おじたん。的ぶろぐ生活。

おじたん。である。語るんである。

パンダは何食ってんだ…パンだ…。

2005-02-19 22:38:00 | 我思う、故に書くなりよ。
生まれて初めてパンダを見た感想は…「汚ねぇ…」。

ブームも一段落して、並ばなくても見られる様になった頃の上野動物園で見た時の感想である。ガラス越しの向こうでうずくまって動かない白黒の熊は、白黒と言うより茶色と明るい茶色に汚れまくっていた。まぁ、より自然な環境で育てるって事だから、ああなるんだろうけれど、売店で売っているぬいぐるみとのギャップの大きさに、何もかも一気に失ってしまった覚えがある。

それから大分経ち、彼女と見に出掛ける事があった。幼少の頃に見た、カンカン・ランランは既に亡く、別なのがいたワケだが、その姿はついに見る事は出来なかった。外で遊んでくれる様な愛嬌があるワケもなく、何もいない飼育舎をしばらく2人で眺めていた。彼女のパンダちゃんの記憶は、TVで良く見る小さくてふわふわしていて、よちよちともよろよろともおぼつかない足取りの子パンダ。そんなのが上野にいるわけも無く、原産国の中国にでも行かなければ見るのは無理。

だが、TVで見るあっちのパンダはそれほど汚くない。どちらかと言えば「きれい」な方で、TV向けにいちいち洗っているのだろうか…とも考えたが、自然なパンダを生で見た事が無いワケだから、どうとも言えない。

さて、パンダだが、希少動物のトップクラスにいる。許可無く個人で飼育するなんて事は不可能だし、剥製であっても売買は禁止されている。内緒で売買して、オークションに出して捕まったとかなんとか昨年聞いた事があるが、あれでさえ博物館が引き取った。

動物園にいるパンダは、上野の場合は基本的に中国がくれた物。日中国交化のシンボルとして日本に寄贈されたのが始まり。以後、数頭貰っているが、現在は1頭しかいない。

2頭いるじゃん…って話もあるが、日本が所有権を主張出来るのはオスの1頭だけで、残りのメス1頭はメキシコからの借り物である。繁殖を目的として借り受け、一定の期間で返さなければならない。
んで、子供が生まれたかというと、生まれていない。人工繁殖はなかなか難しく、高齢化と言う事もあって「希望」を期待しているだけ。

メキシコからやってきたメスはメキシコに所有権があり、その間に子供が生まれると、最初の子供はメキシコが所有権を持ち、2頭目は日本の所有権になる。となると、やはりどこからか借り受けないと、オスメス揃った状態にはならないだろうと…。

世界中の動物園にパンダはいる。が、そのほとんどが中国が所有権を持ち、自前で所有権を主張出来るのは5頭しかいない。ほとんどが「レンタル」なんだな。レンタルでも子供が生まれてくれれば、と言う事もあるが、確か所有権は中国にあるんだと思う。すなわち、レンタルが増える。

これが年間で1億とも2億とも言われているので、財政の心配ない動物園ならともかく、おいそれとレンタルするのも大変だし、飼育だって難しいワケだから、そうそうレンタルも出来ないのだ。

中国でパンダの保護がうまくいき、わらわら増えてくれれば、気前よくくれる事もやぶさかでは無かったんだろうけれど、自然をコントロール出来るワケではないので、あまり増えてはいない。そんな理由から「贈与」される事もほとんど無くなり、まして日本とは政治問題で何かとやりあっている最中だから「ちょっとちょーだい」って雰囲気でも無い。

日本がトキを失った事は、世界中の動物園関係者なら知っている。中国にしてみれば、パンダをトキと同じ運命にするワケには行かないのだ。今後はパンダのレンタルもおいそれとは行かなくなるかもしれない。レンタルで繁殖させ、少しでもパンダの数を増やそうと、少しでも近親交配を避けようとする試みはあまりうまく行っていない現実もある。

上野からパンダがいなくなる事は寂しいと思うけれど、中国からもいなくなってしまう事を考えたら、それだけは絶対に避けなければならないとしたら、ハイビジョンの画像でもいいんじゃないかと思う。どうしても見たかったら、中国に見に行けばいい。そういう目的で中国を訪れるのもいいんじゃないかと思う。それで得た外貨を元に、中国はパンダの保護にもっとお金を掛けられる様になれば、地球からパンダがいなくなる事も避けられるかもしれない。

若いパンダならともかく、もうじきお迎えが来そうな高齢パンダに人工繁殖ってのも、何だか苦しい気がするんだけどなぁ…。

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