ウィトラの眼

無線業界のニュースについての意見・感想を書きます

無線通信の将来 光通信の影響

2008-07-31 10:30:53 | Weblog
無線業界の話に行く前にもう少し固定通信業界のことを振り返ってみたい。
固定通信の分野のこの30年間の技術革新は目覚ましく、ネットワークの能力の増加は想像を絶するものがある。銅線に代わって光ファイバーが発明され、関連する光技術が急速に進歩したことによってネットワークに通信容量は100万倍まで上がるような技術進歩があった。

残念なことはメーカーも通信事業者もこの技術進歩を実際の応用と並行して発展されることができず、技術だけが進んで用途がない、という状態がかなり長く続いたことである。当然投資金額もそれほど大きなものにはならなかったし、事業として利益もあまりあがっていない。家庭まで光ファイバーを引く作業は工事費用がかかるためなかなか進まず、結果として、ネットワーク容量が必要な容量を大幅に上回る状態が長く続いた。応用を開拓し少しでもネットワークを使えるようにするためにインターネットは使い放題で定額が常識になっていった。

これがインターネットの発展に大きく貢献したが、その一方で、通信事業者の懐は潤っていないことの本質であると思っている。自動車業界はそれほど大きな技術革新はないのに産業として成功しているのと好対照である。

このように通信業界が最新の技術革新を2足3文で売り渡したのはアメリカ市場にその原因があると思っている。世界最大かつ最新の市場で格安の売買がどんどん行われるので世界はそれについていかざるを得なかったのである。21世紀に入ってインターネットの応用が大幅に拡大し、これから固定通信事業は再拡大の可能性があると思っている。

無線通信は周波数が有限な資源であることから光通信のような極端な技術先行の発展はなく、まだ健全な発展を続けていると思っている。しかし、これまで収入の中心であった電話サービスが先進国では飽和に近付いてきており、値下げで売り上げは下がり気味である。今後、発展するためには新しい展開が必要となってきており、これからの進め方が難しくなってきている。


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