尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

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2005.10/22開設

今村仁司「増補・現代思想のキイ・ワード」

2006年06月19日 00時03分41秒 | 読書記録
1985に講談社現代新書として刊行されたⅠ~Ⅳ部と新版として書き加えられたⅤ部から構成されている。
明らかに前者が元気であるのに対して、後者に生彩を欠いていることは、著者の加齢が原因ではない。
マルクス主義の現実的決定的敗北が、左右を越えて、何かしらの理想を追うところに成り立つ、「思想」そのものに対する全体的な懐疑にまで達した結果であろう。
 日本における構造主義やポスト構造主義の受容のほとんどがが、政治参加からシニカルな評論家的態度へと、ドロップアウトする際の言い訳であった。
表面的なブームが去った現在、もういちど実存主義以後を読み直したい。(何もかも終わったような)言説は、バブル経済を背景とする甘ったるい幻想である。

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