『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

それは思いやりだろうけど。

2006年06月16日 02時49分59秒 | 日々の出来事
食事を終えて、背の君が自室に入る。
早寝早起きの彼は九時までには部屋に入って朝は四時に起きて来る。
私が寝るのが四時過ぎなので、ちょうど入れ替わり。
「おはよ~!」「おやすみ~!」を同時に元気に挨拶を交わす。
おかしなすれ違い生活パターンにもすっかり慣れてしまった(苦笑)

今日は珍しく部屋に入るとすぐに「アルツハイマーの事をしてるよ。」と再び居間にやってきた。
「アンビリバボー」だったかな?
自らが癌と言う病と闘いながら、若年性アルツハイマーに侵されてしまった奥様を支え続けている方の話で、実際の映像を交えながらの構成になっていた。

私は情けないけれど、アルツハイマーを取り上げた番組を余り観ない。
観れないのだ。
映像では表現しきれない事が見えてしまって、辛くなるって事もあるけれど、
果たして「アルツハイマー」を知らない方達にどこまで伝えられているのだろう?と思い始めてしまうと、つい愚痴っぽくなってしまうから(苦笑)

親がその病になった時より、妻や夫がなった時とではショックが違うよな・・・。
と、つい見入って無言になってしまった時に背の君がぽつりと言った。
「俺、ぽ~(彼は私の名を一文字で呼ぶ)がこうなったら、ちゃんと診るからな。」
・・・あ、あのなぁ・・・。
「七つも年上のくせして、私が先にアルちゃんになるとでも~っ?」
可愛げのない嫁は憎まれ口だけは達者である・・・←私の事だも~ん!!

けれど、考えて見ればお互いもう若くは無い。
「老後」なんて考えもしていないけれど・・・。
かぁちゃんならまだしも、私が?背の君が?
と考えると笑顔が作れなくなってしまった。

背の君、ごめん。本当は「ありがとう!んじゃぁ、よろしく!」
なんて、冗談交じりに言えれば良かったのだけれど、
目の前でかぁちゃんを見ていると、素直には言えなかった。
彼の思いやりで、真面目に言ってくれたのだろうけれど・・・。

アルツハイマーと闘っている方々からはお叱りを受けると思うけど
もし、私がそうなったら、早目にどこか施設にあずけて欲しい。
背の君や、子供達の前で、かぁちゃんのようになった私を曝したくない・・・。
と、本気で思ってしまった。それを口にはしなかったけれど・・・。

おそらく、素敵な笑顔で歌っていらっしゃる、その奥様も
「うふふ」と笑うかぁちゃんも、最初は思うに任せぬ我が身を恨んだのだろうな。
きっと自分が最も苦しかった時には、今の私と同じように思ったのだと思う。
・・・辛かっただろうねぇ。
その思いを、介護する私の方が忘れ去ってしまっていた。
そんな事を今日は、しみじみと考えさせられてしまった。

かぁちゃん、今晩は夜中に寝なくても「はいはい。」と笑って過ごせそうだよ。
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4 コメント

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明日の我が身 (あっきぃ)
2006-06-16 09:00:11
私も・・・老後はどこか施設へ入りたいと思ってますよ。

ぽれぽれさんに比べたら

たいしたこともなかった父との生活だったけど

その時つくづく思いましたもの。

この身体が思うようにならなくなったら

その道のプロの方に仕事としてケアしてもらったほうがいいかなと。



人の面倒を看るのって

いやいややっていたら続かないけれど

気持ちをこめて接していると

別れのときが辛すぎる。

私の子供達は

親の訃報を遠くの場所で受け取ればいい・・・

などと父のお葬式で考えてました。

私は好き勝手にやってきて

父の具合が悪くなってからその距離が縮まったようなものでしたから。



いつまでも健康でありたい という平凡な願いが 年とともに

いかに難しいものであるか実感しつつあるビミョーな年齢の私です。





Unknown (ak6254)
2006-06-16 10:16:29
わたしも、施設に入りたい派です。



そのほうがお互いのため。

でも、入れる段階まで進行する間も、家族や周りにお世話になるんだよね~



母は、ご近所のお年寄りや認知症の方の話をしていて、「家で家族だけでがんばるのはよくない。必要なら施設できちんと快適に暮らさせてあげるのも大事」

ぬぁーんてこと、言います(^_^;)



自分がその瀬戸際にいるということは認識ないんですね。



昨日の番組、ちらっと見て、アルツハイマーと癌とダブルの内容だったのでパス。



癌のご主人が認知症の奥様の面倒をみてるなんて、まるで我が両親じゃあないですか(笑)



うちは、アルツじゃないようだけど、パーキンちゃんだぜ!

なんて、病気の比べっこしても意味ないですね♪









少し考え込んでしまったのです。 (ぽれぽれ)
2006-06-17 02:33:30
>あっきぃさん

あぁ、本当に・・・。

いやいやだと長続きしないけれど、

深く接すれば接するほど、別れは辛いですよね。

見に沁みてそう思います。

けど、悲しみの深さの分、与えられた物も大きいかも。

・・・うぇん、泣けて来た・・・。



私もね、母がこんなにならなかったら、

おそらくこんなに母の側にいる事は一生なかったと思います。

手を繋ぐ事も、おでこをくっつける事も考えられなかった。

これで良かったと無理やり納得しないと、やってられないです。

いつか心からそう思える時が来るといいけど・・・。



ところで、体調はいかがですか?

私も微妙な年頃なので、えっ?と思うことは多くなってきています。

くれぐれも、気をつけてくださいね。



>ak6254さん



あのね、昨日は番組を見ながら、ak6254さんの事を思っていました。

というか、癌のご主人が複雑な病の奥様を介護されてるのを観て

akさんの所と一緒だぁ・・・とお顔も知らないのに思ったんですよ。



でね、何が「アンビリバボー」だったかって

若年性アルツハイマーを発症してから奥様は12年だそうです。

ご主人は癌と闘いながら奥様を伴って講演活動もされているのですが

現在は癌が体から消えてるんですって!



やっぱり、明るい未来を考えて不安を吹き飛ばしましょ!!
ありがとうございます!! (ak6254)
2006-06-17 10:26:23
そうだったんですね!

癌は消えるものだとは、体験上知ってるんだけど(父方の祖母ったら、大腸がんや肺がんが出たり消えたりを繰り返し、結局消えちゃいました)



嬉しいです!!



ぽれぽれさんが、ここに取り上げてくださらなかったら、ただの悲しい介護生活の話、で

終わってました!!



自分のことより、他のことを思いやってるときに、自分の身体への不安や悲しみは忘れているといいます。

その中での小さな感動の積み重ねで、自己治癒力も高まっていく、らしい(笑)



明るい未来はもうすぐ?



感謝!

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