ブレンド日記

世の中の出来事・木馬での出来事・映画の感想・本の感想・観るスポーツ等々ブレンドして書いてみました。

酔いどれ天使は何度目の観賞?

2006年02月04日 | 映画の事
今冬、何度目かの寒波に襲われた石見地方。
朝から粉雪が舞い、気温が上がらず寒い一日だった。
写真は朝の木馬界隈。

寒さもあるし、我々の横柄な態度が影響してか、11時頃から、閑古鳥になる。
イリコさんに昨日確かめたら、ビデオも「忍者武芸帖」も全部イリコ邸に貸してあると言う事で、早く返却しないと延滞金もらうぞ!と脅かしたら雪の中を抱えてきた。我々の至福タイムが始まった。
酔いどれ天使をみた。


舞台となっているのは、江東区のとある闇市をイメージした焼け跡の東京。
これが調べてみたら全部オープンセットらしいから、まずそのことに驚いた。

メタンガスが沸くどぶ池の焼け跡の町、悪を心から憎み、人間らしいけど変わり者の酔いどれ医者真田と、戦後の混乱期に性悪じゃないけど、どこか生き方に捨て鉢で、それでいてやすらぎを求めていて、そして肺病を患っている松永、とのおかしな奇妙な交流を描いている。


そして三船松永の顔が凄い。何度も見るたびに、ますます三船の顔の演技に圧倒されてしまった。そして、黒澤映画は挿入歌がいつも話題になるが、場面場面で聞こえる音楽は、音楽オンチの私でも聞いた事があるようなメロディなので、張り詰めた緊張した場面で聞いた事がある音楽にほっとしたり、怖くなったりする。
やるせない気持ちで雑踏の中を歩く松永のシーンに流れる「カッコウワルツ」

この後の映画、「野良犬」と同様に、落ち込むシーンに必ず流れる軽やかなメロデ
ィ。このアンバランスな軽やかなメロディが哀しみをより際立たせるのだ!

そして又調べたら、ナイトクラブで笠置シズ子が歌う名曲「ジャングル・ブギ」は黒澤明が作詞らしい。へぇ~。

そして>冒頭のメタンガスの湧く沼のシーンから度々繰り返されるギターの、アルペジオの弾き損ないみたいな曲はいいね。どこかで聴いた覚えのある曲だけれど何と言う歌なのかとても知りたい。@てっつあんブログより・・・・

これは曲名はわからないけど、歌詞はわかるよ。
♪雨が静かにふる。
       日暮れのまちはずれ・・
          そぼ降る 小雨に・・
           濡れゆくわがむね・・
     霧のような 小糠雨  
         泣き母思えば しのびくる  しのびくる
                           私の 胸に・・・


そして@てっつあんが一番危惧していた、真田が夏だというのに息が白く見えたところ。(確かに見えた。)

これはてっつあんが鋭い。
失敗作らしい。
真冬に真夏の撮影をしたらしくて、息が白くなったと書いてあった。
珍しいね、完ぺき主義の黒澤にしては……。
でも「失敗は成功の母」と言うから、この失敗を生かしてあの世界一の傑作「七人の侍」が生まれたのだろう。
そして、モノクロのシーンのアングル、黒澤はこういうのよく使うよね。
すだれや、ブラインドで、影が縞々になる所。
この後の「野良犬」にも出てくるし、確か「天国と地獄」にも出てくるよね。

雪5℃
明日は定休日です。