おじたん。的ぶろぐ生活。

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海の幸を堪能する…。(さざえ編)

2005-05-28 22:26:23 | 我思う、故に書くなりよ。
いせえびと一緒にお裾分け頂いたワケであるが、いせえびほど高級食材でも無くなりつつある。これは幾多の困難の末に「養殖」が可能となり、稚貝の放流なども盛んに行われて資源が豊富になった事による。

それでも、貝類では「アワビ」と共に「高級」って冠は未だに載っている。価格だけがその冠を返上してくれつつあるのはうれしい所である。

んで、今回届けられたモノはしっかりと荒海で育っていた「天然物」。さざえに付き物と言ってよい「イガイガ…」な角がしっかりと伸びている。これがある種のステータスでもあり、やはり「量産型」とは違うのだよ「量産型」とは。このイガイガ…は後で意味を帯びてくる。人を寄せ付けないだけのモノではないのだね。

まぁ、天然モノでもイガイガが短かったり、無かったりするモノもいるので、そう心配しなくても大丈夫だし、アワビほど味の違いが出る様な差も判らない食材でもある。まぁ天然物の方が「大きい…」個体に出会えるって事はあるだろうけれどね。

さて、さざえだが…。他の貝類と違って、勝手に開いてくれたり、茹でれば出て来てくるってモノでもない。頑強な要塞にこれまた頑強なフタが備わっており、得てして外界と遮断した形で佇んでいる。

よく、さざえの身だけ刺身になっていたり、細かく賽の目に切られた形で他の食材と共に殻に入れられて出されたりするが、これを普通の家庭で行おうとするのもかなり難しい。扱いに手慣れた業者の方なら「くるるっ…」と、殻からあっという間に身を取り出していたりもするが、螺旋状の殻の内部に肝の部分が潜んでおり、これを出すのと出さないとでは旨味は大きく違ってしまう。

磯遊びのついでに「たまきび」と呼んでいた小さな巻き貝をたくさん捕って帰り、塩ゆでにして食べた事があった。その容姿はマイクロサイズのさざえの角なしって感じで、食す部分は当然と少ない。にもかかわらず、口に入れた途端に広がる磯の香りというのか、海の香りはその苦みと相まって、実に素晴らしいものなのである。

だが、これもコツを覚えないと中の身や肝はうまく取り出せず、本来の素晴らしい味が味わえない。爪楊枝などで身を捕らえた後に、殻ごと「くるるっ…」と回しながら肝までキレイに取り出せればしめたもの。

さざえも同じで、やみくもに箸で突いたり、ほじくったり、引っ張っても最高の味は出て来ないのである。磯でバーベキューやってる人の多くは実にもったいない食べ方をしている人がほとんどで、

「あーあ。やっちゃってるよ…肝が美味いのになぁ…」

と、他人事ながら「もったいない」でいっぱいになってしまう。

とまぁ、なんだかんだ言っても始まらないので、さっそく「壺焼き」に…。

ガスレンジに焼き網を乗せて、その上に生のさざえを乗せる。頑強なフタが見え、旨味の詰まった煮汁が出ない様に姿勢を整えなければいけない。ここでイガイガ…のあるなしが効いてくる。無かったり、小さいモノは姿勢を保つのが難しいのである。

後は中火でじっくりと焼いてやる。頑強なフタの脇から煮汁が泡立ち始めれば、フタもゆるんで来た証拠なので、そこから醤油でも注げばOK。姿勢が上手く保たれたままなら、ぐるぐるの奥の方に潜んでいる肝の部分にまで醤油は行き渡る。ほどよい時間の焼きが望ましいのだけれど、生焼けでもイヤだし、焼き過ぎは肝心な肝が焦げ付いて出て来なくなる。この辺はカン…だろう。

1個は醤油でそのまま味わう。ぐにょくにょ…した足の部分の味わいを過ぎれば苦みが広がる肝に…。んーーー。味わいと共に鼻を抜ける香り…。

1個は洋風にバターを垂らし込んでみた。合うんだねぇ、これが。どうしたのかねぇ? 特に肝との相性はヤバイんじゃないのぉ?

エスカルゴ風にちょいとすりおろしたニンニクなんか混ぜても、うまーなんだこれが。いせえびと言い、さざえと言い、こいつらは何よ? どーしてるワケ? あまりの美味に納得が行かなくなり、喜びが腹立たしさに変わるのもどーしたもんだか困ったもんだが。至福である事には違いないんだけど、なんだよ、もうっ!

てなワケで、頻繁に食すモノでも無いのだが、食す時はこだわりを持ってじっくりと味わいたい食材と言えようか。出来るならば自身の手で調理し、調理されながら変わっていく食材をも楽しみながら深い味わいを楽しむべきである。
うめーんだよ、こいつら…。あー。うまいさ。うまかったよ。ちくしょー…。

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