■ シリア、北朝鮮情勢の緊迫化で円高? ■
シリアや北朝鮮で緊張が高まり「円高」になっています。
ニュースなどで「安全通貨として円が買われ、円高が進行しています」などと報道されますが、これは真っ赤な嘘というか、結果をはき違えているだけ。
現在日銀は異次元緩和を継続しており、為替市場では円はキャリートレードの調達通貨となっています。
1) 低金利の円を借りる
2) 為替市場で円を売ってドルに換える(円安圧力)
3) ドルで投資して設ける
これが「円キャリートレード」ですが、日米の金利差が拡大するとこの取引が活発化し、円安傾向が強まります。
ところが「危機」が意識されると、投資家達はポジションを手じまいするので、エンキャリートレードの円売りに便乗していた取引も縮小します。
1) エンキャリートレードによる円売りに便乗したポジションを組む
2) 逆張りのミセス・ワタナベを食い物にする
3) 危機が発生が予想され、一旦円売りのポジションを手じまいする
4) 円買い優勢になり円高に振れる
「有事のドル買い」と言われたのは昔の話で、最近は311の地震の後ですら円高になっています。これはキャリートレードの巻き戻しと、さらには外国人投資家が日本株を売り逃げる為の円高に振った影響も見逃せません。
■ 「日本経済は最強だから危機で円が買われる」と妄想するネトウヨ ■
結果的には「危機で円が買われる」事に間違いは無いのですが、そのメカニズムは「安全」とは正反対の「危機回避」
ところがネトウヨを始め、結構著名な金融評論家ですら「日本経済は底堅いから有事に際して円が買われる。」などと発言します。評論家の場合は知っていて「ポジショントーク」をしているだけの可能性も高いのですが・・・。
■ 喰いものにされるミセスワタナベ ■
以前は為替の極端な変動が起きると、逆張りのミセスワタナベが殲滅状態になったりしました。彼らはレバレッジを大きく掛けてヘッジ取引だけをしている様な物なので、読みが外れれば一たまりもありません。
しかし、最近は経験から学んだのか、極端なポジションを取らなくなった様です。今回の円高進行で慌てている方は少ないのでは?
■ 「イエレン続投」という新な手札 ■
トランプ大統領の登場以来、「トランプの求めるドル安」というバイアスが掛かる一方で、アメリカの景気拡大を背景にした「金利上昇を見越したドル高」というバイアスも掛かっています。
結果として極端なドル高にもドル安にもなり難い状況が続いていましたが、今回は「イエレン続投によって金利上昇は緩やかになるのでは無いか?」という「噂」と、シリア・北朝鮮危機による「円高」が重なり、円高が進行しています。
シリアと北朝鮮に関しては神?のみぞ知る・・・ですが、イエレンFRB議長の任期延長も、トランプの為替政策の手札として、しばらくは有効でしょう。
■ プロでも負ける為替 ■
まあ、勝手な予測や、後出し的な解説などは幾らでも出来るのですが、予測が難しくプロでも負ける時は負けるのが為替の世界。
だって、その反対側で、為替を利用してボロモウケしている方々がいらっしゃるのですから・・・。政府や中央銀行の政策変更や、戦争の開始など、素人が知り得ない情報にアクセス出来る方々が勝つに決まっているじゃないですか。
だから・・・・FXなんかに手を染めてはイケナイ・・・。

