ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

マウリッツハイス(上)

2010年03月12日 |  ∟ベネルクスの美術館

 オランダ王室の宮殿があり、ロイヤルシティーとも呼ばれるハーグ。
 
政治の街でもあるこの街に見るべき観光スポットは少なく、観光客の多くは17世紀オランダに花開いた絵画、珠玉の名品を見るためにこの街を訪れると言ってもいい。

 その中心は、マウリッツハイス美術館。
 
行政府の集るビネンホフとフリーマーケットのテントが並ぶプレイン広場の間の通り、ホフフェイファの池を背に、その王立絵画陳列室がある。

 Photo_2美術館正面の石敷きの道は、国会議事堂への車の往来があって警備がものものしい。
 
建物の右横手、通りに面し小さな階段の奥、勝手口のようなところから入って右手、建物中央の締め切られた正面玄関から真っ直ぐに延びる階段を昇る。

 最初の部屋は、バロック期を代表するフランドルの画家ルーベンス。
 
フェルメールの作品に入る前に、生涯に約1200点ともされる膨大な作品を残し、ヨーロッパ狭しと活躍した、この多能多芸な画家について少し触れたい。

 最初の絵 「楽園のアダムとイブ」は、ヤン・ブリューゲル(父)とのコラボレーション。

 Photo_3ルーベンスが、彼独特のふくよかな線でアダムとイブを、花や動物などに秀作を表し花のブリューゲルとも称されるブリューゲルが、動物と風景と、それぞれ得意とする対象を描いたもので、とても二人の画家が描いたとは思えない。

 余談だが、画家一家に生まれたヤン・ブリューゲル。
 
父が 「バベルの塔」などの傑作を数多く残し、農民の画家とも称されるピーテル・ブリューゲルで、尊敬を込めて大ブリューゲル、もしくはブリューゲル(父)と呼ぶ。

 で、その大ブリューゲル、つまり(父)の長男、(父)と同じくピーテルと名付けたのか呼ぶのか知らないが、こちらをピーテル・ブリューゲル(子)と呼ぶ。
 話を分かりにくくしたのは、(父)の次男のヤン・ブリューゲル、自分の息子が同じようにヤンと呼ばれるためにややこしくなった。
 この子をヤン・ブリューゲル(子)と呼び本作のヤン・ブリューゲル(父)と区別、とまあこういうことなのだ。

 話を戻して、この部屋にはルーベンスの 「聖母被昇天」もあって、続きはマウリッツハイス(下)で。

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