■ 凄い台風でしたね ■
強い勢力を保ったまま関東地方に上陸した台風15号。各地で様々な被害をもたらし、首都圏の交通も大混乱。
私は、日曜日の昼間から、ベランダのゴーヤを泣く泣く片付け(強風で支柱ごとネットが飛ばされる可能性があるので)、バジルを刈り込んで(塩害で葉が痛む可能性が有る)ジェノバソースを大量に作って台風を待ちましたが、待てども待てども、それらしい気配は無い。一杯飲んで寝て待つ事数時間、午前2時頃に強烈な風の音で目覚めました。
北風だったので、ベランダの植物に大きな被害は有りませんでしたが、家の前のアパートの改修工事用の足場が、今にも崩れるのでは無いかという勢いで揺れていました。
いつもは、家の外に出て、台風の威力を「体感」しながら、台風を心の中で「エアレポート」して楽しむもですが、今回だけは、飛来物が怖くて外に出る気にもなれませんでした。
■ 台風の片づけをしない日本人 ■
翌朝の9時頃には、風も止み晴天が広がりました。
マンションの廊下やロビーやエントランスは、木の葉や濡れた段ボールが貼り付いて、酷いありさまでした。管理人さん一人で片づけて頂くのは酷なので、一緒に片付けました。・・・ところが、60住戸ある住人が一人も片付けに出て来ない。・・・自分の玄関前さえ片付け無い。
お仕事の方は仕方ないとして、「専業主婦」って何やってるのでしょう???
午後に仕事で都内に出て再び驚愕しました。商店街の歩道が街路所の葉でびっしり埋まっているのに、商店主も、大型店の店員も、誰も歩道を片付ける人が居ません。
・・・・日本人って、こんな国民だったでしょうか・・・。
■ 田舎では出来ていた事が、都会に出て来ると出来なくなる ■
私は自転車で千葉県の田舎に毎週の様に遊びに行きますが、街が汚れている所は有りません。シャッター商店街でも、街にゴミ一つ落ちていません。
田舎道で小学生や中学生とすれ違えば、かならず彼らは向こうから「こんにちは」と元気に挨拶してくれます。駅のホームですれ違う中学生男子ですら、挨拶してくれます。
田舎では「大人に会ったら挨拶する」「家の前にゴミが落ちていたら片付ける」というのは当然事で、それが出来ないと生きていけない。
ところが、田舎から都会に出て来た途端、近所の人に挨拶もしない、家の前にゴミが落ちていても拾わない人に成ってしまいます。
■ リアル社会の匿名化と規範の消失 ■
田舎では近所の目が有りますが、都会の住人は「匿名の誰か」です。これは、田舎の閉塞的な社会に辟易していた人には好ましい環境ですが・・・人は「匿名の誰か」に成った途端に「社会性」と「規範」を喪失します。
「匿名性」はネット社会の重要な要素ですが・・・だんだん実社会がそれに侵食されて来ている。
N党などに投票する人達が少なからず存在する昨今、「匿名性」が社会を内側から崩壊させていくのでは無いかという恐怖を感じる、台風一過の一日でした。
ネット時代は「監視社会」などと言われていますが、「リアル社会の匿名化」は、それよりも怖い事なのかも知れません。
<追記>
私は某テーマパークに仕事で行く事が在りますが、ゲストの前では満面の笑みを振りまくアルバイト達は、社員用ゲートの守衛の前をを無言で通り過ぎて行きます。挨拶をするのは正社員や外人ばかり・・・。
そんなアルバイト達も、敷地内を巡行するバスに乗る時には「お願いします」、降りる時には「ありがとうございます」と運転手に挨拶します。何故なら「決まり事」だから・・・。
「匿名性」の行きつく先は、「考える事の欠如」や「自発性の喪失」なのかも知れません。その方が社会は「管理」し易い。