■ 世界中で太陽電池パネルのメーカーが潰れ始める ■
反原発派は「再生可能エネルギーへの変換」だとか、
「これからは太陽電池の時代」などと言っています。
一方で世界を見渡せば、太陽光発電ブームは完全に終焉に向っています。
旗振り役だったドイツは財政削減によって補助金が大幅に削られ、
アメリカでもオバマ大統領は、「エコビジネスで雇用創造」などと言わなくなりました。
日本においても、太陽光発電の買取価格の値下げが発表されています。
そんな折、世界最大の太陽電池パネルメーカーである
中国の「サンテック」の転換社債がアメリカでデフォルトした様です。
■ 価格破壊の張本人が破綻 ■
サンテックは安さを武器に世界の太陽光パネルメーカーを淘汰して来ました。
アメリカの「ソリランド」、ドイツの「Qセルズ」などという企業は
政府の太陽光発電の優遇政策にも関わらず
価格の安い、中国製のパネルに市場を奪われ、倒産しました。
■ 太陽光発電バブルは、各国の補助金削減で崩壊 ■
一方、太陽光発電を巡る環境は大きく変化しています。
太陽光発電などのエコ発電は、元々採算性に乏しい発電方式です。
政府の設置補助金や、電力会社の高値買取が無ければ
全く採算の取れない発電方式です。
この様に補助金に依存している産業は、
補助金の終了や減額によって一気に崩壊します。
現在ヨーロッパ各国は財政削減に取り組んでおり、
太陽光発電の買取補助金なども削減されています。
さらには、ユーロ危機による景気悪化が、
太陽光発電への投資を抑制しています。
大規模な太陽光発電施設は、日照的に有利な南欧で開発が活発でした。
スペインでは太陽光発電の電力を25年間、高値で買い取るとして来ました。
当然、太陽光発電ブームが過熱し、多くの太陽光発電所が建設されました。
予想を超える発電量にとうとう政府は絶えられなくなります。
そして、買取量の上限を決めると同時に、
発電による売却益に6%の税金を課すことを決定しました。
これで、あえなくスペインの太陽光発電バブルは終焉します。
■ 日本でも買取価格が引き下げられる ■
311による原発停止以降、日本でも太陽光発電バブルが発生します。
仕掛け役はソフトバンクでした。
ソフトバンクは民主党が太陽光発電の買取価格を引き揚げることに呼応して、
「メガソーラ」ビジネスに参入する事を発表します。
しかし、多くの企業が参入した為に、電力会社の買取コストが増大します。
政府は太陽光パネルの価格低下を理由に
1013年の買い取り価格を40円から36円に引き下げます。(一般向け)
この決定には政権交替の影響も大きいのでしょうが、
いずれにしても、ソフトバンクを初めとする太陽光発電ビジネスは、
買取価格の引き下げによって、採算性が低下する事になり、
新規施設の建設には、大きなブレーキが掛かる事となります。
ちなみに、家庭用の太陽光発電の買取価格も4円引き下げられています。
■ シェールガスブームに沸くアメリカ ■
アメリカは現在シェールガス・バブルの真最中です。
リーマンショック直後、オバマ大統領はグリーン・ニューディール政策を打ち出し、
再生可能エネンルギーの分野の投資を促進し、
新たな雇用を作り出すとぶち上げます。
ところが、その後、アメリカではシェールガスブームが沸き起こります。
するとどうでしょう?
アメリカの天然ガスが価格は過剰供給によって暴落したのです。
新規のシェールガス田の多くは貯蔵施設を持たないので、
産出されたガスは、過剰を承知でも市場に出荷せざるを得ないのです。
当然、採算なんて合いません。
当然、ガスによる発電コストが大幅に下がる事になりました。
アメリカでは、先日、新規の原発の建設認可が却下されました。
福島原発事故の影響で、安全性に問題があると見られがちですが、
本当の理由は、過剰生産される天然ガスの消費を増やしたいのでしょう。
つい2、3年前は「再生可能エネルギー」だとか
「グリーン・ニューディール」だとか大騒ぎしていたアメリカは、
その舌の根も乾かぬうちから、CO2の大放出に大転換です。
そもそも、「二酸化炭素由来の地球温暖化仮説」事態が、
排出量取引や、エコビジネス創出の為の壮大なペテンなのですから、
儲かるとなれば、CO2の放出に躊躇する事はありません。
■ グリーンバブルの終焉 ■
「サンテック」の破綻は、グリーンバブルの終焉を象徴する出来事です。
結局、補助金に守られた産業は衰退する運命にあるのです。
それが、世の常であり、資本主義経済のお約束でもあります。
それと同時に、過剰な投資と安売りでで市場を荒らした者は、
いつかはその代償を我が身に受ける事が、今回も証明されたとも言えます。
そういえば、最近電気自動車って聞かないですね・・・。
こちらも、補助金無くしては、成り立たない・・・・。