体力

風邪をひき始めている。……ような気がする。ちょっと頭の奥が重い。目の間が痛い。舌が荒れてきた。そろそろ喉に痛みが出そうな気配。

これはマズイ。出張が続くのだ。昨日は栃木、今日から福島、明日は宮城。来週からは北海道。風邪でダウンするわけにはいかないのだ。

風邪のひき始めといったら葛根湯、でもこの薬、効いたためしがない。それでも一縷の望みをかけて薬局に買いにいくと、「風邪のひき始めには葛根湯でなく、マオウトウ」と貼り紙があった。マオウトウ、いや、確かマオウトウだったと思うけど、名前が違ってたらゴメンナサイ。どちらにしても葛根湯に似た漢方薬のようだ。

葛根湯が効かないのだからマオウトウも効かないだろうな。ボクは漢方との相性が悪いのかもしれない。最近の漢方は西洋医学でも効能が認められている、と言うか、効能が認められるものが生き残っている感じか。明治期くらいまでの漢方には酷いモノがあったからな。便を全身に塗るとか、生きたままのカエルを飲むとか、焼いた犬の足を食うとか、扉を煎じて飲むとか。ああ、これは朝鮮式漢方か。

ウッ、嫌なことを思い出しちゃったな。漢方薬は止めとくか。ビタミン剤を飲んで安静にしとくことにする。

それで写真のドリンクを買って、あと他にほうれん草とヒジキの総菜とC1000タケダの酸っぱいドリンクを買って、とりあえず栄養をつけてみた。しかし、あとで気が付いたが写真のドリンク、成分をよく見るとこれも漢方薬。それなら素直にマオウトウにしとけば良かったかな。

ただ、葛根湯やマオウトウの箱の裏には気になるただし書きがあった。だから買わなかったんだ。そこにはこうあった。
「充分な体力があって…」「体力が充実していて…」

もう年だ。体力は充分にないし、充実してもいないよ。