ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ブリューゲル(4) ‐ 美術史美術館(23)

2016年08月26日 |  ∟オーストリアの美術館

 ※ オーストリア/ウィーン美術史美術館編 ‐ 中欧美術館絵画名作選(41)

 時代は、ユダヤ人の王ヘロデの代のこと。
 ベツレヘムで救い主が生まれたことを星を見て知った<東方の三博士>から、「新しい王」のことを聞いたヘロデ、自分の地位が脅かされるのではと不安に駆られ、ベツレヘムとその近郷にいる二歳以下の男の子を悉く殺すように命じる。

 夢で天使からその告知を受けたヨセフ、難を避けるため幼な子とその母を連れ<エジプトへ逃れ>、ヘロデが死ぬまでそこに留まった。 (マタイ2章)

 ブリューゲル(1525-1569)の四回目は、その場面を描いた 「幼児虐殺」(上/1564年/116×160㎝)。

 画面では、槍で幼時を虐殺する兵、逃げ道を塞ぐ騎馬隊、家に踏み込もうとする兵、幼児を抱いて悲しむ母、助命を嘆願する親などが、真っ白な雪景色の中に描かれている。

 時代は、それから僅かばかり遡る。
 全世界の人口調査をせよとの勅令がローマ皇帝アウグストから出たので、人々はみな登録をするためにそれぞれ自分の町へと帰って行った。

 ヨセフもダビデの家系であり、またその血統であったので、ガリラヤの町ナザレを出てユダヤのベツレヘムというダビデの町へ、既に身重になっていた許嫁のマリヤと上った。

 ベツレヘムに滞在している間にマリヤは月が満ちて初子を産み、布にくるんで飼葉桶の中に寝かせた。 (ルカ2章)

 その人口調査を主題に描いたのが、本作の二年後に描かれたとされる 「ベツレヘムの戸籍調査」(下/1566年/116×164.5㎝/ベルギー王立美術館蔵)、そして、話は 「幼児虐殺」へと続くのである。

 画面中央、マリアを乗せたロバと牛を牽くヨセフが見えるが、仕事が大工だとはいえ鋸を担いだ姿は珍しい。
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1176

 ※ 「美術史美術館(22)  ‐  ブリューゲル(3)」へは、<コチラ>からも入れます。


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