■ 「消費税増税」に隠れる「マイナンバー制」 ■
今国会の最重要法案は「消費税増税」ではありません。
税金と社会保障の個人情報を一つにまとめる「共通番号制度法案」
所謂、「マイナンバー法案」こそが、最重要法案です。
これは従来「国民総背番号制度」と呼ばれ、忌み嫌われた法案であり、
財務省の悲願でもありました。
■ マイナンバー制とは何か ■
アメリカ人は基本的に国民全てが9桁の「社会保障番号」を取得しています。
この番号は「個人の特定」の為に使われ、
いわば、データ上の個人そのものとも言える番号です。
社会保障から所得の把握まで、この番号を用いれば簡単に可能になります。
1) 例えば、銀行口座の管理番号に持ちいれは、個人の資金の流れが捕捉可能
2) 株や金融商品の管理番号に持ちいれば、キャピタルゲインも捕捉可能。
3) 不動産の契約番号に持ちいれば、家賃収入も捕捉可能
4) 社会保障とリンクすれば、生活保護の必要性の判断などに利用可能
5) 将来的に年金需給額を所得リンクさせる事が出来る
6) ベーシックインカムなどの制度にも流用可能
7) 結果的に行政の簡素化が実現し、裁量の範囲が狭まり公正感が増す
■ 自民党からも野党からも嫌われた「国民総背番号制度」 ■
自民党も以前からこの制度に似たシステムを何度も国会に掛けてきました。
しかし、その都度、野党の猛反対で廃案とされてきました。
野党はこの制度を「国民総背番号制」と呼んで、
「国家が個人を管理する為の番号」という理由で批判してきました。
ところが、実際に「国民総背番号制度」を実施すると、
個人事業主の所得捕捉が確実になります。
これは零細な個人商店主などが所属する「民商」を
下部組織に持つ共産党などが反対します。
さらに、「政府は国民の敵」というスタンスの野党各党には、
生理的に受け付けない制度でした。
自民党にした所で、この法案が通過すると損をする
資産家達を沢山支持者に抱えています。
ですから、従来の日本で「国民総背番号制度」はタブーとされてきました。
■ 骨抜きの「マイナンバー制度」 ■
日本は「マイナンバー制」が無かった為に
サラリーマン意外の所得の把握がいい加減でした。
これを「クロヨン」などと呼んで来ました。
サラリーマンは9割の所得を捕捉され、
個人事業主は6割、農家は4割しか捕捉されない。
ですから、「マイナンバー制」が確実の施行されれば、
税負担の公平感が確保され、税収も拡大します。
ところが民主党が提出しているマイナンバー制は穴だらけです。
1) 銀行口座をナイナンバーで管理しない
・利子の捕捉が出来ない
・キャピタルゲインの把握が出来ない
・家賃収入などの把握が出来ない
どうやら民主党案では、所得の完全捕捉に抜け穴が沢山ある様です。
■ 財務省としては、先ずは制度導入を優先? ■
財務省は今回、制度導入を優先してハードルを下げた様です。
制度さえ導入してしまえば、改正はいつでも簡単に出来ます。
ですから、「マイナンバー制」という既成事実を先ず作りたかったのでしょう。
これさえ導入すれば、将来的には所得の捕捉が可能になり、
福祉に関わる事務処理などの、行政コストも大幅に削減出来ます。
■ 「消費税増税法案」を煙幕に「ナイナンバー制」を成立 ■
世間の目は「消費税増税法案」を巡る小沢新党の動きに釘付けです。
その隙をついて、「マイナンバー制」がするりと可決されるのでしょう。
■ 小沢一郎はキラワレテなんぼのもん ■
私は財務省と小沢一郎はズブズブの関係にあると疑っています。
郵政公社社長に、斉藤次郎氏を起用するなど、
小沢氏は「政治主導」と口では言いながらも、
官僚達と持ちつ持たれつの関係にあるのでしょう。
もし財務省が今回の件を裏で糸を引いているならば、
民主・自民・公明の三党合意よりも、
小沢離党にこそが真の作戦だったのかも知れません。
小沢新党結党で、国民の目は政局に釘付けです。
その隙に、「マイナンバー制」を成立させるでしょう。
小沢一郎をヒーロー視するネットの住人の方々、
結果が全てだという視点で、小沢一郎をヨーク観察されては如何でしょうか?
尤も、私は「マイナンバー制」に大賛成です。
だって、コンピューターの時代に個人の特定が出来ないなんて、
不効率このうえない。
個人情報が丸裸にされると抵抗する人は、
影でヤマシイ事をしているか、
あるいは、SF映画の見すぎか、
自意識過剰の方です。
国家が個人情報を本気で収集しようと思えば簡単です。
しかし、国家は「普通の人」になんか興味を持ちません。
国家が興味があるのは「国民」という総体です。
そして税務署が興味があるのは、税金を逃れる「金持」です。
私などは、確定申告をした後に計算ミスを税務署の方に見つけて下さり、
税金が還付されて来たりします。
私は、この信頼感こそが大切なのだと思います。
ヤマシイ事をしていなければ、「マイナンバー制」なんて恐くも何とも無いのです。