■ 中国発の世界経済危機は起きるのか? ■
「次の世界的な金融危機の引き金は中国のバブル崩壊」というのが多くの人の見解でしょう。しかし、何故だか人民元がSDRの構成通貨に導入されそうだとか・・中国経済の拡大を予測するかの様に動きが金融資本家達の中に起こっています。
中国の問題点は「共産党独裁」と思われていますが、経済が危機的状況に陥った時に「政策決定の速度が最大化され、制約の無い」一党独裁は、危機の克服に極めて有効な政治形態です。
バブルの処理には「徳政令」が特効薬です。積み上げた「架空の利益」を諦める事で、積み上がった「負債」を解消する事ができます。「徳政令」は歴史的には何度も実行されて来ましたし、「債権放棄」も部分的な徳政令と見る事が出来ます。
■ 利上げで破綻が確実なジャンク債市場 ■
FRBの利上げの影響を最も強く受けるのがジャンク債市場です。特にシェールガスを始めとするエネルギー企業のジャンク債は、既に流動性が失われています。
金融緩和による低金利の恩恵を一番受けたのがジャンク債市場ですが、リスクを無視した低金利状態が続いたので、歪が一番溜まっています。
次なるブラックスワンとしてはジャンク債市場は最有力候補ですが・・・既に足まで見えていう危機はブラックスワンとは呼べません・・・。
■ ギリシャ問題は、ドイチェバンクの問題になりつつある ■
次なるリーマンブラザーズ候補の筆頭はドイチェバンクでしょう。ドイチェバンクはギリシャ国債関連のデリバティブを大量に抱えており、ギリシャ危機に連動して格付けが下げられています。
ドイツがギリシャをユーロから切り離せない最大の原因がドイチェバンクとも言われ、ギリシャがデフォルトすればドイチェバンクが破綻して、欧州の金融市場が一気にパニックになる恐れが有ります。
しかし、ドイチェバンクの危機も胴体まで水の上に出ていますから、ブラックスワンとしては物足りない・・。
■ 中東情勢や南沙諸島問題 ■
パリのテロで緊迫感を増したシリア情勢ですが、フランスは間髪入れずにシリア国内のISISの首都を空爆し、ISISの本部を破壊したと報道されています。
「本部や主要施設の場所が特定されていながらも、今まで空爆されていないのは何故」と考えれば、実はシリア情勢はロシアも含めた壮大なヤラセという事に気付く訳ですが、では何故そんな事をしているのかと問われれば答えに窮します。
ただ、理由の無い事は存在しないので、多分シリア情勢は今後の中東の歴史の転換点になるような事態に発展する可能性は高いと思われます。
同様に南沙諸島問題も、アジアの安全保障の枠組みを変革する重要な対立点に発展するはずです。
では、これらがブラックスワンかと言えば・・・・既に足の先まで丸見えでブラックスワンとは言い難い・・・。
■ 実はボロボロといたる所から崩壊が始まるのが次なるブラックスワンでは? ■
私は次なるブラックスワンの正体は「リスクを無視した低金利」だと考えています。これは広く浅く、全世界にあまねく分布しています。
仮にFRBの利上げが切っ掛けとして資金循環の反転が発生した場合、この「拡散したリスク」が一気に顕在化します。
理由も切っ掛けも分からずの世界の資金が潮が引く様に消えて行く・・・
これは現物市場も、金融市場も、株式市場も、債権市場も、国債市場も同様に資金が消えて行くと予想されます。
既にその兆項は現れていますが、現在は潮目が変わるちょっと手前といった所かも知れません。上げ潮の勢いが弱くなった程度。
潮が引いている事に皆が気づいた頃に、上に挙げた「危機」が同時多発的に発動して、世界は再び混迷の中に落ちる・・・・そんな未来を妄想しています。
・・・・朝から自分の中のネガティブを吐き出したので、今日も一日頑張るぞ!!