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「ステルス・インフレ」・・・統計以上のインフレが進行している

2014-12-04 05:34:00 | 時事/金融危機
 

■ インフレ率を下振れさせる「帰属家賃」 ■

消費税増税以降、様々な商品やサービスで便乗値上げがあったと感じている方は少なくないでしょう。ファーストフードの価格などは、とても3%の上昇には収まっていません。

しかし、統計的には消費税による物価上昇は緩やかです。

このズレの原因の一つとして「帰属家賃」という統計手法が注目されています。

日銀はコアCPI(生鮮食料品価格を抜いた物価)の2%アップを異次元緩和の目標にしていますが、コアCPIの統計には「帰属家賃」という項目が含まれています。

「帰属家賃」は持ち家の人が、それと相当する賃貸住宅を借りた場合に発生する家賃の事で、実際には払っていない家賃が物価の中に含まれています。現在、日本の家賃は一部の都市部を覗くと下落傾向で、当然「帰属家賃」も下落しています。

家計の消費に占める「帰属家賃」の比率は低くは無いので、「帰属家賃」が値下がりすると、コアCPIが押し下げられます。だいたい現在で1%程度の下振れに成る様です。

■ 「価格据え置きで内容量が減る」という実質値上げ ■

ポテトチップスなどを良く買う方はご存じだと思いますが、年々内容量が減っています。「価格はそのままで、中身が減っている」のです。この他に、価格据え置きの定食の中身がショボクなっていたりもします。

この様な「見えないインフレ」が様々な所で発生しています。

■ 原油価格下落によるインフレ抑制 ■

原油価格は現在70ドルを切っています。100円台からは30%程度の下落です。円安の影響もあるので、日本が買う原油のコストダウンは30%を切るかと思いますが、それでもも値下がりが顕著です。

原油は様々な材料の原料となり、発電の燃料となり、ガソリンなどの燃料にもなります。原油価格が上がれば物価に上昇圧力が掛かりますが、現在原油価格は下降傾向です。

昨今の原油価格の下落が定着すれば問題有りませんが、これが上昇に転じると、物価に上昇圧力が掛かります。

逆に言えば、現在の原油価格の下落はインフレを抑制しています。

■ ステルスインフレが進行している ■

日銀は2%のインフレ率達成まで異次元緩和を継続すると発表していますが、実際に現在の日本はこれを達成している可能性が有ります。

ただ、それあ「帰属家賃」の影響や、「原油安」で表面に出て来ないだけなのかもれません。



消費税増税以降、私達が物価が統計以上に物価が上がったと感じる原因は、これらのステルス・インフレの効果なのかも知れません。