※ オランダ ‐ アムステルダム/ライクスミュージアム編(5)‐ ベネルクス美術館絵画名作選(13)
関連性をもった作品が多いことでも知られているヨハネス・フェルメール(1632-1675)、そのキーワードに “ 真珠 ” と “ 手紙 ” があげられる。
今回の作品「青衣の女」(1662-64年/47×39cm)もその “ 手紙 ” がモチーフとなってい、本作の六年ほど前に描かれた「<窓辺で手紙を読む女>」(1657年頃/83×65cm/ドレスデン国立美術館蔵)にその関連性を見ることができる。
ただ、本作には彼の作品の大きな特徴である<窓>は描かれず、壁に掛けられた世界地図、二脚の椅子、机には宝石箱、真珠の首飾りと手紙がもう一枚、極めて簡素な静かな雰囲気に満ちている。
幾分か年を重ねたように見える青衣の女性は手紙に没頭、物思いに耽っているかに見える。
机の手紙は、今読んでいる手紙の前のページなのか、それとも以前に届いた手紙なのか判らないが、本作もまたその表情から彼女が望むべき内容ではないのかも知れないことを窺わせている。
壁に掛かった南東ホラントの地図が、手紙の送り主が海外にいることを暗示、妊娠しているのかも知れないと観る者に思わせる女性に複雑な印象を与えている。
さらに「窓辺で手紙を読む女」が、恋文を読む女性がテーマであったとすれば、ふたつの作品に連続性を重ねても不自然さは残らない。
ところで本作、“ 地図 ” も重要な位置を占めているとされている。
それは「<兵士と笑う女>」(1658年頃/フリック・コレクション蔵)に描かれたのと同じ地図で、画家が自宅に同じものを掛けてい、女性が<妻カタリナ>だと示唆しているのというのだが、はて?
Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1501
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