■ ワシントンで大反響を起こした電力中央研究所の研究 ■
服部氏は単身、アメリカに渡り、講演を行いました。
質疑応答は、全て賛辞の言葉でした。
「今日は感動した」
「こんな、面白い話は知らなかった」
「全部DNAが刺激を受けたんだ。
一番安い放射線のX線で居眠りDNAが目覚めたんだ。
その証拠をこの様に見事に、
膜の透過性であれ、ホルモンであれ、
こんなに面白い話にしてくれたのは、日本にお礼を言う」
最後に身長2mの巨大な女性が出てきました。
「2枚目のスライドをこちらに、
7枚目のスライドをこちらに・・・」
「自分はNISの研究企画の統括部長をしている。
NISはこんな研究をしていない。
服部は医学の専門家では無い。説明から分かった。
我々は世界トップの医学者である事を自任している。
NIHはこの研究をしていない。
こんなアメリカに誰がしたんだ!」
彼女は大演説を繰り広げたのでした。
会場の後方では立ち上がって
「プレスを呼べ!!」
と大騒ぎになりました。
座長は服部氏に言います。
「ワシントン・ポストなら呼べば3分で来るが、どうするか?」
服部氏は即座に答えます
「ノー!ネバー!!」
日本を出る際に服部氏は研究者集団から警告されていました。
「派手な行動は慎んで下さい。
研究が出来なくなります。」
■ マイロン・ポリコムが研究を主導する ■
翌年、1993年服部は再びアメリカに呼ばれます。
今度は、カリフォルニア大学、バークレイ校の招聘でした。
その夜、服部氏の宿泊するホテルでマイロン・ポリコムが講演をしました。
彼はゲノム(DNA研究)の世界第一人者で、
カリフォルニア大学医学部の宝でした。
その夜のマイロン・ポリコムの講演は、
服部氏の話しを元にして、DNAの世界がいかに凄いかという話しでした。
寝ているDNAを放射線が起こして、如何に仕事をさせるかという話しでした。
講演の最後に彼をこう語ります。
「最後に重大なご報告をする。
私は今晩を持ってカリフォルニア大学を退職する。
そして妻を連れてワシントンで移住して
日本の話しを元にして、ある研究を行う。
そしてアメリカの政府に、ある提言をする。
そして、政府の居眠りを変えねばならない。」
会場は騒然とします。
1996年、マイロン・ポリコムは、
放射線分子生物学で世界一の権威である、
ベルリン大学、ユーリヒ研究所の所長ルードビッヒ・ファイネン・デーゲンを
ワシントンに呼び寄せます。
二人はワシントンで論文作りを初めます。
彼らの論文は、1996年の末に発表されました。
この論文の発表に際し、再び服部氏はアメリカに講演に呼ばれます。
講演後のレセプションパーティーで事件が起こります。
テキサスから来たという大男が服部氏に迫ります。
「お前はこの2年間何をしていたんだ。
お前の発表した膜の透過性の向上は、
あらゆる薬でも不可能な事なんだ。
こんな聞き捨てならない事を2年前に発表した。
それなのに、お前は今日、2年前と同じスライドを使った。
オレはテキサスから車を飛ばして来たんだ。
金返せ。俺は実験費を無駄にした・・」
大変な剣幕でした。
■ ラデーション・サイエーション・アンド・ヘルス(NPO) ■
その翌朝、彼らはテッド・・ロックウェルの邸宅に集まります。
ロックウェルは世界発の原子力潜水艦開発に携わった原子力の重鎮でした。
ポリコムをトップに、ファイネン・デーゲンをサブしして、
ラデーション・サイエーション・ヘルスというNPOが設立されます。
目的は日本の研究をフォローする事でした。
その中で癌抑制遺伝子p53が放射線によって活性化する事が注目されます。
p53遺伝子が作る酵素P53は癌細胞を見つけると、
癌細胞をアポトーシス(細胞の自殺)を促す効果を発揮します。
ポリコム達は、服部氏達お研究のこの点に注目したのでした。
放射線は癌を発生させるどころか、癌を治す効果があったのです。
■ ICRPの基準値は、重大な欠点を持つ80年前の研究を下敷きにしていた ■
ICRPは1(mSv/年)の放射線でも癌になる恐れがるとしていまいた。
ところが、この基準の元になった研究の問題点が指摘されていあます。
気付いたのは、カリフォルニア大学、バークレー校の医学部でした。
今から20年前の事です。
50年前にICRPが基準値を策定する際に参照した実験は
80年前にテキサスでマーラー博士が行った実験でした。
マラーはショウジョウバエに放射線を当て、
2代目、3代目に発現する奇形を調べました。
ところが、オスのショウジョウバエの精子のDNAは
DNAの修複機能を持たない特異な細胞だったのです。
■ マイロン - デーゲンの大論文 ■
ポリコムとデーゲンは大論文が1996年に発表されます。
私達の体内では活性酸素によって自然放射線の1000万倍の
DNA損傷が発生している事を、ポリコムとデーゲンは突き止めます。
活性酸素は消化など、様々な生命活動によって発生します。
生きているという事は、DNAの修複と言っても過言ではありません。
彼らの試算によれば、一個の細胞はDNAは一日に百万回せん断され、
DNAの自己修復能力を、ほぼ確実にそれを修複するというものでした。
DNAは二重螺旋構造によってバックアップされていますが、
そのバックアップ共々せん断されるDNA破壊であっても
DNAはほぼ正確に修複を行う事が明らかになってゆきます。
■ 1997年、セリビア会議で糾弾されたICRP ■
ポリコム - デーゲンの論文を無視出来なかったWHOは
1997年にセリビアで学術会議を主催します。
その席上、ICRPはこう繰り返しまいた。
「我らは正しい、我らは正しい、
広島長崎、広島長崎、
もの凄い被害を受けた、
大変だった、大変だった」
ところが会場からは反論が続出します。
「1秒間に10億Svを浴び、
DNAが修複しようが無い原爆を状態をベースに
低レベルの放射線がどうのこうのと・・・
それを延長して・・・
そんなの学問では無い。」
彼らDNA修複の専門家達は壇上に掛け上がり、
ICRPを激しく糾弾しました。
■ DNAの放射線の閾値が判明して来た ■
翌年1998年からは様々な研究がスタートします。
人の胎盤や、早産の胎児の細胞に様々な線量率の放射線を
照射する事件が行われました。
実験を主導したのは、フランス科学アカデミーのモリス・チュビアーナでした。
彼を全EUの細胞学者に呼びかけて、研究を進めました。
その結果、細胞のDNA修複に限界が無い事が分かって来ました。
■2001年 ダブリン宣言で明かされたDNAの修復力 ■
2001年6月に、アイルランドのダブリンに専門家が集まります。
[細胞の(放射線に対する)DNA修複は限りなくやる。
恐るべき活力を見た。
しかし、そろそろ何か限界を知らなければならないから、
10(mSv/時)の連続照射でもパーフェクトにDNAは修複される。
今日の所は、このぐらいを限界としておこう。」
モリス・チュビアーナは2007年にマリー・キューリ-賞が贈られました。
10(mSv/時)は、自然放射線の10万倍です。
服部氏はダブリン宣言を聞いてしまった限りは、
チェルノブイリで甲状腺癌が多発した理由を理解出来なと語ります。
「原子炉の破片を拾って食べた訳ではないでしょうに・・・」
■ 精子を作る精原細胞に放射線を当ててみた ■
フランスの研究に刺激を受けたアメリカの研究者ビレンチクとクルッソンが
精子を作る精原細胞に放射線を照射する実験を行います。
若い細胞程、放射線に弱いので精原細胞が選ばれたのです。
その結果、突然変異を最大に抑え込む放射線率が、
自然放射線の10万倍から300万倍の領域である事が判明します。
突然変異は、放射線照射によって減少を初め、
自然放射線の10万から300万倍までその減少が続くU時カーブを描いたのです。
DNAの修復能力の最大値は、こんなにも高い領域にあったのです。
■ 抗癌剤破れたり ■
抗癌剤によって死滅しなかった癌細胞は、
DNAがさらに活性化する為に、
どんな攻撃にも耐えうる癌細胞に変化します。
ところが、フィラデルフィアの研究グループは
放射線を1000(mSv/時)照射すると、
癌細胞の細胞分裂を阻害する事を発見します。
「抗癌剤破れたり」というのは、ポリコムの口癖でもありました。
■ 2009年のラジオロジー論文でICRPを痛烈に批判 ■
2009年にポリコムとチュビアーナは連名で
ラジオロジーという学会誌に論文を発表します。
「閾値無しの直線仮説(LNT仮説)で判断しているICRPはあらゆる放射線生物学、
そして実験データに全く合わない」
その論文の中で彼らは次の様な事がらを明らかにしています。
私達が生活する環境の活性酸素の働きは、
200(mSv/日)の中で生活する事に等しい。
マラソンの選手のレース中に発生する活性酸素は、
600(mSv/日)に匹敵する。
それでも人間は癌にはならないのです。
この論文はロシア人と中国人との連名になっていました。
ロシアと中国はICRPに加入していないのです。
(これらの国々はICRPの制約を受けずに研究を行う事が出来、
ICRPの基準の推奨する過剰な基準を守らずに、
原発を建設する事も可能です。)
■ 何故、ショウジョウバエの精子の細胞が使用されたのか? ■
最後に司会の女性から質問があります。
「何故、ICRPはショウジョウバエの研究を採用したのでしょう」
服部氏はこう答えます。
「ショウジョウバエの精子の細胞はDNAの修複機能がありません。
これは神様のいたずら、こんな細胞はめったに無い。
どうしてマーラーがショウジョウバエの精子の細胞を使ったのか?
彼がそれを知っていたのか、それとも偶然なのか・・・
その理由は分かりません。」
<書き起こし 終了>
以上、服部氏の右側に座るカナダ人ジャーナリストを消去してお送りしました。
(ちょっと彼はエキセントリック過ぎるので)
さて、皆さんは服部氏の話しをどう受け止められるでしょうか?
科学者は無邪気な一面を持っています。
自分の専門分野に偏った判断をしがちです。
彼らの研究が、現実の人体と放射線の関係に
全てそのままフィットするとは限りません。
現実的にはチェルノブイリでの子供の甲状腺癌の多発は、
彼らの理論では発生しない事になります。
ですから、この映像を見て、
「放射線は健康に良い」と言うのはオーバーな言い回しかもしれません。
しかし、少なくとも、私達の体は1(mSv/年)や20(mSv/年)の被曝では
全く影響を受けないという予測は付きます。
そしてLNT仮説が科学とは言えない事も理解出来るのでは無いでしょうか。
デタラメな「LNT仮説」こそが、福島の人達を不幸にしている現実を、
少しでも多くの方に知って頂きたいと思います。
職場のお昼時に、主婦の井戸端会議で、
女子会の席で、是非、ネタにしてみて下さい。
・・・きっと白い目で見られてしまうでしょう・・・。
私は半年前まで、「放射能は健康にいい」という学者達を頭オカシイと思っていました。自分なりに放射能の恐ろしさを調べていき、福島県に住む友人には、早く避難しろと強く助言するほどに。
しかし、人力さんのブログなどで「LNT仮説」のことを知り、今回のことなど様々ものを読んでいくと、様々な認識に対して疑問が増していきます。
私の周囲にも、過剰に心配しすぎてストレスを溜め込んでいる人が大勢います。
食品メーカーに問い合わせて納得できるものしか食べない。いまだに風向きを気にして外出を控える。高額のガイガーカウンターを買った者。柏市居住から家族だけを九州に引っ越させて、父だけ単身東京で仕事してる友人もいます。
しかし今の私は恐れる必要なし派になってきました。
心配しすぎている友人らに、これらの話を聞かせますが、ほとんど聞き入れてもらえず。むしろ、子供を大事に考えているのに、なんて酷い無責任なことを言うんだという反応をされます。
まさに白い目で見られまくりです。
私としては、1歳・3歳の子供に父の居ない生活させていることが可哀想でなりませんが、素人の私が安全を強くアピールすることなどできるはずもなく。記事や本を紹介するものの、読んでも貰えず。過剰に恐れる友人らは、このままではストレスによる健康被害が生じてしまいそうです。
早く、武田邦彦氏にはTVでひっくり返してもらいたいものです。数年前に、ほんまでっかTVで「ダイオキシンの毒性なんて、まったく気にする必要なし」と言い切っていたことを、思い出します。
「LNT仮説」に疑いを持つならば、「健康に良い」ともでは言わなくても、「現状の柏レベルは何ら問題は無いのではないか?」と思えて来るはずです。
現在の日本人は放射線を「穢れ」や「災い」の様な捉え方をしているので、科学的な説明が通用しないのかも知れません。
それこそ、神社で「放射線除け」のお守りを売り出したら、バカ売れしてしまうかもしれません。
チェルノブイリの健康被害の原因も、避難生活のストレスや失業によるアルコール依存の影響の方が、放射線よりも重大であった可能性が指摘されています。
もし「LNT仮説」が、ある意図を持って「過剰な安全性」を採用したのであれば、チェルノブイリも、福島も被害の原因は、放射線では無く、「人災」という事にもなりかねません。
武田先生は以前ブログで、「福島事故は、放射線の基準が変更される過程で起きた、不幸な事故である」と書かれていた様に記憶しています。
武田先生は当然、様々な事をご存じなので、原子力村の手先で無ければ、きっと「華麗なちゃぶ台返し」が見られると期待しています。
慶応大病院の放射線科の近藤誠医師によると、
癌には、人を死に至らしめる本物の癌と、生死に関わらない『癌もどき』があるそうです。
癌細胞が人の身体に出来ても、免疫系の働きで大半は排除される。
転移しない性質の癌、ゆっくりしたスピードでしか増殖しないのろのろ癌などは、下手に治療しないで様子を見た方が良いそうです。
チェルノブイリなどの原発事故で、人々が被曝の健康被害を恐れ、癌検診を受けるようになり、治療の必要の無い癌が多数見つかった。
そして、必要の無い手術や抗がん剤の投与で健康被害を受け、結果として癌による死が増えた。
そういうことは考えられないでしょうか?
また、チェルノブイリ事故での子どもの甲状腺癌の多発は、現地では海草を食べる習慣がなく体内にヨウ素が不足していたこと。
加えて、放射性ヨウ素を多量に含んだ(藁を食べた乳牛からとれた)牛乳を、習慣的に飲んでいたからだという説があるようです。
一方でチェルノブイリでの癌の多発があり、一方では放射線による免疫機能向上という研究がある。
一見、矛盾している様ですが、多分、何かが原因で矛盾しないのでしょう。
その「何か」の一つとそては、医療制度の整っていなかった地域に、最先端の検査機器を携えた医師達が大挙して訪れ、本来発見される事の無かった癌やその他の疾病や奇形を、発見してしまったというのは、単純な様ですが、実際に起こりうる事だと思います。
甲状腺癌は、日本では発見されても、進行の遅いものに関しては切除せずに経過を見る様ですが、韓国ではほとんど切除する様です。韓国では超音波診断装置の性能向上によって甲状腺癌の発見率が数年で2倍以上になり、よって甲状腺を切除される人も増えてしまいました。韓国政府はこの事に関して医療機関に警告を発しています。
チェルノブイリで実際に発生さた被害の、湧泉堂も書かれている様に子供の甲状腺癌の多発があります。服部氏が映像の中でおっしゃっている様に、細胞レベルの放射線によるDNA破壊と修複だけを見ていると、この現象は理解出来ない様です。
確かに甲状腺癌は放射性ヨウ素131のβ線による内部被曝によって発生しますが、「放射線は健康に良い」と言っている方達が提示するデータでは、内部被曝という事を考慮しても、チェルノブイリの子供の甲状腺癌の多発は説明出来ない様です。
更に、事故当時こ子供だった現在の妊婦に、癌が発生するという現象もある様です。
妊婦は胎児を保護する為に免疫グロブリンが低下します。新型インフルエンザの死者に妊婦が多い原因の一つと考えられています。
癌を免疫疾患と捉えるならば、チェルノブイリの妊婦は被曝で癌の原因となるDNAの損傷を受けたが、普段は免疫によって癌が発現せず、妊娠による免疫系の変化で癌が発生したとも考えられます。
いずれにしても、試験管の中と、人体では、若干異なった事が発生する様です。