてしまいました。

① ベトナムで使用された枯葉剤で奇形や癌が多発している
② 彼らは戦争の犠牲者だ
③ 枯葉剤の成分のダイオキシンが原因だろう

④ ダイオキシンは「超有害」だから規制しなければならない
⑤ ダイオキシンは「超有害」だから、きっと発ガン性があるだろう

⑥ いくら研究しても発ガン性が立証できないけど、もっと他の毒性があるだろう
⑦ ダイオキシンは「環境ホルモン」として内分泌系を撹乱するだろう
⑧ 「環境ホルモン」は少量で作用するから「超有毒」だ

さて、WHOを含めあんなに大騒ぎしたダイオキシン騒動はどうなったでしょうか?日本男児が草食系になったのはダイオキシンの影響でしょうか?

こんな反論を武田邦彦氏がしています。

① べトナムはタイでは奇形児は神として崇められので、殺される事が少ない。
② イタリアの農薬工場で爆発事故があり大量のダイオキシンを浴びたが誰も癌にならない
③ 現在検出されるダイオキシンは、昭和40年代までさかんに使用された農薬由来
④ そもそもDDTなどはダイオキシンと別の構造の物質で、WHOが勝手にダイオキシンに分類
⑤ ダイオキシンによる発ガンは立証されていない(大量投与で発ガンしたと主張)
⑥ ダイオキシンによる内分泌撹乱の影響は立証はされていない
⑦ ある種の貝類、魚類、両生類では、性変化は自然に発生する

そしてダイオキシン騒動の結果は

① アメリカ製の高価な測定器が沢山売れた
② 欧米のプラントメーカーが高温焼却炉を日本の自治体に大量に売った

皆さん、ダイオキシンって、何だったのでしょうか?

さらには、オゾンホールってなんだったのでしょうか?
南極上空のオゾンホールは太古の昔から存在します。
それが、近年たまたま観測可能になっただけで、現在もしっかりオゾン層には穴が開いてます。
代替フロンで大儲けしたのは、デュポン社です。

■ 低線量率放射線の有効利用の扉を閉じるLNT仮設 ■

全く根拠の無い、「外挿法による低線量率放射線の有害説」は、現代のダイオキシンです。
稲博士の言うように、低線量率放射線が人体に有害どころか、有用であるならば、LNT仮設は私達の健康を間接的に損なっている事になります。

本来、「低線量率放射線療法」で治癒する人達を、健康から遠ざけています。

さらには、福島原発の周辺住民を、必要以上に不幸は状況に追い込んでいます。

もし、LNT仮設が例によってWHOや原子力利権に巣食う者達の陰謀であるならば、私達は断固としてこれに立ち向かわなければいけません。

少なくとも、「福島県民は来るな」などという無知蒙昧な発言は決して許されるものではありません。むしろ、すり寄っていって、健康を分けてもらいたいくらいです。


■ LNT仮設が支持される間は原発は人を不幸にする ■

福島原発は以前予断を許さない状況です。

爆発的再臨界や、メルトダウンによる放射性物質の大量放出の危険が過ぎ去った訳ではありません。ですから、低線量率放射線の安全性と内部被曝の閾値が判明するまでは、福島第一原発は「超危ない」原発であり続けます。

LNT仮設は内部被曝にも有効です。

体内に進入した微量に放射線はLNT仮設では「超有害」なのです。

私はLNT仮説の信望者達は、内部被曝も過大評価していると考えます。
これは又明日説明します。

見事な連携プレー・・・アメリカ国債「ネガティブ」に

2011-04-19 11:04:00 | 時事/金融危機
 


■ 「ごちそう様でした。日本の危機を美味しく頂きました。」 ■


① 「東日本大震災」発生

② 「円高誘導」で日銀の大量ドル購入

③ 「日本株暴落危機」で、利益確定売り

④ 「日銀の狂ったような資金供給」・・・株式市場を通して美味しく頂きました

⑤ 「ユーロ諸国の国債危機」・・ドルが延命しています

⑥ 「S&P 米国債をネガティブに」・・・ユーロにおすそ分け


いつもの妄想が増殖中。

■ ゴールドマンの「妖精物語」の定点観測 ■

2010年(ちょっと月は不明、秋頃?)


2011年1月末


2011年2月末


2011年3月末


国債 → MBS → 国債(欧州債)

見事に危機を先取りして資金を移動しています。
日本の老人のお金(投資信託)が、危機の買い支えに使われています。

① ヨーロッパ債権危機が納まる頃、ユーロ高に便乗して欧州債を売り抜ける

② FRBのMBS売却の下地を作り、他の金融機関とMBS相場を吊り上げる

③ ヨーロッパ債権危機を見越して、種蒔き

④ 米国債「ネガティブ」で資金はアメリカからユーロへ。

⑤ ユーロが安定したら売り抜ける?

・・・ところで、とうとうA+/A1なんて韓国国債が顔をのぞかせています。

次の危機は韓国でしょうか?
売りを仕込む準備でも始めたのでしょうか・・・ちょっと注目。

ところで、平均格付けAAのこの投資信託、いったいこの表の下に、どんなゴミが溜まっているのやら、覗く事すら恐ろしい。
だんだんと投資銘柄数が減少しています。こちらも不思議?

いずれにしても、プレーヤーはいつものメンバーばかり。
値動きが無くては、儲けも出ない。

S&Pの米国債の「ネガティブ」決定は、ジャブといった所でしょう。
次にストレートが来ると分かっているのに、クツを踏まれて逃げられない。
「レフリ-!!反則だよ」と言ったところで、レフリーはよそ見・・・。



(ゴールドマンさん、ゴメンなさい。)



春は毎年訪れます・・・佐倉のチューリップ

2011-04-18 07:24:00 | エコロジー
 








印旛沼のほとり、千葉県佐倉市と言えば、江戸時代に老中を大勢輩出した堀田家の所領。11万石という小藩でしたが、江戸の東側を守る重要な地でした。

現在は通勤圏という事もあり、駅の周りは住宅地として開発されています。少し駅から離れると、のどかな田園風景と印旛沼の静かな水面が広がります。

印旛沼のほとりはサイクリングロードが整備され、色とりどりのサイクルウェアーに身を包んだサイクリスト達で賑わいます。この道は、金メダリスト高橋尚子が小出監督と共にトレーニングした場所でもあります。

その遊歩道沿いに、とても日本とは思えない光景が広がっています。
風に回る風車と一面に広がるチューリップ畑は、ここはオランダかと思える光景です。

この写真は17日に撮影したものですが、来週頃まではチューリップが見ごろを迎えています。

「フラワーフェスタ」の案内ページhttp://www.city.sakura.lg.jp/syoko/ivent/tyurippu/tyurippu.htm

会期中、車は混雑しておりますので、京成佐倉駅からの送迎バスか、京成臼井駅から徒歩がお勧めです。

臼井駅からは少し距離がありますが、印旛沼の周囲に広がる畑には、この時期キジを見る事が出来ます。キュぇーン!!という鋭い泣き声がしたら、周囲を探してみて下さい、田のあぜ道に身を潜めるキジが見つかるはずです。

繁殖期を迎える為か、オス同士が縄張りを主張して、鳴きあ合っています。良く探すと近くにメスの姿も見つかります。




印旛沼は霞ヶ浦同様、海水面が高かった平安時代は内海(浦)でしたが、寒冷化に伴う海水面の低下で沼になりました。

周囲の川は皆印旛沼に流れ込み、流れ出る川が無かった為、大雨が降る度に沼の水は周囲にあふれ出し、田畑を水浸しにしました。周辺の古い農家は、高台の上に家が立てられ、屋根裏には小船が用意されている程でした。

江戸時代から海に連なる排水路を作る試みがされてきましたが、完成せず、明治に入ってようやく、花見川が東京湾に繋がり、洪水時の排水が出来る様になりました。(利根川に繋がる長門川は、利根川の増水時には逆流する為水門が空けられません)

印旛沼が利根川水系の為、幕張から東京湾に注ぐ花見川(印旛沼法水路)も利根川水系に分類されています。花見川の河口近くからサイクリングロードが整備され(*1)印旛沼の西沼から北沼を通って、利根川まで抜ける事が出来ます。(*2)

(*1)天戸-大和田間が未舗装。4Km程。この間はロード車は一般道に迂回
(*2) 西沼と北沼の間は、崩落の危険があるので現在通行止め、迂回路があります。

印旛沼サイクリングロードの脇に印旛沼の土手も、先般の地震により地割れが発生しており、所々ビニールシートで覆われていました。



実はチューリップ畑のある場所は、昔は広大な「田んぼ」でした。
印旛沼周囲の田は、増水時の印旛沼の水面よりも低い場所にあった為、3年に1度は水浸しになっていました。

周囲の農家は、田に周辺開発の建築残土を盛り、排水溝と排水機を設置しました。この際、小規模であった田んぼを集約して、一枚田としては日本一の広さを誇る田んぼに造成し直しました。大型コンバインなどを導入して、大規模農業を営んでいました。

しかし、現在この場所に稲は植えられていません。減反の対象となった田んぼには牧草などが植えられ、一部がチューリップ畑と風車のある広場として整備されています。

「食料自給率40%以下」の実体は、実は国民の米離れであったりする事、目の当たりにする事が出来る場所です。

昨年は春先の長雨で、かつて田んぼだったチューリップ畑は水浸し、今年はその影響かチューリップが小柄で、花も小さめです。

風車の回りのチューリップは毎年新しい球根を植えるようで、今年も見事な花を咲かせています。

周辺には屋台や地元商店会の売店も出て、プチ観光気分が味わえます。

近くにある、国立歴史民族博物館は規模も大きく、展示内容も素晴らしいので、少し早めに家を出て、こちらまで足を運ばれると充実した休日になるでしょう。

レベル7まで行ったら戻れない・・・3..11前には戻れない

2011-04-17 09:41:00 | 福島原発事故
 



■ レベル7まで行ったら戻れない ■

「レベル7まで行ったら戻れない」そういう書き出しで始まるのが、「宮部みゆき」の「レベル7(セブン)」。

もう随分前に読んだので内容は良く覚えていません。確か記憶を失った男女の腕に「level7」と刻印されていて、その謎を辿ると・・・。そんなミステリーだったと思います。

最近は「宮部みゆき」を読んでいないので、旧作での判断になりますが、読み応えが一番あるのは「火車」。個人的に好きなのは「蒲生邸殺人事件」。子供が読んで楽しいのは「ステップ・ファーザー・ステップス」といった感じですかね。(古くてスミマセン)

■ レベル7の「理由」 ■

政府は先日、福島第一原発事故を「レベル7」に認定しました。
日本はもう、「戻れない」のでしょうか?

「原子力安全・保安院によると、福島第1原発事故による放射性物質の放出量はチェルノブイリ原発事故の1割とみられる。大気中への放出量について原子力安全・保安院は37万テラベクレル、原子力安全委員会は63万テラベクレルと推定。レベル7の基準である数万テラベクレルを大きく上回る」

レベル7の評価に使われたのはIAEAの国際原子力事象評価尺度(INES :International Nuclear and radiological Event Scale)で、放出放射線量だけでなく、事故の状況によってレベル認定を行う尺度です。

「レベル7はおかしい、レベル6程度だろう。」とか、「いきなりのレベル7引き上げは、不可避の重大事故に見せかけて、住民避難等に理由にする為」などの報道がされていますが、INESの基準の数万テラベクレルを越える37~63万テラベクレルの放射性物質の漏出があったのですから、「レベル7」は妥当な判断です。

■ チェルノブイリは別格? ■

放出量520万テラベクレルのチェルノブイリに比較すれば、1/10程度だと言う方も多いようですが、私は大前研一氏が事故直後からの主張していた次の内容が正しいと思います。

① スリーマイルはほとんど放射性物質の漏出は無い(ベントでちょっと出ただけ)
② スリーマイルがレベル5なら、福島はレベル7が適当。
③ チェルノブイリは別格だからレベル8かレベル9に格上げ。

これなら、ロシア人のプライドも満足するでしょう。
福島原発は3基の原子炉と、1基の格納プールが制御不能に陥り、さらには原発が6基もあり、そして使用済み核燃料の量たるやチェルノブイリなぞ比較になりません。

レベル7で留まっている現在はむしろ上出来で、事故後1週間の対策を誤れば、レベル8や9に格上げされたのチェルノブイリでは無く、「Fukushima daichi」の方であったであろう事を日本人は認識すべきです。

幸いにして、放射性物質はほとんど風に乗って太平洋上に飛散してしまいましたから、放射線汚染は比較的小規模に留まっていますが、これが柏崎だったらと考えるとゾっとします。

■ たちの悪い事故 ■

これまで皆さんをあまり脅かしてもいけないと思い、書きませんでしたが、福島第一原発の事故は長期化が必至の事故になりそうです。

① 配管系か圧力容器の損傷で、再循環系は修理が必要
② 1号機のみならず3号機も未だに温度上昇の兆候が見られる。
③ 温度上昇と臨界部室の検出により、局所的再臨界を繰り返している可能性が高い
④ 再臨界を起こしている間は原子炉建屋内には入れない
⑤ 制御棒も崩壊しているので、局所的再臨界を止める手立てが無い
⑥ 局所的再臨界では核燃料はいつまでも燃え尽きる事が無い為、事態は長期化する
⑦ 再臨界を繰り返す内は(何十年かも知れません)、注水を継続しなければいけない
⑧ 破損した容器、もしくは配管からの漏水を防ぐ事が出来ない

最悪のシナリオが、爆発的再臨界なのか、それとも、局所的再臨界と漏水の永続化なのかは、判断の難しいところです。

■ 継続する危機 ■

先日の余震での停電ではありませんが、福島第一原発は、いつ制御不能になるか予測が付きません。

現状は局所的再臨界に留まっていますが、一度大規模な臨界が発生すれば、原発を放棄せざるを得ないかもしれません。6基の原子炉と大量の使用済み燃料のリスクは少しも減ってはいません。

原発が安定したとお思いの方も多いかと思われますが、98%程度最悪の状態だったものが、90%程度の最悪になっただけと認識した方が良いでしょう。

今後、幸運がかさなれば、これが80%になり、70%になって行くのでしょう。

■ 放射線とも長い付き合いに ■

福島第一原発がかなり長期に渡って放射線を出し続ける限り、私達や周辺住民も放射線とは長いお付き合いになるでしょう。

ですから、現状の放射線の基準を使用している限り、住民達はずっと地元に帰れません。
私達が今必要とするのは、放射線の影響の検証です。

① 低線量率放射線(外部被曝)の人体はの影響の確認
② 内部被曝の影響の確認
③ 内部被曝の予防処置の確立

これらの前向きな研究を行わない限り、原発周辺住民は、菅首相が口にした通り、帰る目処すら立たないのです。

■ 「放射線は恐ろしい」という暗示 ■

私はある理由によって、放射線が「世紀の極悪人」に仕立てられたと考えています。

核兵器の抑止力を高める為
① 核兵器による力の均衡には、核兵器が使用不能の兵器である必要がある
② 放射能の恐怖を植えつける事で、核兵器は破壊力以上に強力な兵器となった

核利権を一部の勢力が独占する為
① 放射性物質が「超危険」であれば、多くの者は原子力に参入しない
② 「超危険」を回避する為に、安全予算が湯水の如く投入される

テロ防止の観点
① 原子爆弾の原料にテロリストやテロ国家が容易にアクセス出来ないようにする
② 管理の厳格化をどの国にも徹底する事で、核爆弾の原料物質の拡散を防ぐ
③ 反核兵器運動こそが、核の不拡散を実現し、現保有国の利益を守る

反原発の作り上げた恐怖の幻想
① 上記の放射線は恐ろしいというプロパガンダの効果
② 反原発運動内でのポジティブ・フィードバックで放射線の恐怖が拡大する

いろいろ反論はおありかと思いますが、WHOが展開した「ダイオキシン」騒動や「新型インフルエンザ」騒動と同じ臭いを感じずにはいられません。

高線量率放射線の被曝(原爆や、原子力産業内での事故)で、放射線は重大な影響を身体にう与える事は確かです。

しかし、低線量率放射線での明らかな影響は立証されていません。

内部被曝に関しては、子供の甲状腺ガンは明らかに増加しますが、これは適切なヨウ素の摂取によって防止できる事はポーランドが実証しています。


■ 私は反原発デスヨ!! ■

皆さん勘違いされているようですが、私は「原発はあってはならないもの」だと以前より考えています。

それ故に、クリーンエネルギーなどという欺瞞で原発建設を推進する「温暖化理論」を避難し続けてきました。



一度事故を起こせば、それが何百万分の1の確率であろうと、事故は事故です。何百万分の1はゼロではありません。

それが、今やって来ようが、明日やって来ようが、何百万分の1には変わりありません。

まして、地震国の日本の活断層の上に、いくつもの原発が建っているのです。


しかし、原発を止める為には相当な覚悟が要ります。

私はもう10年近く、エアコンは使用していません(捨てました)。
自動車の免許も持っていませんでした。(アメリカの研修で必要になり33歳で取りました)

1980年代の生活水準、産業水準にならなければ、原発は止められない事を覚悟して下さい。

ただし、少子化の影響でエネルギー使用量自体が減少していきますし、電力を大量に消費する製造業が海外流出する事は確実ですので、原発を止められる未来は想像し易い状況です。

原発を止める為には、日本の産業構造の変換や、地方財政の問題など多くの課題があります。しかし、今後予想される新たな金融危機で、世界は第二次大戦後の様な大変換期を迎えます。旧来の価値観が崩壊していく中で、私達は原発の無い、新しい未来を選択する事も可能です。



■ それでも原発は必要悪と言う人は、これを見て下さい ■

昨日の記事に、「みや」さんが送って下さったyoutube画像を紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=gNWVljrvl3o&feature=player_embedded

GEのエンジニアとして、福島や御前崎(浜岡)の原発建設に携わっていた、菊池氏の映像です。この話を聞いて、恐怖しない人がいれば、それは感覚が麻痺しています。

ちなみに私の母方の親戚は、浜岡原発の30Km圏内に一族全員住んでいます。
従兄弟の一人は、原発作業員です。

原発が地元を支えている事は、小学生の頃から教わっていました。

夏休みに叔父の運転で御前崎に行く時は、必ず浜岡原発を見に行きました。

夏の真っ青な空を背景に、真っ白な固まりがそそり立つ姿は、当時の私には科学の進歩の象徴に様に見えました。

今の私には、未来の日本の墓標の様に見えます。

ちなみに浜岡原発の外観と、断層との位置関係を見つけましたので貼っておきます。