さて、私の風邪もどきは順調に進み、ついに変声期まで来てしまった。
そして鼻はかんでもかんでも次から次へと出てきて、脳みそが流れ出ているんじゃないかと思えるくらいで、「箱ティッシュはこの頃の売り出しのは枚数が少ないんじゃない?」とイリコさんに文句を言う私。
でもこれは風邪ではない、風邪もどきなのだ。
私が、こんな症状になる原因はわかっているのだ。
安光姫がお風呂に入るのは7時ごろ、私が入るのは10時過ぎ、我が家のお風呂場は隙間風ピューピュー、温水器のお湯は熱湯を入れても入れても底から冷えてきて、お湯から上がれない。私は風呂のフタを半分ずらして顔をフタに乗せて入っている状態なのだ。
こんな日が一日二日ならどうってことないけど、こう何日も続くと流石の私も寄る年波には勝てず、風邪をひいてしまう。これも地球規模の異常気性のせいなのだ。
そんな昨日と同様、雪が風に狂ったように舞っている寒い今日、トンボの出勤が遅い。
3時過ぎに入って来た。
「何しとったん?」
「あんたらぁ、いらっしゃいませ!じゃないんかね。お客さんが入ってきたらまず
いらっしゃいませ!でしょうが?・・全くどうなっとるん、この店は・・」
「携帯がなれば、誰から?遅くなればなにしとったん?監視されてるよ俺は・・」
でSAYURIを見てきたらしい。
★★★3ヶくらいで、期待はずれ、本の方が面白かったと言っていた。
話は戻るが、今年は例年になく寒い冬らしいが、それでもやっぱり昔――私が暗い小学生活を送っていた頃が、寒かったような気がする。
冬になると、必ず雪が積り、長靴がスッポリ埋まるくらい積雪があった。
雪が降ると、綿の入った防空頭巾のような座布団を半分にしたような頭巾をかぶり、綿入れ半纏という、あきたこまちのような着膨れスタイルで学校に行った。
暖房も掘りコタツくらいしかなくて、曲突(くど)でご飯を炊いた後のおき(消し炭)を母がコタツ布団を上げて頭隠して尻隠さず状態でジュウノで火のついた炭をつぎ足す。薄暗いコタツの中で火の粉が舞う。
家の中で吐く息が白かったもの。よほど寒かったのよ。
それを思うと今は随分暖かいと思う。それだのに風邪をひくなんて、意気地がないねぇ。
イリコさん、ティッシュ、ティッシュ、早く!早く!・・・
曇り時々雪 風強し。5℃