宝物

世界規模の不況のさ中、強烈なボディーブローに、一番ダメージの大きいのが日本のような気がします。その現実を今の日本の指導者達は、果たして理解しておられるのだろうか？と一抹の不安を抱きながら、有難いことに私の日常は取り敢えず支障なく流れます。

先日、自動車販売台数で中国が初の「世界一」になったと発表されました。不況の米国を抜き、中国は文字通り世界一の「自動車生産・販売大国」になりました。ということは、当然世界中の国にとって、中国という国は無視することのできない大きな存在感を持つ国になったということで、残念ながら私達の国・日本は、今見る影もなく衰退の一途をたどっているかに見えます。

かつて日本には、経済力が全てであるかのように肩で風を切って、ヨーロッパなどのひんしゅくを買った時代がありました。今の私達の価値観の中には、少なからずそんな時代の名残が残っています。力で他をねじ伏せることの醍醐味と説明をすれば良いでしょうか、有無を言わせず力に訴えるような風潮と、それでいて叶わなかった場合のポキンと折れてしまうようなもろさです。

もっと外からは見えないものが大切に思えた、かつての心意気を思い出しましょう。コツコツとただひたすら誠実に積み上げることしか能のなかった時代が、もしかすると一番豊かな時代だったのかもしれません。見回せば、あちこちで志した道にヒタスラまい進する若者達がいます。私達の国の財産は彼らのひたむきさだと思います。日本は今も大きな財産を抱えた、素晴らしい国のはずです。



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