ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

野良犬を見た。

2006年02月09日 | 映画の事
やっと、風が止み、星高山のシンボルマークを型取っている雪も今年最後だとトンボが言うので、珍しくもないが今日もこの写真です。

「新しいいいものがたくさんあるのに、残り少ない人生 目一杯時代に乗り遅れないようについて行かないと、後悔するよ。映画も最先端を見ないと・・」とトンボが言うけど、いい物はいい、いい物は面白い。何時何処で見ても、やはり感動するし、新しい発見もある、そして何より、生きてきた時代が再発見できる。しかし仕事がそっちのけになるというリスクもあるにはあるが・・
感動と比べたらそんな事言っていられない。

また何度目かの「野良犬」を見た。

話はそれるが、少し前、木馬は○○工業の生徒で賑わってた時代があった。
素直な、生き生きとした元気な若者に私もとても楽しい毎日だった。
或る日、高校の先生がある生徒の写真を持ってきて「この卒業生がもしここにきたら、警察か私の方に連絡してほしい」と言うことだった。知ってる顔だった。「何かあったんですか?」

何日かあと、来た!来たのだ!その若者が……・・ピザとコーヒーのオーダーだった。
どうしよう、どうしよう…
頭の中で連絡しなければ、早く警察に連絡しなければ・・
でももう一人の私は、「私の一報でこの若者の人生を変えてはいけない。先の長いこの若者の人生を私の一報で変えていいものか?」
私は随分悩んだ。「元気だった?いまどうしてるの?」
「今ぶらぶらしてます。益田にいます。」

話は戻るが、ここに来て、すっかり黒澤にはまり込んでしまった。
「野良犬」何度見たことか・・見ても見ても感動する。
しかしこのストーリーは、実に簡単で(尤も黒澤の物語はこのような単純な小さな世界を描いているのがほとんどだけど・・)ようは拳銃を盗まれた警官がその拳銃が原因で起きる犯罪に心を痛めながら、その犯人を追うというだけの話。
ところが、それだけなら感動もなにもない。それだけで終わらないのが、黒澤なのだ。
拳銃を売りさばく鉄砲屋の存在を突き止めるため、復員兵の格好でただひたすら街を、場末の繁華街を歩き回る三船刑事のシーン。
本当に毎日歩き回り、薄汚くなっていく。この何分かの間合い、何時ものカメラワーク、戦後の必死で生きようとする人々の雑踏の中の音楽。「東京ブギ」ブンガワンソロもあったような・・

もう黒澤は「酔いどれ天使」のような失敗はしない。真夏の炎天下の捜索活動。
志村刑事はノーメイクかと思われるような、汗をタオルで何度も拭く。ぎらぎらべとべとの熱演。
そうそう、志村扮する刑事が撃たれるシーンの土砂降りの雨、雨が好きだよね黒澤は・・・
追い詰めた最後の花畑でのモーツワルトのピアノ練習曲。好きだよね早坂文雄はアンバランスのバランスが・・。

ついに犯人の木村功の彼女にたどり着く。
彼女が言う、「私のほうから、警察に突き出すことなど出来ません。私にはとてもいい人なのです。」
私は、思い出してしまった。

話は前後してしまったが、結局私はあの時警察にも、先生にも通報できなかった。
暫くして、新聞の記事に私は衝撃を受けた。
あの時の若者が、高校の寮の後輩を騙して、通帳を盗んで、お金を騙し取った犯人で載っていた。

私はもの凄く衝撃を受けた。あの時私が通報していたら、この事件は防げたから・・
先生に電話して、誤った。
良かれと思ってしたことが、裏目に出たことに、世の中の厳しさと、おろかな仏心が仇になってしまい、後悔とむなしさで本当に落ち込んだ。

今どうしているだろうか?ふとそんなことが浮かんできた映画だった。

雑学博士のしもにこの映画を押し付けたら、今日になって、「ドラマの中盤に後楽園球場の野球の場面があったろう?あの当時のプロ野球事情知ってる?」
と聞いてきた。
「確か川上哲治は出ていたけど・・」

当時は、戦争に選手も行っていて、まだ全員帰還してなくて、一リーグ制だったらしい。
南海 巨人、大阪、阪急,急映、大陽、中日、金星の8チームで、巨人ー南海戦で、ちなみに巨人は三原監督、南海は山本一人監督で、ちなみに映画の中の巨人の投手は中尾、南海の投手は別所らしい。
私が調べたわけではないので、信憑性には欠けるかもしれません。悪しからず・・

晴れ 6℃