ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ブリューゲル余話(13) ‐ 美術史美術館(32)

2016年10月15日 |  ∟オーストリアの美術館

 ※ オーストリア/ウィーン美術史美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(50)

 ブリューゲル(1525-1569)編の終章を前に、聊か唐突なタイトルになった。
 公式HPを借りて彼のコレクションは世界最大と紹介したが、「じゃ、何作持ってるの?」と訊かれれば、全作品アップと風呂敷を広げた以上、幾つだったっけ?では如何にも拙い。

 勿体振る訳ではないが、作品数の前にブリューゲル家の画家たちに触れておきたい。
 ピーテル・ブリューゲル、若い頃に幼子を亡くしたものの、晩年も40歳前後にふたりの息子を得ている。

 上の息子がピーテル・ブリューゲル(1564-1638)、幼い頃に死別したため父親から手ほどきを受けることもなく、画業の多くを父の絵の模写に費やしたらしく、オリジナル作品の評価は高くないようだ。

 下の息子はヤン・ブリューゲル(1568- 1625)で、静物画を得意としたことから “ 花のブリューゲル ” とも呼ばれ、小編<マウリッツハウス>でも投稿したが、同時代のルーベンス(1577-1640)などとの共作も多い。

 そのヤンの息子のひとりがヤン・ブリューゲル(1601- 1678)、父親と同じようなスタイルの絵を描いたらしい。

 序に、ヤンの娘のアンナの夫、早い話が女婿がオーストリア大公のお抱え画家<テニールス>(1610-1690)である。

 てなことで、ピーテル親子を(大もしくは父)と(子)、ヤン親子も(父)と(子)、とそれぞれ異称されている。

 で、肝心の収蔵作品数だが、公式HPは17作品。
 ウィキペディアの 「ピーテル・ブリューゲル作品一覧」では13作品、ただし、全く同じ図柄の 「<幼児虐殺>」(ロンドン/セント・ジェームス宮蔵)を加えると14作品になる。

 17、それとも14、どっちにするのかって?
 う~ん、それは次回に・・・と、いうことにして、今号は息子の作品で括ってお仕舞。

 まず、美術史美術館が収蔵するヤン(父)の傑作 「青い花瓶の中の花束」(上/1606年頃/66×50.5cm )。

 そして、ピーテル(子)が(大)の 「洗礼者ヨハネの説教」(1566年/95×160.5㎝/ブダペスト国立西洋美術館蔵)を模写した 「洗礼者ヨハネの説教」(下/1601-04年/101×167.5 cm/クラクフ国立美術館蔵)。

 農民の画家とも異称される(大)だが、画家自身、人文主義者とも交流のある教養人だったという。
 ところで、<さかさまの世界>を好んで描いた彼、股間から景色を覗いて農村風景のスケッチをとる奇癖があったそう。
 それって、今年 “ 股のぞき効果 ” でイグ・ノーベル賞を受賞した先生じゃない・・・と、可笑しくなった。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1199

 ※ 「美術史美術館(31) ‐ ブリューゲル(12)」へは、<コチラ>からも入れます。


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