人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ロックスピリットを取り戻せ・・・BECK

2010-09-15 19:30:00 | 映画



■ 不安な時代だからこそ・・WE NEED ROCK !! ■

民主党代表選から為替介入と、ミエミエな政治茶番劇が繰り広げられるので、ムシャクシャします。

こういう時だからこそ、WE NEED ROCK !!
ステレオのボリュームを上げて、ラウドなROCKを一発・・・って、ご近所様にご迷惑ですよね。

そこでお勧めなのがこの映画、「BECK」

■ シンプルなバンドストーリにスリルが加わり ■

「ハロルド作石」原作の「BECK」。アニメ化もされていて若い方にはファンも多いと思います。

アメリカ帰りのバンド青年の竜介が、理想のバンドを仲間と共に作り出すシンプルなストーリー。ベースの平(タイラ)、ラッパーの千葉を中心に、高校生ドラマーのサクと、ギター初心者のコユキを従えて、グレイトフル・サウンドのステージを目指します。

竜介の手にするギターは伝説のギターの「ルシール」。伝説のブルースマンが弾丸に倒れた時に手にしていた、銃痕の生々しいレスポール。NYでヤンチャだった竜介が親友のエディーと車上荒らしをして偶然手に入れた「ルシール」の持ち主は、かなりヤバイ音楽プロデューサーのレオン・サイクス。彼はインターネットで目にした竜介のルシールを追って日本にやって来ます。そして竜介を拘束し、彼の命もバンドの運命も絶望的かと思われますが、レオンは竜介を殺す事すらしません。・・・「殺す価値も無い」と切り捨てます。

さらに、夏のROCKフェステバルの出場も取り消され、竜介は失意に打ちひしがれます。しかし彼はバンドと彼の夢の為に、レオンに直談判してグレートフル・サウンドへの出場を約束させます。その時竜介がレオンと交わした約束とは・・・・。

物語のもう一人の主人公はコユキ。気弱な普通の高校生の彼は、竜介と知り合う事でギターと出会います。彼はギターに夢中になりますが、彼の技術など初心者同然。しかしコユキには素晴らしい才能が潜んでいました。・・彼の歌声は聞く者の心を鷲掴みにして魂を揺さぶります。グレートフルサウンドの当日、バンドの解散の危機に見舞われながらも一人でステージに立つコユキの歌声が奇跡を呼び起こします。

■ 今が旬な若手俳優達が生み出したBECK ■

原作もアニメのそこそこに楽しめますが、ちょっとダラダラとした所もあり、バンド物特有の「内輪のぬるま湯感」に支配されている感じもします。

しかし映画は、原作10巻を2時間程度に凝縮。無駄を捨て去る事で、スピード感を手に入れています。

さらには若手の俳優陣が素晴らしい。

「仮面ライダー電王」以来の弱気キャラを演じた佐藤健は、原作のコユキのイメージを完全のぶち壊して、つくずく煮え切らない弱気男子を演じています。これが実にそこら辺に居そうな感じで、ともするとオーバーになりがちなストーリーの適度なブレーキになっています。

水島ヒロの竜介は、原作よりも人間臭くてGOOD。好きな俳優ではなかったのですが、見直しました。

「学校では教えてくれない」で好演していた中村葵は、今回もそのホモっぽい掴みどころの無いクニャクニャな笑顔で、これまた好演。

我が家ではNHKドラマ「二人のスピカ」以来の注目株の向井理も、いつもの無気力演技とは別の一面を見せています。

そして、誰よりも素晴らしいのが桐谷健太。私は彼をサンボ・マスターの「ラブソング」のPVで見かけてから、一押ししていますが、とにかく存在自体が千葉クンそのもの。熱く、直情的で、それでいて憎めないキャラクターを見事に演じています。そして、そのラップの素晴らしい事。プロ顔負けです。

■ 全て千葉クンの存在によって許される ■

実は、私はBECKを見に行くつもりはありませんでした。実写で、この派手なキャストで原作やアニメを越える事は不可能だと思っていました。

しかし、娘も息子も家内までもが大絶賛するので、ダメモトで見に行きました。

はじめは、外したと思いました。最初の5分で劇場を出ようと思いましたが、桐谷健太の千葉クンが登場した途端、スクリーンに現実のBECKのメンバーが現れたような錯覚に陥り、後は2時間をハラハラ、ドキドキしながら一気に見てしまいました。

息子の感想の「千葉君がすごく千葉君」というのが、最も的確な表現です。全て千葉君の存在で許される映画です。

■ こんな時代だから、WE NEED ROCK ■

BECKのもう一つの楽しみは、映画館の音響で味わえるライブ。ヘビーでタイトで、それでいてROCKファンのツボにど真ん中ストライクの楽曲の数々で、ROCK好きにはたまりません。

原作など全然知らない、ヘビーなROCKなんて全然聞かない家内ですら大喜びしていまいた。

■ デトロイト・メタル・シティーがセットなら尚楽しい ■




ちなみに家内はデトロイト・メタル・シティーの大ファンです。

デトロイト・メタル・シテーとは、渋谷系のお洒落ポップで音楽デビューを志す田舎育ちの主人公が、何故かデスメタル・バンドのデトロイト・メタル・シティーのボーカルのクラウザーさんとして、カルト的な人気を得てしまうというギャグ漫画。

私があまりのバカらしい表紙で衝動買いしたデトロイト・メタル・シティーを家内と娘が一番喜んで読んでいます。もちろん映画館にも飛んで行きました。

正統派ROCKを楽しみたい方は、BECKを見に映画館へGO。
腹の底から笑って、ストレスを発散したい方は、デトロイト・メタル・シティーの下品でトホホなギャグで大笑いして下さい。

いずれにしても、私達日本人は幸せです。


頑張れ!!小沢一郎・・・・日本をぶっ壊す!!

2010-09-15 06:23:00 | 時事/金融危機





■ 大差か僅差か? ■

民主党代表選の結果は、菅首相の勝利で幕を閉じました。

菅直人首相721票
 党員・サポーター  249票
 地方議員       60票
 国会議員206×2=412票

小沢一郎前幹事長491票
 党員・サポーター   51票
 地方議員       40票
 国会議員200×2=400票

数字だけ見れば、721票 対 491票で菅氏の圧勝に見えます。多分、マスコミ報道も菅首相の圧勝と伝えるでしょう。

しかし、大差の着いた党員サポーター票の内訳は下記の通りです。
 菅氏       137,998票
 小沢氏       90,194票

党員サポーター票の得票数は「6:4」となっており、マスコミ報道とは裏腹に、小沢氏が意外に善戦しています。国会議員票は6人差と小沢氏が菅氏に肉薄しており、マスコミの「反小沢キャンペーン」が無ければ、結果が逆転いていた可能性は否定出来ません。

■ 民主党分裂の可能性 ■

国会議員票も菅氏の勝利となった理由には、投票前に党員サポーター票の結果が漏れていたという噂や、菅氏圧勝の偽情報がリークされたという噂があり、勝ち馬に乗ろうと態度を保留していた国会議員が菅氏支持に流れた可能性があります。

尤も、200人からの議員を引き連れて小沢氏が民主党を出るという選択肢は残されており、国民新党やみんなの党、自民党の一部と連立すれば、小沢政権樹立という選択肢は十分残されています。

参議院での「ねじれ」の問題も依然残っており、菅内閣は党の内外に問題を抱え、大胆な政策実行を行う事が出来ないまま、予算編成で挫折するかもしれません。

■ 政治の機能不全 ■

ネットやマスコミでは「終に小沢一郎が立ち上がった」との論調で代表選を報じていまいたが、結果から見れば、民主党の対立が激化して、菅内閣の政権運営能力を著しく損なう結果となりました。

私は小沢一郎の目的はこの日本政治の空白にあると思っています。

昨日、ドル/円相場は83円を割る勢いを見せており、菅政権が円高対策に有効な手段を持たない事を市場が見越している事が分かります。一説にはアメリカはドル安政策の一環として、80円を切るまでは日本に為替介入を許していないとも言われています。

今後、アメリカ経済の失速に伴って急速に不安定化する世界経済において、日本は後手に回る事は容易に想像出来ます。

■ 「日本をぶっ壊す」小沢一郎 ■

今回の代表選で国民の多くは小沢一郎に日本の閉塞状態の打破を期待しました。しかし、小沢一郎の掲げた政策は、大規模な財政出動による景気浮揚という「社会主義的」な政策でした。

財源については従来通り、「特別会計から埋蔵金を発掘する」というものでしたが、これは裏を返せば、官僚がアメリカにバレないように備蓄した国民資産を白日の下に晒し、公共投資によって市場にバラ蒔いた後、貯蓄として金融機関が吸い上げ、無益な米国債投資の資金として国外に流出させる政策以外の何物でもありません。

国民は小沢一郎が日本の閉塞状況を大胆の変革してくれる事を望んでいますが、小沢一郎のやろうとしている事は、日本の財政負担を無駄の増大させて、本当に日本を屋台骨からぶっ壊そうとしている様に見えます。

■ 小沢一郎の変節 ■

小沢一郎はかつては「小さな政府」を標榜し、「国民の自己責任」を説いていました。ところが民主党と合流した頃より、「大きな政府」「政府による国民の保護」と180度政策を変換しました。これをして、小沢一郎は変節したと言う人も多いようです。

労働組合を基盤とする民主党の政策に歩み寄っただけとも言えますが、小沢一郎は政局によって持論を変える政治家なのでしょうか?

■ 政治的空白を生み続ける小沢一郎 ■

小沢一郎の足跡を結果から辿ると面白い事に気付きます。

①自民党から分裂
 自民党内の経世会勢力の分断

②政権奪取・小選挙区制の導入
 結果的には小泉独裁政権の誕生を促した。
 2大政党制は、「かりそめの民主主義」として支配者に有利

③民主党の政権奪取
 小沢氏の存在が「政治と金」の問題として、政権の支持率を低下させる
 普天間問題など、緊急性が薄く解決困難な問題をクローズアップして政局混乱
 代表選に出馬して、民主党の内部分裂を決定的にする

以上、小沢氏の足跡は、日本の政治の混乱の歴史とも言えます。

■ 日本を「しゃぶり尽くす」 ■

ネットを中心に小沢氏を支持する人は、小沢一郎が日本をぶっ潰して、閉塞状態を打破してくれるという期待を寄せています。強面の風貌や、ぶっきら棒な物言いが、期待を膨らめているのかもしれません。

しかし、実際には小沢一郎の存在は、政治的混乱と空白を長期化させ、アメリカが「日本をしゃぶり尽くす」事を助長しています。

アメリカに対して果敢に立ち向かっていたのは、むしろ政権末期の自民党でした。安部氏や、福田氏、麻生氏や中川氏は、理不尽なアメリカの要求をまさに体を張って防いでいました。

■ 「頑張れ小沢一郎」 = 「しゃぶり尽くせ日本」 ■

私は現在の日本の社会制度は一度崩壊した方が良いと考えています。たとえ預金を失おうが、社会保障が不安定になろうが、激変する世界の中で日本が長期衰退に沈むよりは、破壊による再生により、新世界の中で日本が新たな役割を担う事を期待しています。

ですから、「壊し屋」としての小沢一郎を期待してしまう事も事実です。

今回も「頑張れ小沢一郎」というテーマで書き始めました。しかし、いつもの事ながら、書いているうちに、小沢一郎に対する疑念が沸々と湧き上がってしまいます。

小沢一郎の正体はいったい・・・。