横溝正史没後40年&生誕120年の記念企画として、角川文庫から新刊が出ている。新刊といっても、昔の作品の再版である。表紙カバーの挿絵も、巻末の解説も以前のままのようだ。だが、それがいい。特に巻末の解説。本編を一読した後、その余韻に浸りながら解説を読むのが楽しいのだ。最近はこの解説が無い本ばかりなのが残念である。
この記念企画の新刊、まずは2冊買ってみた。
「真珠塔・獣人魔島」「幽霊鉄仮面」。いわゆるジュニア向けの作品である。金田一耕助ものではない。ボクは横溝作品で金田一ものはジュニア向けも含めて全て読んでいるため、未読の作品となると金田一ものではなくなるのだ。
だから、この2冊も探偵役は金田一ではなく、御子柴進少年とか、三津木俊介、由利先生などが務めることになる。ただ、その方が面白いかも知れない。ジュニア向け作品の探偵役は作品中のヒーローだ。それを金田一耕助にやらせると、やたらと颯爽はつらつとした耕助になってしまい、違和感が出てきてしまうからだ。金田一はやっぱりショボショボとしてないとね。
この記念企画、まだ刊行されるのかな?
それなら、また買わないといけないな。